- まえがき /岡田 健治
- まえがき /小林 幸雄
- 第T章 「今年の先生は違う」と思わせる学級通信の書き方
- 4年生学級通信メタモルフォーゼNo.1 進級おめでとうございます
- 4年生学級通信メタモルフォーゼNo.2 ザ・学級開き
- 4年生学級通信くりえーと〜create〜No.1 夢は果てしなく広がり
- 4年生学級通信くりえーと〜create〜No.2 伸びる子の条件〜学級開きにて〜
- 4年 学級通信パッションNo.1 出会いを前にして
- 4年 学級通信パッションNo.2 出会い 1日目
- 4年 学級通信パッションNo.3 出会い 2日目
- 4年 学級通信アラカルトNo.2 出会いの序章
- 第U章 親子が授業の話で盛り上がる学級通信の書き方
- 4年 学級通信パッションNo.28 算数いろいろな考え方
- 4年 学級通信パッションNo.39 ごんぎつねC
- 4年 学級通信パッションNo.47 作文の書き出し
- 4年1組学級通信4の1「こばやし村」No.17 消防署見学記
- 4年1組学級通信4の1「こばやし村」No.27 詩づくりに挑戦!
- 4年1組学級通信4の1「こばやし村」No.28 続・詩づくり
- 4年1組学級通信4の1「こばやし村」No.29 ぞくぞくと力作が生まれ
- 4年1組学級通信4の1「こばやし村」No.32 無人島でくらすとしたら
- 4年1組学級通信4の1「こばやし村」No.34 「言葉の戦争だ!」――「無人島でくらすとしたら」その3
- 4年1組学級通信4の1「こばやし村」No.35 討論後の感想
- 第V章 保護者が楽しみにする学級のドラマ・様子を伝える
- 4年1組学級通信4の1「こばやし村」No.26 空前の「けんだま」ブーム!
- 4年生学級通信くりえーと〜create〜No.29 クラスの文化〜会社活動〜
- 4年 学級通信やまびこNo.38 班遊び
- 4年 学級通信アットランダムにこにこNo.16 裏文化の中で育てたい
- 4年 学級通信エッセイNo.11 4の3 開脚前転全員達成パーティー
- 第W章 授業参観とイベントの特集で,保護者を巻き込む
- ――意図を説明するのではなく描写するように書くのが秘訣である!――
- 4年1組学級通信4の1「こばやし村」No.3 初めての参観日〜小さな胸を痛めて〜
- 4年1組学級通信4の1「こばやし村」No.8 5月の授業参観〜楽しくことば遊び〜
- 4年1組学級通信4の1「こばやし村」No.11 参観日で英語活動の授業〜早く学べば学ぶほど抵抗はない!〜
- 4年1組学級通信4の1「こばやし村」No.25 個人懇談で伺った「とっておきの話」
- 4年1組学級通信4の1「こばやし村」No.30 漢字文化の授業〜東洋の誇るべき文化〜
- 4年1組学級通信4の1「こばやし村」No.31 招待状の手紙を書く〜そば打ちパーティー〜
- 4年1組学級通信4の1「こばやし村」No.36 4の1解散パーティーに向けて
- 第X章 保護者が得したと思える情報をこのように伝える
- 4年1組学級通信4の1「こばやし村」No.20 斎藤一人氏の言葉
- 4年学級通信アットランダムにこにこNo.22 『火の鳥』のファン続々と
- 4年学級通信アットランダムにこにこNo.29 読書感想文の書き方
- 4年学級通信スクランブルNo.31 縄跳び
- 4年学級通信飛行船No.4 新出漢字の覚え方
- 第Y章 休み中の課題・過ごし方が明確にわかる学級通信の書き方
- 4年生学級通信くりえーと〜create〜No.23 1学期終了,待望の夏休み!
- 4年生学級通信くりえーと〜create〜No.41 冬休みの課題
- 4年学級通信オブリガード夏休み号 夏休みのしゅくだい
- 4年1組学級通信4の1「こばやし村」No.13 待望の夏休み!
- 4年学級通信ハーモニィーNo.15 いよいよ冬休み
- 4年生学級通信メタモルフォーゼNo.21 夏休み号!
- あとがき /谷元 忍
まえがき
学級通信で親を味方につけるには,どのようにすればよいのだろうか。
私は,
学級通信には,子どもの事実を書く。
ということが極めて重要であると考えている。
こんなことは,当たり前だ。当たり前のことだが,これが,結構難しい。
無意識のうちに,教師の見栄が,文章の中に入ってしまうことがあるのだ。
たとえば,「授業中,活発な討論が続いた」と書くことは実に簡単であるが,実際に,これを行うことは,容易なことではない。また,「どの子も熱中していた」ともすぐ書けるが,実際にそのような状態を持続することは,結構難しい。
良いことを書こうとして,見栄をはらないことが大切だ。
教師が,学級通信で親を味方につけるには,子どもの事実のみを忠実に示すべきなのである。いくらうまいことを書いても,子どもの事実と異なっていれば,親は教師を信用しない。親は,子どもの事実のみを見ているのだ。
1学期の終業式が終わって,子どもたちが下校した後に,「真っ黒に日焼けした子どもたちが,登校してきました。学校に子どもたちの元気な声が戻ってきました」等と,2学期の始業式に渡す学級通信を書いている教師もいる。しかし,これは,ダメだ。
向山洋一氏(TOSS代表)は,『教師の才能を伸ばす――京浜教育サークルの秘密』(明治図書)で,
理念で教育を語ろうとする人がいる。こうあるべきだということを前提にするのである。しかし,教師は子どもを日々預かっているのである。その教育がどうであったか,子どもがどうなったかということこそ判断行為の基準にすべきだ。「思い」で教育を語るのではなく「事実」で教育を語るべきなのである。「事実」を見る目をきたえていくことだ。
「事実」を「正確に」「分析的に」見られるというのは,プロの目を持っている人だけに可能なのである。
と述べている。
子どもの事実のみを正確に,しかも分析的に,忠実に描写すること。これこそが,学級通信で親を味方につける最高の方法なのである。
それでは,どのようにして,子どもの事実を描写したらよいのだろうか。
最近,若い先生方から,「学級通信を出したいけれど,書くことが思いつきません。どんなことを書いたらよいのでしょうか」といった相談をよく受ける。
「事実のみを書くべし」と言われても,すぐには,筆が進まないだろう。
なるほど,パソコンを前に,いくら悩んでも,具体的なサンプルがなければ,イメージが湧かないのは,無理からぬことである。
本書は,そんな悩みを解決してくれるはずである。
本書には,「学級通信で親を味方につけるアイデア」が満載されている。
各章には,学級通信の書き方や書く時の配慮事項を示し,かつ,サンプルの学級通信を多数収録している。
サンプルの学級通信は,ベテラン教師・中堅教師・青年教師が,実際に発行したものを忠実に再現している。
ただし,個人情報の保護等に配慮して,加工している点はお許しいただきたい。また,昨今,学級通信も学校発の文書として,校長決裁となっている。そっくりそのままの学級通信を出版するには,障害が多すぎることは,ご理解いただけると思う。
したがって,学級通信名,学校名,児童氏名や行事予定等も架空のものとしているので,あらかじめご了承いただきたい。
教師の仕事は,子どもの可能性を信じ,可能性を引き出すために努力を重ねることである。
ぜひ,本書を参考にして,教室での子どもの事実を学級通信で親に示していただきたい。親は,すぐに,そんな誠実な教師の味方になる。
本書が,1人でも多くの子どもの可能性を引き出すことにつながれば,幸いである。
/岡田 健治
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- 明治図書