- 巻頭言
- 大牟田市長 /関 好孝
- はじめに
- /及川 幸彦・安田 昌則
- CHAPTER1 理論編 SDGs/ESDとは
- /及川 幸彦
- 1 世界の約束SDGs―誰一人取り残さない社会をめざして
- 2 SDGsの達成に資するESD―持続可能な社会の創り手を育成するために
- 3 大牟田の地域創生へ向けた人づくり―ユネスコスクールのまちと大牟田版SDGs
- 資料 大牟田市におけるSDGs/ESDの10年の歩み(1)
- CHAPTER2 環境づくり編 SDGs/ESDを推進するために
- 1 教育委員会の取組(市をあげたSDGs/ESDの多様な展開)
- (1)持続可能な大牟田へ
- (2)「おおむた」から「ユネスコスクール・ESDのまち おおむた」の創造
- (3)未来の大牟田への展望
- 資料 大牟田市におけるSDGs/ESDの10年の歩み(2)
- 2 学校の取組(持続可能な社会の創り手を育む学校経営)
- (1)ユネスコスクール担当者の校務分掌への位置付け
- (2)SDGs/ESDの年間指導計画
- (3)子供の学びが連続・発展するストーリーマップ(単元計画)
- (4)地域との交流における4つのパターン
- (5)子供の学びの充実に向かう体験的活動について
- (6)価値観,行動の変革を期待する学びづくり
- (7)ユネスコスクールとしての各学校における取組
- (8)SDGsについての学び
- (9)「ユネスコスクールの日」の取組
- (10)市内のユネスコスクールとの交流
- (11)全国のユネスコスクールとの交流
- (12)海外の学校との交流
- CHAPTER3 実践編 学校におけるSDGs/ESDの授業事例
- 事例1 未来につながるまち 吉野小桜プロジェクト
- 大牟田市立吉野小学校・第5学年
- 事例2 みんながつながる中友校区を目指して−子ども民生委員活動−
- 大牟田市立中友小学校・第5学年
- 事例3 宮原坑「子どもボランティアガイド」
- 大牟田市立駛馬小学校・第6学年
- 事例4 フラワータウンプロジェクト
- 大牟田市立大正小学校・第5学年
- 事例5 5校協働川プロジェクト
- 大牟田市立上内小学校,玉川小学校,吉野小学校,明治小学校,中友小学校
- 事例6 有明海や三池港を生かした大牟田海洋教育プロジェクト
- 大牟田市立みなと小学校,天領小学校,駛馬小学校,天の原小学校
- 事例7 人が真ん中のまちづくりプロジェクト
- 大牟田市立宮原中学校・第3学年
- 事例8 防災・減災プロジェクト
- 大牟田市立橘中学校・第1学年
- 事例9 交流及び共同学習プロジェクト
- 大牟田市立大牟田特別支援学校・小学部,中学部,高等部
- 事例1〜4・7〜9
- (1)本校のESDの特徴
- (2)教材について
- (3)本実践で目指すSDGs
- (4)単元の指導計画
- (5)学習活動の実際(特徴的な活動)
- (6)児童の変容/生徒の変容/児童生徒の変容
- (7)さらなる実践の充実に向けて
- 資料 ストーリーマップ/ESDの図
- 事例5
- (1)5校が協働で取り組むESDの意義
- (2)本実践で目指すSDGs
- (3)各学校の実践内容
- (4)5校合同・川サミット
- (5)さらなる実践の充実に向けて
- 事例6
- (1)大牟田における海洋教育の意義
- (2)4校が推進する大牟田市海洋教育の構造
- (3)本実践で目指すSDGs
- (4)実践例T 第3学年「有明海・見つけたよ 海の生き物!」
- (5)学習活動の実際(特徴的な活動)
- (6)実践例U 第6学年「海と人とを通して見えた大牟田のまち」
- (7)学習活動の実際(特徴的な活動)
- (8)大牟田市海洋教育推進校4校における学びの交流
- (9)児童の変容とさらなる実践の充実に向けて
- 資料 海洋教育推進校の全体計画・年間計画
巻頭言
大牟田市長 /関 好孝
我がまち大牟田は大正6(1917)年に市制を施行し,平成29(2017)年に100周年を迎えました。本市100年の歴史は,我が国の近代化と戦後復興をけん引した三池炭鉱とともに発展してまいりました。しかし,その三池炭鉱も,国のエネルギー政策の転換より合理化を余儀なくされ,ついに平成9(1997)年に閉山しました。
このような中,三池炭鉱が残した近代化産業遺産である「宮原坑」「三池炭鉱専用鉄道敷跡」「三池港」は,平成27(2015)年に「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼,造船,石炭産業」の構成資産として,世界文化遺産に登録され,地域の宝が世界の宝になりました。多くの方々が本市を訪れ,世界文化遺産を見学され,日本の歴史・産業について学んでいただいています。また,学校での世界遺産を通した歴史や郷土学習等の充実に大きく寄与しているところです。
さて,本市の公立の全小・中・特別支援学校が,平成24(2012)年に一斉にユネスコスクールに加盟して以来,教育委員会・学校・関係機関・諸団体が連携を図りながら,市をあげてESD(持続可能な開発のための教育)を推進しております。さらに,「SDGs未来都市」として,本市の課題を踏まえてSDGs(持続可能な開発目標)にも取り組んでおります。
私は,市長として「若者が夢をもって働くまちづくり」「子育て世代に魅力的なまちづくり」「安心して元気に暮らせるまちづくり」これらの3つのまちづくりに取り組んでいます。
その実現に向けて,子供たちが自分の夢や目標に向かって意欲的に学び,持続可能な社会の創り手となるように教育が充実しているまちを目指し,また,各学校が多様な教育活動を展開することができるよう,学校教育環境を充実させているところです。
次代を担う子供たちが,様々な体験を通じて豊かな人間性や感性を育んでいくことが,大牟田の次の100年を創っていく礎になるものと信じています。
本書は,ESDやSDGsについての理論や,大牟田市教育委員会や各学校が,ユネスコスクールとしてESDを推進した10年間の取組や特徴的な学校の実践,市役所をはじめ関係諸団体と協働して取り組んだ内容を丁寧にまとめられています。本書が,これからの持続可能なまちづくりの展望を持っていただく糧として,さらに,学校現場においては,SDGs達成に向けたESDの取組の充実に向けた一助となり,新しい実践として活かされますことを願っております。
SDGsの研究授業をするためです。
本校は総合的な学習の研究を再来年度行いますが、私は算数の授業でSDGsを取り組む上での根本的な資質能力の面から授業を行います。
その上で、SDGsの実践例だけではなく、理論を書いていただいたことで、各学校がいわゆる表面的で上滑りするような研究にならないようにしていただいているように思いました。
欲を言えば、学習評価が重要視される昨今、評価基準についてより詳しく知りたかったです。また、石丸氏のいう「地域」が果たす役割についても記述があると嬉しいです。続編楽しみにしています。