- はじめに
- 第一章 理論編「言葉による見方・考え方」を鍛える説明文・論説文の授業づくり
- 第1節 説明文・論説文の授業で「言葉による見方・考え方」をどのように鍛えるか
- 第2節 系統性を意識した説明文・論説文の読み―八つの観点
- 1 問い(問題提示)を読む
- コラム1 音読で文章の内容を正しく理解する
- 2 三部構成を読む(構成よみ)
- 3 二つの文種―説明文と論説文
- コラム2 形式段落相互の関係を意識する
- 4 〈なか〉の叙述の型を読む―並列型と展開型
- 5 答えを読む―「柱(中心となる)」段落・文をとらえる
- 6 要約の指導
- 7 要旨をまとめる
- 8 吟味する(吟味よみ)
- コラム3 吟味で学んだことを推敲に生かす
- 第二章 実践編「言葉による見方・考え方」を鍛える説明文・論説文の教材研究
- 第1節 小学校低学年
- 1 くちばし(光村・1年)・どう やって みを まもるのかな(東書・1年)・だれが、たべたのでしょう(教出・1年)
- 2 いろいろな ふね(東書・1年)
- 3 はたらく じどう車(教出・1年)
- 4 どうぶつの 赤ちゃん(光村・1年)
- 5 どうぶつ園のじゅうい(光村・2年)
- 6 おにごっこ(光村・2年)
- 7 たんぽぽ(東書・2年)
- 8 ビーバーの大工事(東書・2年)
- 9 すみれと あり(教出・2年)
- 10 さけが大きくなるまで(教出・2年)
- 第2節 小学校中学年
- 1 こまを楽しむ(光村・3年)
- 2 ありの行列(光村・3年)
- 3 自然のかくし絵(東書・3年)
- 4 パラリンピックが目指すもの(東書・3年)
- 5 めだか(教出・3年)
- 6 川をさかのぼる知恵(教出・3年)
- 7 世界にほこる和紙(光村・4年)
- 8 ウナギのなぞを追って(光村・4年)
- 9 ヤドカリとイソギンチャク(東書・4年)
- 10 数え方を生みだそう(東書・4年)
- 11 花を見つける手がかり(教出・4年)
- 第3節 小学校高学年
- 1 言葉の意味が分かること(光村・5年)
- 2 固有種が教えてくれること(光村・5年)
- 3 動物たちが教えてくれる海の中のくらし(東書・5年)
- 4 和の文化を受けつぐ―和菓子をさぐる(東書・5年)
- 5 言葉と事実(教出・5年)
- 6 時計の時間と心の時間(光村・6年)
- 7 メディアと人間社会(光村・6年)
- 8 イースター島にはなぜ森林がないのか(東書・6年)
- 9 町の幸福論―コミュニティデザインを考える(東書・6年)
- 10 雪は新しいエネルギー(教出・6年)
- おわりに
はじめに
説明的文章(説明文・論説文)の授業は、楽しい。「はじめ―なか―おわり」を読みとることも、「柱」の段落・文を見つけ要約していくことも、書かれ方や内容を吟味していくことも、いずれも子どもたちが興味を持って授業に参加する要素をたくさん持っている。
授業を楽しくする秘訣は、子どもたちが説明文・論説文を読む方法を自らのものとしていくことである。教師の説明ではなく、子どもたちが読みの方法を見つけ出し、使っていけるようにすることである。そうなることで、子どもたちは授業に主体的に参加できるようになる。
本書は、説明文・論説文の読み方の基本となることを八つの観点にまとめている。小学1年〜6年にかけて八つの観点を系統的に教え、それを子どもたち自身のものとしていく。そのことが学習指導要領の「言葉による見方・考え方」を働かせ、鍛えることにつながる。説明文・論説文の授業が系統性を持つことで、子どもたちは何を学んでいるかに意識的になり、論理的な思考力が身についていく。教材ごとに違う読み方では、教師の指示待ちとなり、子どもたちに読みの力はついていかない。
本書は二章から構成されている。第一章理論編は、「言葉による見方・考え方」を鍛えるための八つの観点を、低・中・高学年の系統性をふまえ、具体的な教材に即して述べている。第二章は、実践編である。小学1年〜6年までの三十三教材について、「深い学び」につながる教材研究を示している。
説明文・論説文の学習のつながりを子どもたちが意識できるように指導していくことで、「言葉による見方・考え方」を鍛え育んでいくことができる。本書は、その道筋を示したものである。
二〇二〇年三月 /加藤 郁夫
-
- 明治図書
- 授業実践の内容だけでなく、授業の考え方も書かれていてわかりやすかったです。ただ実践がたくさんあったのはよいのですが、その分内容が薄くなっており、わかり辛さもありました。2021/2/2130代・小学校教諭
- 教材研究を行う上で必須の本です。2020/8/930代・小学校教員