- はじめに
- 謝 辞
- T 易しくて楽しくて力がつくブッククラブをやってみよう
- 1 ブッククラブとは何か
- 2 日本にブッククラブをどう取り入れたらよいか
- 3 ブッククラブは,子どもにとってどんなによいことがあるか
- 4 ブッククラブは,教師にとってどんなによいことがあるか
- U やる気を引き出す発信型のブッククラブ
- 1 ブッククラブの言語活動で子どものやる気を引き出す
- 2 意欲を引き出す特効薬は遊びである
- 3 忍耐の受信から発信と創造の喜びへ
- V だれでも明日から実践できる七つのストラテジー
- W なぜブッククラブが必要か?
- ―PISA読解力テストの結果からの考察
- PISA読解力テストの低水準を克服するブッククラブ
- (1) PISA読解力テストが低水準な本当の理由
- (2) なぜ日本の高校生のPISA型読解力は向上しないか
- (3) どうしたらPISA型読解力が向上するか―ブッククラブの導入
- X ブッククラブは難しくない
- ―教科書教材でできる易しく楽しいブッククラブ 「いちばんの願いごと」でブッククラブ(小学校3年生〜中学校3年生程度)
- 1 なぜブッククラブは難しく見えるか
- 2 なぜアメリカ人はブッククラブを授業に取り入れたか
- 3 では日本でブッククラブを易行道にするには
- 4 過去の教科書教材でブッククラブ
- 5 まず教材研究をしっかりやろう―遅読から多読へ
- 6 テクストの「大事なところ」を押さえる方法
- 7 テクストの「大事なところ」から主題を導き出す方法
- 8 どうやってブッククラブ・ディスカッションを組み立てるか?
- Y アメリカのブッククラブを日本のブッククラブにどう生かすか
- 1 ブッククラブの指導内容
- 2 ブッククラブ・カリキュラムの目標領域
- 3 ブッククラブ・プログラムの基本的な構成要素は何か?
- (1) 典型的なブッククラブの授業
- (2) コミュニティ・シェア
- 4 ブッククラブの進め方
- (1) 読むこと
- (2) 書くこと
- (3) ブッククラブ
- 5 ブッククラブの構成要素と3つのスキル
- 6 金魚鉢を使ったモデリング
- 7 ブッククラブにどのくらいの時間をかけるか?
- 8 リーディング・ログの項目
- 9 テーマ単元の進め方
- 10 ブッククラブの評価
- Z ブッククラブで学ぶ14のリーディング・ストラテジー
- 1 なぜリーディング・ストラテジーか
- 2 どうやってリーディング・ストラテジーを考えたか
- 3 リーディング・ストラテジーの4分類
- 4 14の問いで学ぶリーディング・ストラテジー
- (1) 「バックグラウンド・ナリッジ」の問い
- (2) 「正確な理解」の問い
- (3) 「深い理解」の問い
- (4) 「発信」の問い
- [ 日本型ブッククラブのプロセス
- ―「大造じいさんとガン」でブッククラブ
- 1 ブッククラブを日本に導入するために
- 2 なぜリーディング・ストラテジーが必要か
- 3 日本の教師に必要なのは質問力です
- 4 教科書教材をブッククラブで行う単元構成
- 5 「大造じいさんとガン」でリーディング・ストラテジーを育てる
- 6 結 論
- \ 「感想交流」と「気持ち」をやめないとPISAに対応できない
- ―6年生の教材「ヒロシマのうた」(今西祐行)をブッククラブで楽しもう
- 1 なぜ「感想交流」がいけないのか
- 2 なぜ「気持ち」がいけないのか
- 3 「ヒロシマのうた」の「気持ち」を感想交流する授業
- 4 感想交流のコミュニケーションと課題解決のコミュニケーション
- 5 北川達夫ほか訳『フィンランド国語教科書 小学5年生』(経済界)で物語がどう扱われているか
- 6 「ヒロシマのうた」をブッククラブで楽しもう
- ] 新学力観とブッククラブはどう違うか
- ―「手ぶくろを買いに」(新美南吉)をどう教えるか
- 1 ブッククラブと新学力観への誤解
- 2 新学力観への対抗策―一単元一指導事項
- 3 領域を「絞り込む」か「際だたせる」か「広げる」か,そしてPISAは
- 4 新学力観とは何か
- 5 新学力観による学習指導案の改善案
- 6 新学力観とブッククラブの学習活動の違い
- ]T 受信一辺倒の読みはなぜいけないか
- ―「サラダでげんき」のブッククラブで子どもの元気を引き出そう
- 1 PISA型は行き詰まったか?―不幸な誤解
- 2 PISA型読解力を育てるブッククラブ
- 3 学力テストと言語力
- 4 読書単元「サラダでげんき」でどんな力がつくか
- 5 「サラダでげんき」のブッククラブで子どもの元気を引き出そう―なぜクリティカル・リーディングが必要か
- ]U ブッククラブは新学習指導要領が求める力を最も効率的に育てる
- ―上所小・女池小・鳥屋野中学校の「課題解決のディスカッション」への挑戦
- 1 ブッククラブはなぜ新学習指導要領が求める力を育てるか
- 2 なぜ変なPISA型やブッククラブの授業になるか
- 3 主題を確実にとらえる方法
- 4 「課題解決のディスカッション」への挑戦
- 5 主題把握からキー・クエスチョンズをつくる
- 6 ティーチャー・ブッククラブのすすめ
- ]V 僻地校のブッククラブへの挑戦
- ―どんな子どもでも,正確に読み,論理的に書き,生き生きと話し合う力がつく
- 1 風の又三郎の小学校
- 2 話せない子が話せるようになる秘密
- 3 教師たちはどう変化したか
はじめに
前著『「PISA型読解力」の弱点を克服する「ブッククラブ」入門』は理論的な基礎を詳しく書きましたが,本書は実践の方法を詳しく書きました。
『「ブッククラブ」入門』にもその通りにやればだれでも実践できる授業マニュアルを載せましたが,本書は2009年度の『教育科学・国語教育』(明治図書)の連載をもとに,多くの実践事例を紹介しました。
連載の記述に補ったことは,「ブッククラブとは何か」「日本にブッククラブをどう取り入れたらよいか」「ブッククラブは,子どもにとってどんなによいことがあるか」「ブッククラブは,教師にとってどんなによいことがあるか」「だれでも明日から実践できる七つのストラテジー」「なぜブッククラブが必要か」「アメリカのブッククラブを日本のブッククラブにどう生かすか」などです。
ブッククラブを難しいことだと思って,手が出せない先生方のために思い切って易しくわかりやすい,だれでも明日から実践できるブッククラブの七つのストラテジーを提案しました。
本書を読んだ先生方の間に日本中にブッククラブの輪が広がり,子どもたちが本を大好きになり,児童書がたくさん売れるようになり,図書館の貸出冊数が増え,子どもたちの学力が向上する夢を,たくさんのやる気にあふれた先生方と追いかけていきたいと思います。
指導案など詳しい実践事例は私のウェブサイトをご覧ください。
http://www.nier.go.jp/arimoto/index.html
2010年 春 /有元 秀文
-
- 明治図書