- はじめに
- 第1章 7つの指導術で数学的な「見方・考え方」が働き出す!
- 1 「見方・考え方」を働かせる数学の授業
- 2 「見方・考え方」を働かせる7つの指導術
- 〔指導術1〕用語の解説を『仲間分け』に変える
- 〔指導術2〕『間違い探し』から正しく計算させる
- 〔指導術3〕文字式の利用題は『魔法の十字架』で関数感覚を磨く
- 〔指導術4〕『点の移動』でワクワク感を演出する
- 〔指導術5〕『図を使った説明』を自己評価させる
- 〔指導術6〕『変化のペース』をつかんで未知のことを推測する
- 〔指導術7〕『解答限定型問題』で絞り込む力を磨く
- 3 「見方・考え方」を働かせる授業と学習評価
- 第2章 「見方・考え方」を働かせる7つの指導術&授業ワークシート
- 1年
- 「正負の数」の計算
- 「文字式」の計算
- 「文字式」の利用〜ストローの総数
- 「方程式」の計算
- 「比例」の利用〜動く歩道
- 「比例」の利用〜身長当て問題
- 「反比例」の利用〜災害対策計画
- 「平面図形」の垂直・平行
- 「移動」〜麻の葉模様
- 「作図」〜合唱練習の風景
- 「おうぎ形」〜ピザの大きさ
- 「空間図形」の柱体・錐体
- 「空間図形」〜最短経路問題
- 「ヒストグラムと代表値」の利用〜代表選手の選出問題
- 2年
- 「文字式」の次数
- 「文字式」の計算
- 「文字式」の利用〜暦と年齢の関係
- 「連立方程式」の計算
- 「1次関数」の利用〜動点問題
- 「1次関数」の利用〜百貨店問題
- 「平行線と角」〜くちばし問題
- 「多角形の角」〜星形多角形
- 「直角三角形」〜直角二等辺三角形の辺の関係
- 「平行四辺形」〜中点を結んでできる図形
- 「四角形」の定義
- 「確率」〜不思議なサイコロ問題
- 「箱ひげ図」の利用〜日本一暑い町
- 3年
- 「多項式」の計算
- 「多項式」の利用〜指おり九九
- 「平方根」の計算
- 「2次方程式」の計算
- 「2次方程式」の利用〜動点問題
- 「2乗に比例する関数」の利用〜アイスクリームを食べたくなる気温
- 「三角形と比」〜エスカレーター問題
- 「三角形と比」〜お札を3つ折りする方法
- 「中点連結定理」〜中点を結んでできる図形
- 「円周角の定理」〜動点問題
- 「円周角の定理」〜星形多角形
- 「三平方の定理」〜ロープウェー問題
- 「標本調査」の利用〜英和辞典の見出し語数
はじめに
本書を手にしていただいた皆様,このたびは,ありがとうございます。
『中学校数学科 「見方・考え方」を働かせる7つの指導術&授業ワークシート』は,新学習指導要領を踏まえた中学校数学の授業についてまとめた,全学年・全単元の40の実践集です。実践ごとに,授業の進め方を解説したページとそのまま使えるワークシートにしてあります。授業のネタとして使えるページを,日々の実践で活用していただければと思っています。
昨今,持続可能な社会を実現することが謳われるようになっています。
人はなぜ生きているのか。
人はどのように生きるべきか。
中学校で学ぶ必要があるのか。
中学校はどのような形が望ましいか。
数学を学ぶ必要があるのか。
中学校の数学はどのように展開されるべきか。
行く先不透明な社会だからこそ,我々はそれぞれの意味を改めて問い直す必要があります。そこに中学校数学の授業で,「見方・考え方」を働かせる意義が見いだせたとき,本書のような実践集がお役に立つものと思っています。
人は生まれながらにして数学を使って生活を豊かにする心(見方・考え方)を有しています。例えば,自家用車を購入しようと考えたとします。そのときに,我々は様々な情報をもとに,知恵を絞りながら最適な状態を選択しています。まずは,車の色や外観から好みの車種を選ぶでしょう。また,ローンの返済について計算したり,家族がゆったり乗れるスペースがあるか検討したりするでしょう。
我々は,そこに数学が使えることを学んできたわけではありません。それにもかかわらず,振り絞った知恵の中に,割合や関数関係,文字x,累積相対度数,立体の体積…,様々な数学を自然に使っていることがあります。我々は,数学を使うように教えられたわけではありません。人は生まれながらにして,数学を使って少しでも生活を豊かにしようとする心(見方・考え方)を有していると思っています。
このことが,私が考える中学校で数学を学ぶ意義です。
本書では,普段中学校で展開されている数学の授業に,ほんの少し工夫を加え,数学的なものの「見方・考え方」を働かせやすくする教材,そして授業展開を紹介しています。
第1章では,まず,「見方・考え方」を働かせる数学の授業の方向性を示しています。次に,数学の授業で「見方・考え方」を働かせる仕掛けについて,7つの指導術として紹介しています。そして,「見方・考え方」の学習評価について解説しています。
第2章では,実践ごとに,第1章で紹介した7つの指導術とのリンクを示したうえで,学習の流れや板書例,授業中や授業終了時の生徒の姿などが掲載されてある授業の進め方を解説したページがあります。また,それに対応してそのまま使えるワークシートがあり,全学年・全単元の40の実践を掲載しています。
これまでには,多くの先生方からご指導,お力添えをいただいてきました。このことには,感謝の気持ちでいっぱいです。特に,広島県の中学校の先生方,広島市の同僚の先生方から様々なことを教えていただき,私は成長させていただいております。本書を執筆するにあたって,お礼を述べさせていただきます。ありがとうございます。
最後に,私をいつも支えてくれている家族に感謝の気持ちを伝えます。
/天野 秀樹
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- 明治図書
- わかりやすい表現が多くて良かった。2022/8/750代・中学校管理職
- 授業中、終了時の生徒の姿の明記がよかった。2021/12/330代・中学校教員
- データとしても読み取れるようになっていると嬉しい。実際の授業想定がされていてわかりやすかったです。2021/12/220代・学生