GIGAスクール・1人1台端末に対応!
小学校国語「学習者用デジタル教科書」徹底活用ガイド

GIGAスクール・1人1台端末に対応!小学校国語「学習者用デジタル教科書」徹底活用ガイド

「個別最適な学び」「協働的な学び」を充実させる!

学習者用デジタル教科書の定義、国語学習者用デジタル教科書活用の効果、デジタル教材の紹介、研修例などの解説から、基本的な機能、漢字練習、ワークシート、本文切り抜き機能の活用例、年間を通した活用法まで、日常的なデジタル教科書の活用を徹底サポートする1冊!


紙版価格: 2,706円(税込)

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ISBN:
978-4-18-337911-5
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B5判 136頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年11月25日

CONTENTS

もくじの詳細表示

はじめに
本書の使い方
CHAPTER1 「学習者用デジタル教科書」の捉え方・学び方全解説
SECTION1 学習者用デジタル教科書とは何か
SECTION2 個別最適化を促す学習者用デジタル教科書とは?
SECTION3 国語学習者用デジタル教科書活用でどんな効果がある?
SECTION4 国語学習者用デジタル教科書のデジタル教材を活用した教育方法
SECTION5 学習者用デジタル教科書活用の留意点って何?
SECTION6 学習者用デジタル教科書の研修例とは?
CHAPTER2 国語「学習者用デジタル教科書」の使い方全解説
SECTION1 機能解説編
1 書き込みツール
2 音声再生・表示方法
3 デジタル教材
SECTION2 活用編・初級[HOP]
1年「じどう車くらべ」読むこと(説明文)  1 せつめいする 文しょうを よもう
4年「ウナギのなぞを追って」読むこと(説明文)  2 きょうみをもったところを中心に しょうかいしよう
5年「大造じいさんとガン」読むこと(文学)  3 すぐれた表現に着目して読み,物語のみりょくをまとめよう
6年「笑うから楽しい」「時計の時間と心の時間」読むこと(説明文)  4 筆者の主張や意図を捉え,自分の考えを発表しよう
SECTION3 活用編・中級[STEP]
1年「これは,なんでしょう」話すこと・聞くこと  1 ふたりで かんがえよう
3年「国語辞典を使おう」言葉の特徴や使い方に関する事項,情報の扱い方に関する事項  2 国語辞典を使おう
5年「古典の世界(一)」我が国の言語文化に関する事項  3 声に出して楽しもう
6年「海の命」読むこと(文学)  4 登場人物の関係を捉え,人物の生き方について話し合おう
SECTION4 活用編・上級[JUMP]
2年「スーホの白い馬」読むこと(文学)  1 お話のお気に入りの場面を見つけて,伝え合おう
3年「〈れんしゅう〉言葉で遊ぼう」「こまを楽しむ」読むこと(説明文)  2 段落の中心を捉えて読み,感想を交流しよう
4年「ごんぎつね」読むこと(文学)  3 登場人物の気持ちの変化を捉え,作品を読んで考えたことを伝え合おう
5年「想像力のスイッチを入れよう」読むこと(説明文)  4 事実と意見を分けて捉えて読み,筆者の主張について考えをまとめよう
6年「やまなし/【資料】イーハトーヴの夢」読むこと(文学)  5 場面の様子を想像し,作者が作品に込めた思いを読み取ろう
SECTION5 継続編
1 2年 デジタル教科書を活用した低学年の国語授業づくり
2 5年 デジタル教科書を活用した365日の国語授業づくり
執筆者紹介
*事例は光村図書出版株式会社の「学習者用デジタル教科書+教材」を使用しています。

はじめに

 約20年前に,指導者用デジタル教科書(提示用のデジタル教科書)が登場し,2018年には文部科学省から「学習者用デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に関するガイドライン」が公開され,本格的に少しずつだが指導者用から学習者用へとデジタル教科書・教材の範囲が広がり始めた。今後,主流は学習者用が担っていくであろう。


 そんな中,GIGAスクール構想により,児童生徒1人1台端末環境の整備が全国の学校で一気に進み,また,「教育現場におけるオンライン教育の活用」によると,

 「一人一台端末環境の早期の実現等を踏まえ,デジタル教科書の活用の可能性を広げて児童生徒の学びの充実を図るため,学習者用デジタル教科書の使用を各教科等の授業時数の2分の1に満たないこととする現行基準について撤廃するとともに,学校現場におけるデジタル教科書の使用が全国的に普及するよう促進する。」

としている。今後,教科や学年は限られるかもしれないが,各学校でデジタル教科書を活用していく様子が,日常的にどんどん見られるようになっていくだろう。同時に,ネット環境等を含め端末をスムーズに活用できるか,意見の共有などをどうやっていくのか,などの「環境面」,ライセンス使用や購入の負担などの「制度や経費」,そもそもの端末活用に関する教師の指導の不安感,板書や紙のノートの兼ね合いなどの「指導面」,そして児童生徒の操作の習熟や慣れなどの「スキル面」についても課題が出てくることが想定される。まさに成果や課題を実践ベースで実感・検討できるフェーズに入ってきた。


 文部科学省が2021年に公開した「デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議 中間まとめ」によると,

 「各学校においては,教科等の特質に応じ,地域・学校や児童生徒の実情を踏まえながら,ICTを活用し,授業の中で『個別最適な学び』の成果を『協働的な学び』に生かし,更にその成果を『個別最適な学び』に還元するなど,『個別最適な学び』と『協働的な学び』を一体的に充実し,新学習指導要領が掲げる『主体的・対話的で深い学び』の実現に向けた授業改善につなげていくことが求められる。」

 「このようなこれからの学校教育に必要不可欠なICT活用の一環として,GIGAスクール構想により整備される1人1台端末において,以下に示すような特性を持つデジタル教科書を効果的に活用した教育を進めることは,児童生徒の『個別最適な学び』と『協働的な学び』の充実や,特別な配慮を必要とする児童生徒の学習上の困難の低減に資するものと考えられる。」として,デジタル教科書導入の意義を示している。

 同時に,本中間まとめでは,教師の指導力向上の方策として,

 「デジタル教科書のメリットを最大限発揮するためには,教師のデジタル教科書を含むICT活用指導力の向上を図ることが必要不可欠である。デジタル教科書の導入によって,個々の教師の指導力に大きな差が生じることのないよう,教育実習を含む大学の教職課程や,教育委員会や学校内で行われる研修等を通じて,継続してこうした教師の指導力の向上や底上げを図る必要がある。」

と指摘している。


 本書は,日常的にデジタル教科書が活用されていくことの一助として,国語に特化してその考え方や活用ノウハウを多くの事例で紹介している。CHAPTER1では,「学習者用デジタル教科書」の捉え方・学び方について解説する。このCHAPTER1は,学習者用デジタル教科書とは何か,から始まり,個別最適化を促す学習者用デジタル教科書,国語学習者用デジタル教科書活用での効果,教材,留意点から研修例まで,詳しく述べている。

 また,CHAPTER2では,「学習者用デジタル教科書」の使い方について解説する。このCHAPTER2は,「デジタル教科書部分の基本的機能を使った事例」「漢字練習,ワークシートなどを活用した事例」「本文抜き出し機能を活用して思考の可視化や情報の共有を行った事例」そして,「年間を通してのデジタル教科書を活用した児童の変容」について,詳細に紹介している。


 本書が,多くの学校でのデジタル教科書活用のきっかけになれば幸いである。


  2021年5月吉日   /中川 一史

著者紹介

中川 一史(なかがわ ひとし)著書を検索»

放送大学教授・博士(情報学)。専門領域はメディア教育,情報教育。

主な研究テーマとしては,国語科教育における情報・メディア,デジタル教科書活用の研究,ICT活用指導力育成に関する研究,情報端末機器の教育利用の研究など。

所属学会は,日本STEM教育学会(副会長),日本教育メディア学会(理事)他。文部科学省「教育の情報化に関する手引作成検討会」(副座長),教科書研究センター「デジタル教科書に関する調査研究委員会」(委員長),一般社団法人日本教育情報化振興会「ICT夢コンテスト」(審査委員長)などを歴任。

国語と情報教育研究プロジェクト代表,D-project(デジタル表現研究会)会長。数々の小中学校の実践研究の指導・助言にあたる。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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