作文力マスターカード 小学3~4年

作文力マスターカード 小学3~4年

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作文力を高めるための、基礎・基本が身につく教材集

主に国語科で扱う文種の作文教材①表記マスター、②随筆作文、③詩歌、④物語作文、⑤読者作文のマスターカード例を示す。論理的文章の作文教材として、①計画メモ、②依頼状・礼状、③企画書など7例。さらに作文技術を鍛える教材として7例など教材例を示す。


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ISBN:
978-4-18-376812-4
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B5判 104頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

監修のことば 「鍛える国語教室」研究会主宰 /野口 芳宏
編集趣旨 「鍛える国語教室」研究会空知ゼミ代表 /柳谷 直明
「作文力マスターカード」を使った授業モデル
Ⅰ 文学的文章の系統5教材
――主に国語科で扱う文種の作文教材――
No.1 表記マスターカード
No.2 随筆作文マスターカード
No.3 詩歌マスターカード
No.4 物語作文マスターカード
No.5 読者作文マスターカード
Ⅱ 論理的文章1の系統7教材
――主に学校生活全体で扱う文種の作文教材――
No.6 計画メモ・マスターカード
No.7 依頼状・礼状マスターカード
No.8 企画書マスターカード
No.9 課題作文マスターカード
No.10 レポート・マスターカード
No.11 課題解決作文マスターカード
No.12 新聞記事マスターカード
Ⅲ 論理的文章2の系統7教材
――主に作文技術を鍛える作文教材――
No.13 引用作文マスターカード
No.14 PR作文マスターカード
No.15 なりきり作文マスターカード
No.16 夢作文マスターカード
No.17 論破作文マスターカード
No.18 評価作文マスターカード
No.19 授業作文マスターカード
授業実践例――「論破作文マスターカード」―― /冨樫 忠浩
資料『プランくん』
あとがき(小学3~4年) 「鍛える国語教室」研究会美園ゼミ代表 /釜谷 いずみ

監修のことば

   日本教育技術学会名誉会長
   「鍛える国語教室」研究会主宰 /野口 芳宏


 文章を綴る力,つまり「作文力」は,国語学力の頂点に立つものだ。私は長くこの事実を「国語学力の総決算」という言い方で表現して今日に至っている。達者に喋れる人,あるいは普通に話せて伝達行動に支障をきたさない人はいくらでもいるのだが,さて,その人達がみんな達意の文章が書けたり,支障なく文章が書けたりするかということになると,全くそうはならない。だから,「話すように書けばいいんだよ」というのは,ほとんど意味をなさない言葉である。残念ながらこのレベルの言葉で指導したつもりになっている例が多い。

 では,作文力を高めるにはどうすればよいのだろうか。このことについて,私は3つの原理・原則を提言してきた。

 第1が「多作」,第2が「楽作」,第3が「基礎・基本」である。「多作,楽作,基礎・基本」と私は言ってきた。

 「多作」は,要するにたくさん書く,いつでも書く,やたらに書きまくる,ということである。マラソンでも水泳でもたくさん走りこみ,泳ぎこんだ者がそれぞれの力をつける。作文もまた例外ではない。書きこみ,書きなれることが第1の要件である。だから,作文をたくさん書かせている,というだけで,その教師はすぐれていると言ってよいだろう。

 「楽作」は,私の造語で「楽しんで書く」という意味である。辞書を引いてもこの言葉はない。多作をするには,そのことが苦行であっては成り立たない。楽しいから繰り返せるのである。楽しくもない作文の題材を与えられたのでは書く気も失せる。「楽作」の実現には,子どもの潜在的関心を探り,それに適う教材開発をする教師の技量が欠かせない。

 子どもは,もともと「表現好き」である。「じっとしていない」「いつでも喋っている」「落ち着きがない」などと言って,よく子どもを責めるが,つまりはそれほどに子どもはいつでも,どこでも「表現したがっている」ということなのである。この本能的ともいえる欲求に応えるのが「楽作」であり「多作」なのである。

 ところで,では本当に,好きなことをただやみくもにいっぱい書かせてさえいれば作文力が形成され,高まるか,と言えばそうではない。マラソンも,水泳も,原理・原則に合った合理的で効率的な練習をしなければ,数だけこなし,量だけ増やしてもその力はつかない。つまり,常に「基礎・基本」に支えられた積み重ねが必要だ,ということなのだ。作文とてその例外ではない。

 「基礎・基本」というのは,文章を書き表し,綴っていく場合の原理・原則,きまり,約束,技術,方法の意味である。何をどのように教えれば作文の「基礎・基本」が身につくのか,という問題に答える新構想になる教材が,本書『作文力マスターカード』である。

 作文力とは,文章を綴る技術を習得しているということである。文章を綴る行動は一つの技術である。その技術が高ければ良い文章が書けるし,低ければ良い文章は書けない。作文力を高めるには作文の技術を高めればよいことになる。

 ところで,改めて「技術」とは何であろうか。私は,これを次のように定義している。


  「技術」とは,「知識」を安定的に行為化することである。


 技術を高めるためには,そのもとになる「知識」をまず学び,その知識に基づいて文章を書くという行為を系統的,発展的に繰り返していけばよいのである。だが,わが国の作文指導の歴史を見ると,「文章を書くのに必要な知識」を,段階的,系統的に明らかにするという作業が実はほとんどなされていないのだ。作文力を高める必要がいくら叫ばれても,結果的にそれが叶えられずに現在に至っている大きな要因の一つは,作文力を高めるために必要な「知識」が不確かであったから,という点にある。

 この度,柳谷直明氏を中心に,その「知識」を「学習用語」として解明し,発達段階に合わせて系統的に配列するという画期的な仕事がまとまった。さらに,その学習用語をもとにして作文力を確かに形成するマスターカードの開発,公刊が叶ったということは,わが国作文教育史上の快挙と言っても決して過言ではあるまい。

 本書が広く活用され,多くの子ども達の作文力の形成に役立ってくれることを私は心から期待している。また,本教材のさらなる進展,充実のために,活用後のご批判などを戴ければ幸いである。


  平成18年5月1日

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著者紹介

釜谷 いずみ(かまや いずみ)著書を検索»

1973年12月 北海道函館市に生まれる。

1996年3月 北海道教育大学岩見沢校(国語国文研究室)卒業。

現在,北海道岩見沢市立美園小学校

冨樫 忠浩(とがし ただひろ)著書を検索»

1974年12月 新潟県岩船郡荒川町に生まれる。

2000年   玉川大学通信教育部編入学。

現在,北海道由仁町立由仁小学校

齋藤 浩子(さいとう ひろこ)著書を検索»

1964年9月 岡山県英田郡西粟倉村に生まれる。

1986年3月 北海道教育大学釧路校卒業。

現在,北海道岩見沢市立美園小学校


「鍛える国語教室」研究会美園ゼミ(代表 釜谷いずみ)

2006年夏,岩見沢市立美園小学校に勤める数名の教諭で発足した。日常の授業で,子どもに価値ある教材,指導法の開発に挑んでいる。本書もその成果の一つである。互いに授業を公開し,忌憚のない批評に学び合っている。

野口 芳宏(のぐち よしひろ)著書を検索»

1936年2月 千葉県君津市に生まれる。

公立小学校教諭。

公立小教頭,校長を歴任。

2001年3月 北海道教育大学教授(函館校)退官。

現在,千葉経済大学短期大学部講師

著書多数。日本教育技術学会(名誉会長),日本言語技術教育学会(副会長),「鍛える国語教室」研究会(主宰)などに所属。

各地の教師の要望に応えて全国教育行脚に励んでいる。

柳谷 直明(やなぎや なおあき)著書を検索»

1961年1月 北海道札幌市に生まれる。

2003年3月 北海道教育大学大学院国語科教育修士課程修了。

現在,北海道岩見沢市立美園小学校

著書多数。「鍛える国語教室」研究会空知ゼミ代表として活動している。

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※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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