- はじめに
- 序章 技術・家庭科 家庭分野改訂のキーポイント
- 1 改訂の経緯
- 2 改訂のポイント解説
- 3 技術・家庭科改訂の基本方針
- 1章 「第1 目標」のポイントと解説
- 1 技術・家庭科で育成を目指す資質・能力
- 2 技術・家庭科における見方・考え方
- 2章 「第2 各分野の目標及び内容〔家庭分野〕」のポイントと解説
- 1 家庭分野の目標のポイント
- 2 家庭分野の内容の構成
- 3 家庭分野の各内容の特徴
- A 家族・家庭生活
- 4 「自分の成長と家族・家庭生活」の内容のポイント
- 5 「幼児の生活と家族」の内容のポイント
- 6 「家族・家庭や地域との関わり」の内容のポイント
- 7 「家族・家庭生活についての課題と実践」の内容のポイント
- B 衣食住の生活
- 8 「食事の役割と中学生の栄養の特徴」の内容のポイント
- 9 「中学生に必要な栄養を満たす食事」の内容のポイント
- 10 「日常食の調理と地域の食文化」の内容のポイント
- 11 「衣服の選択と手入れ」の内容のポイント
- 12 「生活を豊かにするための布を用いた製作」の内容のポイント
- 13 「住居の機能と安全な住まい方」の内容のポイント
- 14 「衣食住の生活についての課題と実践」の内容のポイント
- C 消費生活・環境
- 15 「金銭の管理と購入」の内容のポイント
- 16 「消費者の権利と責任」の内容のポイント
- 17 「消費生活・環境についての課題と実践」の内容のポイント
- 3章 「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」のポイントと解説
- 1 主体的・対話的で深い学びの実現と課題解決的な学習過程
- 2 授業時数の配当及び履修学年について
- 3 他教科との連携
- 4 障害のある生徒への指導の工夫
- 5 道徳教育との関連
- 6 学習活動の充実
- 7 ICTの活用
- 8 キャリア教育との関わり
- 9 個に応じた指導の充実
- 10 家庭や地域社会・企業などとの連携
- 11 安全と衛生への留意
- 4章 技術・家庭科 家庭分野の新授業プラン
- A 家族・家庭生活
- 自分の成長と家族・家庭生活1 私たちの成長と家族や家庭生活・ガイダンス
- 家族・家庭や地域との関わり2 家族・家庭や地域との関わりを考えよう
- 家族・家庭生活についての課題と実践3 幼児が喜ぶ遊び道具を買おう&作ろう
- B 衣食住の生活
- 日常食の調理と地域の食文化4 地域の魚を無駄なく調理し,おいしいお弁当のおかずを作ろう
- 生活を豊かにするための布を用いた製作5 どうしたら便利かな? 学校で使うバッグを工夫しよう
- 住居の機能と安全な住まい方6 家族にとって安全で快適な住空間を整えよう
- 衣食住の生活についての課題と実践7 環境に配慮した調理/幼児のための製作/祖父母との安全な住まい方
- C 消費生活・環境
- 金銭の管理と購入8 「デジタルコンテンツ」のトラブルを防ごう
- 消費生活・環境についての課題と実践9 私がツアーコンダクター/我が家の消費生活見直しプラン
- 付録 中学校学習指導要領 第2章 技術・家庭
- 執筆者紹介
はじめに
今回の学習指導要領の改訂は,平成26年11月から2年1か月にわたって中央教育審議会で審議された。まず,全ての教科等について現行学習指導要領の現状分析が行われ,平成27年8月26日に「論点整理」が示された。その後,各学校段階,各教科別に具体的な内容について検討・審議され,平成28年12月21日に「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」(以下「中央教育審議会答申」という。)が示され,平成29年3月31日に新学習指導要領が告示された。
今回の学習指導要領の特徴は,各教科等で育成を目指す資質・能力が三つの柱で整理されていること,「主体的・対話的で深い学び」の実現に向け授業改善を推進することが求められていること,教育活動の質の向上と学習の効果の最大化のために各学校におけるカリキュラム・マネジメントの推進が求められていることである。
技術・家庭科,家庭分野では,よりよい生活の実現に向けて,生活を工夫し創造しようとする実践的な態度を養うために,次のような改善が図られている。
○「生活の営みに係る見方・考え方」として,協力・協働,健康・快適・安全,生活文化の継承・創造,持続可能な社会の構築等の視点が示されている。
○小・中・高等学校の内容の系統性を明確にするために,従前のA,B,C,Dの四つの内容から「A家族・家庭生活」,「B衣食住の生活」,「C消費生活・環境」の三つの内容に整理されている。
○資質・能力を育成する学習活動を踏まえ,各項目を原則として,「知識及び技能」の習得と,それを活用した「思考力,判断力,表現力等」の育成に係る二つの指導事項で構成されている。
○社会の変化への対応として,内容の改善が図られている。少子高齢社会に対応した「A家族・家庭生活」の内容の充実,持続可能な社会の構築に対応した「C消費生活・環境」の内容の充実,グローバル化に対応して「B衣食住の生活」における日本の生活文化に関する内容の充実など。
今回は小学校学習指導要領と中学校学習指導要領は同時に公示され,いずれも平成30年4月1日から移行措置を実施し,小学校学習指導要領は平成32年4月1日から全面実施,中学校学習指導要領は平成33年4月1日から全面実施することとされている。高等学校学習指導要領は,平成29年度末に告示され,中学校学習指導要領から1年遅れで実施される予定である。時間数の限られている家庭科,技術・家庭科としては,小・中・高等学校の内容の接続は非常に重要であり,とりわけ間に存在する中学校での学びの役割が大切であると考える。
本書は,各学校で新しい学習指導要領に沿って技術・家庭科の実践が展開されるよう,改訂の経緯,新学習指導要領の目標,内容などについて,中学校学習指導要領(技術・家庭)の家庭分野の調査研究協力者である方々によって解説したものである。また,授業実践の具体例については,現場の先生方にもご協力をいただいた。新しい学習指導要領が十分に理解され,子供たちの「生きる力」が育まれ,技術・家庭科での学びが家庭や地域での実践につながっていくことを心から願っている。
平成29年11月 /杉山 久仁子
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- 明治図書
- わかりやすい2021/3/2740代・中学校教員