- まえがき
- 第一章 AIは子どもの味方 社会はこう変わる!
- 生成AIとは何か〜ChatGPTの登場
- 様々な生成AI
- ChatGPT の登場
- 生成AIブームと加速する開発競争
- AI社会の到来〜Society5.0
- Office にAIが搭載される時代
- 生成AIと雇用の問題
- AIとロボットは子どもの味方
- Society5.0 はAI社会
- AI社会のイメージ〜AIは副操縦士
- AI社会のイメージ
- 生成AIがもたらす社会変革の二大柱
- 生成AIとの付き合い方
- 新しい格差の登場〜AI教育の重要性
- AI社会の光と影:AI格差の登場
- 仕事を奪うのはAIだけではない
- AI格差に陥らないために
- 第二章 生成AIのトリセツ 保護者と教育関係者が知っておきたい7つの要点
- 生成AIの教育活用における3つの課題
- 生成AIに対する教育業界の反応
- 課題 (1) 学習機会の喪失
- 課題 (2) 評価の正確性・公平性の低下
- 課題 (3) 生成AIによる不正確な情報(ハルシネーション)の影響
- 生成AIが書いた文章は見抜けない〜検出ツールの限界
- 生成AIを教育へ活用する流れへ
- 生成AIのトリセツ
- トリセツ @ 生成AIの仕組み〜AIに知性はあるの?
- トリセツ A ファクトチェック〜AIもウソつく!? 本当とウソを見抜く方法
- トリセツ B 質問上手〜AIとの会話で大切な、ベストな質問の仕方
- トリセツ C 著作権侵害に注意〜AIと著作権、知らなきゃマズイこととは?
- トリセツ D 年齢って大事〜AIと子ども、年齢制限を守ろう
- トリセツ E プライバシー・機密情報を守れ〜あなたの秘密、AIには教えないで
- トリセツ F アイデア次第〜生成AIの活用法は無限大
- 学校は生成AIガイドラインを作ろう
- 学校に生成AIガイドラインが必要な理由
- 学校独自の生成AIガイドラインの作り方
- 文部科学省の生成AIガイドラインの要点
- ガイドライン作成のための参考資料
- 第三章 生成AIを活用した新しい教育 先進事例の紹介とその可能性
- 聖徳学園中学・高等学校「批判的思考・論述力を高める授業」
- STEAM 教育の先進校:聖徳学園中学・高等学校
- ChatGPT を活用した批判的思考・論述力を高める授業
- 聖徳学園中学・高等学校の今後の生成AI対応
- お茶の水女子大学附属中学校「生成AIを活用した国語科授業の開発」
- 自主自律の精神を育むお茶の水女子大学附属中学校の教育
- ブルーム・タキソノミーを用いた ChatGPT の特性分析
- 授業実践1 読むこと(詩の読解と鑑賞)「春よ、来い」
- 授業実践2 書くこと(伝統的な言語文化)「枕草子」
- 画像生成AIを活用した漢詩の授業
- 中学生目線で文部科学省の生成AIガイドラインを考える授業
- 山脇学園中学校・高等学校「ChatGPT を活用した英語ライティング教育」
- 社会で生き生きと活躍する女性リーダーの育成:山脇学園中学校・高等学校
- ChatGPT を活用した英語のライティング教育
- 画像生成AIを活用した春休みの課題
- 山脇学園の今後の生成AI対応
- 関東第一高等学校「情報科授業での生成AI活用法」
- ICT活用が活発な Google for Education 事例校:関東第一高等学校
- ChatGPT を活用した情報Tの授業
- 生徒たちの声「ChatGPT をカスタムして自習に役立てています」
- 生成AI導入までの経由と今後の展望
- 日出学園中学校・高等学校「生成AIを自然体で受け入れるデジタルネイティブの生徒たち」
- 様々な企業・団体の現場を体験できるキャリア教育プログラム「FLYERS」:日出学園中学校・高等学校
- 「人間と機械」について考察を深める倫理の授業
- 生成AIを自然体で受け入れるデジタルネイティブの生徒たち
- ファクトチェックの重要性を学ぶ授業
- 清泉女学院中学高等学校「中高生によるAI倫理憲章作成を目指す活動」
- 人生の指針を見つけ、心を育てるライフオリエンテーションプログラム:清泉女学院中学高等学校
- 中高生による中高生のためのAI倫理会議
- 探究学習・ICT教育の成果が際立つミーティングの光景
- 生徒のインタビュー「AI倫理会議実行委員会に参加した理由」
- ドルトン東京学園中等部・高等部「英語科における生成AIの活用術」
- 日本唯一のドルトンプラン採用校:ドルトン東京学園中等部・高等部
- ChatGPT 登場の混乱の最中、勉強会を開催
- 英語のオリジナル新聞記事を作成するプロジェクト学習
- ChatGPT を活用した英語の問題作成
- 東明館中学校・高等学校「教員の業務効率化を革新する ChatGPT 活用法」
- 日本最速で Society5.0時代に対応した学校になる:東明館中学校・高等学校
- 業務効率が2倍に向上した東明館の ChatGPT 活用法
- 正解のない記述問題を ChatGPT で採点
- 東明館が見据えるAIリテラシーの重要性
- 教育系NPO法人が提供する「AIの活用を体験しながら学ぶ」出張授業
- STEAM 教育の地域格差是正に取り組む教育系NPO法人
- ChatGPT でプロンプトエンジニアリングを体験してみよう
- クリエイティブな大妻中学高等学校の生徒たち
- 教育現場に最適化された安心・安全な生成AI環境の提供
- 生成AIを搭載した英語スピーキングアプリ ELSA Speak
- スタンフォード大学と Google が支援する英語スピーキングアプリ
- 生成AIが個別ニーズにフィットした英会話シチュエーションを提供
- ELSA Speak が英語スピーキング授業の課題を解決
- 小学生が安心安全に使える「自由研究お助けAI β版」
- 小学生の使用を前提にした生成AIの登場
- 親子でAIリテラシーを学べる充実したコンテンツ
- 親しみやすいAIキャラクター「ラボリー」
- 小学生が安心・安全に使える仕組み
- 質問上手になるための学習コンテンツ
- 第四章 子ども with AIの時代への対応 今から始められる7つのステップ
- 子ども with AIの時代〜一人一台AIの教育の未来
- 一人一台AIが導入された未来の教室
- 一人一台AIが変革する未来の授業
- 「動画で学ぶ」から「AIで学ぶ」へ
- AI教育の波及効果
- デジタルネイティブ世代にAI教育が必要な理由〜子どもがAI格差に陥らないために
- 公教育全体が変わるのは10年後
- デジタルネイティブ世代にAI教育が必要な理由
- 学校におけるAI人材育成の重要性
- AI社会で子どもが幸せになるために〜7つのステップ
- ステップ @ 教育観をアップデートしよう
- ステップ A デジタル・シティズンシップを身につけよう
- ステップ B AIリテラシーを身につけよう
- ステップ C 生成AIを使ってみよう
- ステップ D 好きなこと・得意なことに打ち込もう
- ステップ E 藤井聡太さんをお手本にしよう
- ステップ F 多様で多数の仲間と繋がろう
まえがき
保護者の皆様、そして小学校・中学校・高校の先生方、はじめまして。教育・ICTコンサルタントの福原です。本書『教師と保護者ための子どもの学び×AI入門』を手に取っていただき、ありがとうございます。
本書は、2023年9月15日に発行された私の初著書『教師のための ChatGPT 入門』に続く、第二作目となります。前作の出版時、ChatGPT の潜在能力がまだ充分に認識されず、学校での使用を禁止するかどうかという議論が始まってしまったことから、ChatGPT の効果的な活用方法とその価値を教育界に広める必要性を感じ、筆を取りました。幸い、私の努力が少しでも貢献できたかは分かりませんが、今では教育分野で生成AIを活用する動きが加速していることを嬉しく思います。
しかし、生成AIのような新しいテクノロジーが学校教育に浸透するには時間がかかります。AI教育が広く導入されるまでには、10年程度を見込んでいます。この状況では、現在小学校・中学校・高校に通っている子どもたちが、AI教育を受けずに社会に出る可能性が高くなります。これにより、将来的に生成AIをうまく活用できないことで、子どもたちがAI格差に直面する恐れがあります。
そこで本書は、現在の小・中・高校生が将来AI格差に陥ることなく、AI社会で幸せに生きられるようになるためのガイドとして執筆しました。この本は、教育関係者や小・中・高校生の保護者の方々を対象としています。教育関係者の皆様には、この本を通じて生成AIを活用した教育の重要性を理解し、学校でのAI教育の導入を早期に始めていただきたいと願っています。保護者の皆様には、この本で生成AIについて学び、お子さんと共に興味を持っていただければ幸いです。周囲の大人がAIに関心を持つだけで、子どもたちの学習環境は大きく変わります。そして、保護者がAI教育に理解を示し、興味を持つことが、学校環境を変える力となります。お子さんと日本の将来を担う多くの子どもたちのために、ご協力をお願いいたします。
本書の構成は以下の通りです。第一章「AIは子どもの味方〜社会はこう変わる!」では、生成AIの基礎から始め、これが将来にどのような変化をもたらすか、さらには新たに出現するAI格差が子どもたちの未来にどう影響するかを探ります。第二章「生成AIのトリセツ〜保護者と教育関係者が知っておきたい7つの要点」では、生成AIを理解し安全に活用するための不可欠なリテラシーと注意点を、特に覚えておくべき7つの重要なポイントに絞り込んで解説します。これらの知識は、子どもたちのAI教材としても有用です。そして第三章「生成AIを活用した新しい教育〜先進事例の紹介とその可能性」では、AI教育を先駆けて取り入れ、成果を上げている国内の学校や民間企業の事例を紹介し、その可能性を探ります。教育関係者には、これらの事例が学校でのAI教育の実践に役立つことでしょう。最終章「子ども with AI の時代への対応〜今から始められる7つのステップ」では、AIが当たり前となる社会で子どもたちが幸せに生きるために、ご家庭や学校で実践できる7つのステップを紹介します。
本書を通じて、先生方、保護者の皆様が子どもたちのために有益な情報を得られること、そしてそれが子どもたちの未来を明るく照らすことを心より願っています。
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- 明治図書
- 実践例が豊富で参考になった。2024/9/730代・中学校管理職