- まえがき /岡田 健治
- まえがき /小林 幸雄
- 第T章 最初の1週間で親の信頼を勝ち取る
- 3年生学級通信ジャンプNo.2 伸びる子の条件〜学級開きにて〜
- 3年生学級通信ジャンプNo.3 友だちの良いところ〜道徳〜
- 3年2組学級通信スマイルNo.2 出会い 1日目
- 3年1組学級通信3の1ヒーローズNo.1 「春休み中のこと」
- 3年生学級通信メタモルフォーゼNo.1 進級おめでとうございます
- 3年生学級通信メタモルフォーゼNo.2 ザ・学級開き
- 3年学級通信エトセトラNo.3 お便りありがとうございます
- 第U章 魅力ある授業の紹介で保護者の信頼を勝ち取る
- 3年2組 学級通信なかまNo.18 子どもたちの発想〜社会科地図記号の学習〜
- 3年2組 学級通信なかまNo.26 算数マジック〜みんなの数字を当てましょう〜
- 3年1組 学級通信山里村No.7 辞書引きに熱中
- 3年1組 学級通信ファイトNo.6 チョウをそだてよう
- 3年1組 学級通信ファイトNo.31 じんざは,火事が怖かったか
- 3年1組 学級通信ファイトNo.39 理科 豆電球 A
- 3年生学級通信くりえーと〜create〜No.9 よう虫は,よ〜ちゅういして観察しよう!〜理科:チョウをそだてよう〜
- 3年生学級通信くりえーと〜create〜No.12 先生の動きを書く
- 3年生学級通信くりえーと〜create〜No.15 討論の授業
- 3年2組 学級通信ブルースカイNo.23 知的な学習 〜「に」をどう読むのか〜
- 3年2組 学級通信ブルースカイNo.35 ボランティア教育
- 3年2組 学級通信ブルースカイNo.37 理科〜豆電球の授業〜
- 第V章 保護者が安心する学級のドラマ・子どもの様子を伝える
- 3−3学級通信スキップ31No.12 休み時間の様子
- 3−3学級通信スキップ31No.24 トピック3つ
- 3年1組学級通信3の1「こばやし村」No.6 野草ウオッチングの名人!
- 3年1組学級通信3の1「こばやし村」No.25 個人懇談を終えて
- 3年1組学級通信3の1「こばやし村」No.26 空前の「けんだま」ブーム!
- 第W章 子どもへの語りで保護者を味方につける
- ――教師は,説くのではなく語れ。(向山洋一)――
- 3年生学級通信くりえーと〜create〜No.10,No.11 けんじと赤シャツ〜道徳〜
- 3年生学級通信くりえーと〜create〜No.18,No.19 以心伝心
- 3年 学級通信オブリガードNo.10 そうじをていねいにする子(萩本欽一さんのエピソード)
- 3年1組学級通信3の1「こばやし村」No.20 斎藤一人氏の言葉
- 3年い組 学級通信学級の記録No.69 苦闘する体験
- 第X章 保護者が必要としている情報の紹介はこうだ!
- 3年生学級通信キラキラNo.28 踊り(表現)みどころ編
- 3年生学級通信キラキラNo.42 番外編〜教育ゲームの無料インターネットサイト〜
- 3年1組学級通信スクラムNo.2 学校で勉強する理由
- 3年1組学級通信スクラムNo.4 参観授業ありがとうございました
- 3年1組学級通信ランナーNo.15 夏休み明け「テストの結果」
- 第Y章 休み前・休み明け,保護者と子どもから質問の出ない通信のポイント!
- 3年生学級通信サンシャインNo.15 夏休み号!
- 3年生学級通信サンシャインNo.41 冬休みの課題
- 3年生学級通信サンキューNo.17 学校に活気がもどりました
- 3年2組 学級通信パワーアップNo.19 みんな元気で一安心です
- 3年1組 学級通信アラカルトNo.18 夏休みの作品
- 第3学年学級通信ランダムNo.53 一年の計は元旦にあり
- あとがき /坂西 理之
まえがき
学級通信で親を味方につけるには,どのようにすればよいのだろうか。
私は,
学級通信には,子どもの事実を書く。
ということが極めて重要であると考えている。
こんなことは,当たり前だ。当たり前のことだが,これが,結構難しい。
無意識のうちに,教師の見栄が,文章の中に入ってしまうことがあるのだ。
たとえば,「授業中,活発な討論が続いた」と書くことは実に簡単であるが,実際に,これを行うことは,容易なことではない。また,「どの子も熱中していた」ともすぐ書けるが,実際にそのような状態を持続することは,結構難しい。
良いことを書こうとして,見栄をはらないことが大切だ。
教師が,学級通信で親を味方につけるには,子どもの事実のみを忠実に示すべきなのである。いくらうまいことを書いても,子どもの事実と異なっていれば,親は教師を信用しない。親は,子どもの事実のみを見ているのだ。
1学期の終業式が終わって,子どもたちが下校した後に,「真っ黒に日焼けした子どもたちが,登校してきました。学校に子どもたちの元気な声が戻ってきました」等と,2学期の始業式に渡す学級通信を書いている教師もいる。しかし,これは,ダメだ。
向山洋一氏(TOSS代表)は,『教師の才能を伸ばす――京浜教育サークルの秘密』(明治図書)で,
理念で教育を語ろうとする人がいる。こうあるべきだということを前提にするのである。しかし,教師は子どもを日々預かっているのである。その教育がどうであったか,子どもがどうなったかということこそ判断行為の基準にすべきだ。「思い」で教育を語るのではなく「事実」で教育を語るべきなのである。「事実」を見る目をきたえていくことだ。
「事実」を「正確に」「分析的に」見られるというのは,プロの目を持っている人だけに可能なのである。
と述べている。
子どもの事実のみを正確に,しかも分析的に,忠実に描写すること。これこそが,学級通信で親を味方につける最高の方法なのである。
それでは,どのようにして,子どもの事実を描写したらよいのだろうか。
最近,若い先生方から,「学級通信を出したいけれど,書くことが思いつきません。どんなことを書いたらよいのでしょうか」といった相談をよく受ける。
「事実のみを書くべし」と言われても,すぐには,筆が進まないだろう。
なるほど,パソコンを前に,いくら悩んでも,具体的なサンプルがなければ,イメージが湧かないのは,無理からぬことである。
本書は,そんな悩みを解決してくれるはずである。
本書には,「学級通信で親を味方につけるアイデア」が満載されている。
各章には,学級通信の書き方や書く時の配慮事項を示し,かつ,サンプルの学級通信を多数収録している。
サンプルの学級通信は,ベテラン教師・中堅教師・青年教師が,実際に発行したものを忠実に再現している。
ただし,個人情報の保護等に配慮して,加工している点はお許しいただきたい。また,昨今,学級通信も学校発の文書として,校長決裁となっている。そっくりそのままの学級通信を出版するには,障害が多すぎることは,ご理解いただけると思う。
したがって,学級通信名,学校名,児童氏名や行事予定等も架空のものとしているので,あらかじめご了承いただきたい。
教師の仕事は,子どもの可能性を信じ,可能性を引き出すために努力を重ねることである。
ぜひ,本書を参考にして,教室での子どもの事実を学級通信で親に示していただきたい。親は,すぐに,そんな誠実な教師の味方になる。
本書が,1人でも多くの子どもの可能性を引き出すことにつながれば,幸いである。
/岡田 健治
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- 明治図書