- まえがき /岡田 健治
- まえがき /小林 幸雄
- 第T章 学級びらき・授業びらきを目に浮かぶように描写せよ!
- 第6学年学級通信ランナーNo.1 最上級生として
- 第6学年学級通信エトセトラNo.2 6年1組 3つの学級目標
- 第6学年学級通信エトセトラNo.3 「授業びらき」は,かくのごとく
- 第6学年学級通信Will(ウィル)No.1 Will【意思,意欲,決意】
- 第6学年学級通信Will(ウィル)No.2 簡単なようで,難しいもの3つ
- 第6学年学級通信Will(ウィル)No.3 学級目標決定
- 第6学年学級通信ランナーNo.2 今年度1年間の基本方針
- 第6学年学級通信あすなろNo.3 学級びらきはかくのごとく
- 第U章 魅力ある授業の描写で親を味方にする
- 第6学年学級通信ランナーNo.60 「夢」の授業
- 第6学年学級通信エトセトラNo.38 参観日の授業――理科の発展学習――
- 第6学年学級通信ランナーNo.35 OH!! 黒船来航! OH!! ペリー!
- 第6学年学級通信Will(ウィル)No.61 フリーターと正社員の違いを授業する
- 第6学年学級通信Will(ウィル)No.62 続・フリーターと正社員の違いを授業する
- 第6学年学級通信あすなろNo.5 漢字パズル
- 第V章 子どもの成長で親を味方にする
- 第6学年学級通信Will(ウィル)No.5 立候補する
- 第6学年学級通信Will(ウィル)No.8 クラス全体に感じるつながり(連携が出てきたかな…)
- 第6学年学級通信エトセトラNo.26 運動会の準備を通して…
- 第6学年学級通信あすなろNo.27 一言
- 第6学年学級通信あすなろNo.37 1学期終了
- 第6学年学級通信ランナーNo.41 家庭科 家族のために食事をつくってみよう
- 第W章 学校行事はこれで成功
- ――親切な連絡で親を味方につける
- 第6学年学級通信あすなろNo.8 修学旅行版「好プレー・珍プレー集」
- 第6学年学級通信あすなろNo.9 修学旅行 続・「好プレー・珍プレー集」
- 第6学年学級通信Will(ウィル)No.36 「2006よさこいソーラン忍」演技図
- 第6学年学級通信エトセトラNo.8 家庭訪問ありがとうございました
- 第6学年学級通信ランナーNo.36 校外学習について
- 第X章 子どもの作品を紹介することで親を味方につける
- 第6学年学級通信Will(ウィル)No.23 自信がもてることのすばらしさ
- 第6学年学級通信あすなろNo.43 作文は書き出しが命
- 第6学年学級通信ランナーNo.43 算数ノートから考える
- 第6学年学級通信エトセトラNo.51 自学のススメ(日記から)
- 第6学年学級通信エトセトラNo.52 美しい表現(日記から)
- 第6学年学級通信ランナーNo.12 図画工作 アイデアスケッチで発想を豊かに
- 第Y章 親がぐっと引き込まれ,得をしたと思える情報を伝える
- 第6学年学級通信あすなろNo.48 成長は突然やって来る!
- 第6学年学級通信Will(ウィル)No.32 工夫してプロの仕事を
- 第6学年学級通信ランナーNo.29 読書感想文
- 第6学年学級通信Will(ウィル)No.21 勉強ができるようになるコツ
- 第6学年学級通信ランナーNo.44 外国の首脳が知っていた話
- 第Z章 学期末・学期はじめの諸連絡は保護者の立場に立ってより親切な対応をする
- 第6学年学級通信あすなろNo.35 【夏休み自由研究テーマ例集】
- 第6学年学級通信あすなろNo.36 【夏休み自由研究テーマ例集】(前号の続き)
- 第6学年学級通信エトセトラNo.23 研究のヒントになるかどうか???(その1)
- 第6学年学級通信エトセトラNo.24 研究のヒントになるかどうか???(その2)
- 第6学年学級通信ランナーNo.34 走る
- 第6学年学級通信Will(ウィル)No.58 3学期スタート 卒業まであと51日
- 第[章 旅立つ教え子たちへのメッセージで別れを演出せよ!
- 第6学年学級通信Will(ウィル)No.78 明日,卒業
- 第6学年学級通信ランナーNo.67 贈る言葉
- 第6学年学級通信エトセトラNo.54 卒業おめでとう
- 第6学年学級通信あすなろNo.68 君たちの人生が,限りなく豊かであることを祈りつつ
- あとがき /白石 周二
まえがき
学級通信で親を味方につけるには,どのようにすればよいのだろうか。
私は,
学級通信には,子どもの事実を書く。
ということが極めて重要であると考えている。
こんなことは,当たり前だ。当たり前のことだが,これが,結構難しい。
無意識のうちに,教師の見栄が,文章の中に入ってしまうことがあるのだ。
たとえば,「授業中,活発な討論が続いた」と書くことは実に簡単であるが,実際に,これを行うことは,容易なことではない。また,「どの子も熱中していた」ともすぐ書けるが,実際にそのような状態を持続することは,結構難しい。
良いことを書こうとして,見栄をはらないことが大切だ。
教師が,学級通信で親を味方につけるには,子どもの事実のみを忠実に示すべきなのである。いくらうまいことを書いても,子どもの事実と異なっていれば,親は教師を信用しない。親は,子どもの事実のみを見ているのだ。
1学期の終業式が終わって,子どもたちが下校した後に,「真っ黒に日焼けした子どもたちが,登校してきました。学校に子どもたちの元気な声が戻ってきました」等と,2学期の始業式に渡す学級通信を書いている教師もいる。しかし,これは,ダメだ。
向山洋一氏(TOSS代表)は,『教師の才能を伸ばす――京浜教育サークルの秘密』(明治図書)で,
理念で教育を語ろうとする人がいる。こうあるべきだということを前提にするのである。しかし,教師は子どもを日々預かっているのである。その教育がどうであったか,子どもがどうなったかということこそ判断行為の基準にすべきだ。「思い」で教育を語るのではなく「事実」で教育を語るべきなのである。「事実」を見る目をきたえていくことだ。
「事実」を「正確に」「分析的に」見られるというのは,プロの目を持っている人だけに可能なのである。
と述べている。
子どもの事実のみを正確に,しかも分析的に,忠実に描写すること。これこそが,学級通信で親を味方につける最高の方法なのである。
それでは,どのようにして,子どもの事実を描写したらよいのだろうか。
最近,若い先生方から,「学級通信を出したいけれど,書くことが思いつきません。どんなことを書いたらよいのでしょうか」といった相談をよく受ける。
「事実のみを書くべし」と言われても,すぐには,筆が進まないだろう。
なるほど,パソコンを前に,いくら悩んでも,具体的なサンプルがなければ,イメージが湧かないのは,無理からぬことである。
本書は,そんな悩みを解決してくれるはずである。
本書には,「学級通信で親を味方につけるアイデア」が満載されている。
各章には,学級通信の書き方や書く時の配慮事項を示し,かつ,サンプルの学級通信を多数収録している。
サンプルの学級通信は,ベテラン教師・中堅教師・青年教師が,実際に発行したものを忠実に再現している。
ただし,個人情報の保護等に配慮して,加工している点はお許しいただきたい。また,昨今,学級通信も学校発の文書として,校長決裁となっている。そっくりそのままの学級通信を出版するには,障害が多すぎることは,ご理解いただけると思う。
したがって,学級通信名,学校名,児童氏名や行事予定等も架空のものとしているので,あらかじめご了承いただきたい。
教師の仕事は,子どもの可能性を信じ,可能性を引き出すために努力を重ねることである。
ぜひ,本書を参考にして,教室での子どもの事実を学級通信で親に示していただきたい。親は,すぐに,そんな誠実な教師の味方になる。
本書が,1人でも多くの子どもの可能性を引き出すことにつながれば,幸いである。
/岡田 健治
学級通信のネタに困ったときは、この本を開いています。