- まえがき
- 本書の使い方
- Chapter 1 表記編
- 1 「は」「を」「へ」の つかいかた
- 2 小さく かく 字
- [コラム] 小さく書く字と拗音
- 3 のばす 音
- [コラム] のばす音
- 4 「、」(てん)や 「。」(まる)
- [コラム] 句読点を打つポイント
- 5 音の かず
- [コラム] 音の数
- 6 かたかなで どう書く?
- [コラム] 仮名の成り立ち
- 7 かぎ(「。」)の つかいかた
- 8 マス目に 文字を 書こう
- 9 一年で ならう ちょっと むずかしい 漢字
- 10 二年で ならう ちょっと むずかしい 漢字
- [コラム] 字形のバランスと書写
- Chapter 2 語彙編
- 1 おなじ 音だけど、いみが ちがう ことば
- 2 はんたいの いみの ことば
- 3 なんの なかまかな?
- [コラム] ものの名前の関係が分かる
- 4 音や ようすを あらわす ことば
- [コラム] オノマトペア どんな表現が、ぴったりかな
- 5 かたかなに する ことばは どれ?
- [コラム] カタカナで表記する言葉について
- 6 れんそうする ことば
- 7 たのしい ことわざ
- [コラム] 生き物ことわざ ミニミニ図鑑
- 8 かずの かぞえかた
- [コラム] 数の数え方
- 9 ことばあつめ
- Chapter 3 文法編
- 1 文の くみたて
- 2 主語と 述語@
- 3 主語と 述語A
- 4 くわしく 言うと どうなる?
- [コラム] くわしく言うとどうなる
- 5 つなぐ ことばを えらぼう
- 6 まとめて 一つの 文に する
- 7 内容を 分けて 書きなおそう
- 8 おかしい ところを なおそう
- Chapter 4 話す・聞く編
- 1 こえの 大きさ
- [コラム] みんなで出す大きな声/ 声の大きさ/ 先生の発声
- 2 早口ことばに ちょうせん!
- [コラム] 早口言葉
- 3 おはなしを しっかり きこう
- 4 じょうずに おはなし しよう
- 5 ききとり
- 6 ていねいな いいかた
- Chapter 5 書く編
- 1 絵を 文に する@ じゅんじょに 気を つけて
- 2 絵を 文に するA かんさつほうこく文を 書く
- 3 会話文を つかって 書こう
- 4 りゆうに 注目
- Chapter 6 読む編
- 1 書いて ある ことを さがそう@
- 2 書いて ある ことを さがそうA
- 3 かんたんな お話を 読みとろう
- 4 きもちを あらわす ことば
- 5 じゅんじょや かんけいに 気を つけて
- 6 じゅんじょよく 読みとろう
- 7 しゃしんや えを 見て…
- [コラム] 「一」の読み方/ ニッポンはなぜジャパン?/ アクセントとイントネーション/ 九九と日本語
まえがき
最近、国際的な学力調査での日本の「読解力」の低下など「学力低下」の議論や、「知識基盤社会」への移行をめぐる議論が盛んになされています。教育関連法案の改正もありました。こうした状況の中で、国語科をめぐるとらえ方は、ここ数年で大きく変化しています。この変化を方向づける考え方は、大きくまとめれば、二つのポイントに整理できるように思われます。
一つは、「言葉」は、すべての「学び」の基礎であり、そのための「言葉の力」をしっかりつけなければならないということです(注1:中学年編の99頁参照)。あらゆる学習活動では、「言葉」を使って、考え、表現し、理解することから成り立っています。そのため、文字・表記の運用力、語彙力、文法的な言語操作力、といった基盤となる国語の学力と、それらを応用しての「読む」「書く」「話す・聞く」そして、「考える」という実践的な力を自分のものにしていくことが必要です。「言葉の力」という観点から国語科のあり方を考えるわけですから、「国語科」を「言葉」という側面から、新たに発想し直すことが求められているとも言えます。
もう一つは、国語科でつけられた「国語」の学力は、生涯を通じて現代社会の中で生きて働く力となるものでなければいけないということです(注2:中学年編の99頁参照)。これまで、国語科は、悪しき文学偏重という問題(「国語の道徳化」も含め)、学習が言葉の力ではなく教材内容そのものに横滑りするという問題(悪しき「内容主義」)、そして、文章を区分けして分かりきったことを「確認」していく「詳細な読み(=退屈な授業)」という問題、さらにパズル的な「受験国語」の問題、などを多かれ少なかれ抱えていました。この背景として、前述の「つけるべき力の焦点化」が十分でなかったということもありますが、もう一つ、国語の学習が「生涯学習や実社会での言葉の運用」ということから、少し離れすぎていた、ということがあります。いわば「教室での、国語科のための国語科の学習」になりがちだったと言えるのです。その意味で、国語科を、「実生活で活用できる言葉の学び」としてもう一度発想し直すことが必要です。
本書は、こうした二つのポイントをおさえ、新しい「国語の学力(=言葉の力)」をつけることを念頭において編まれました。つけるべき力という観点からの構成ですので、どんな教科書でも、その進行に合わせて使えます。さらに、本書はワーク形式です。ワークではみんな一人ひとりが取り組むので、一人ひとりの、ひいてはクラスの子ども達全体の国語力を高めることができます。「学力低下」の背景には社会格差の関連を指摘する見方もありますが、こうしたワークを活用すると、塾などへ行っていない子どもでも、教科書での学習とは少し違った観点から自分の国語の学習を見直すことができます。
本書を、新しい時代を担う子ども達一人ひとりの「言葉の力」の向上に、少しでも役立てていただけますことを願ってやみません。
本書の使い方
ワークは、まさにピンポイントで学習の目当てに対応して使うことができます。学習内容を焦点化してありますので、様々な学習段階に対応した力がつくはずです。そのまま手軽にコピーして使えるように、氏名欄もあります。そのまま書き込みができます。なお、本書はB5判なので、必要に応じてA4判、B4判などに拡大していただければと思います。また、問題によっては、繰り返して復習することもできます。
子ども達が自主的にできることを念頭において作られていますので、授業時間の一部はもちろん、始業前などの帯時間にも使っていただけます。さらに、聞き取り問題など一部の特別な問題を除けば、宿題でも十分使っていただけます。忙しい学校現場に対応して、特別な手当なしに使えるので便利です。もちろん、ワークから授業を展開することもできます。学習の予定に合わせて、教科書教材に連携して「学習準備のための耕し」として使うこともできますし、節目節目での学習のふり返りや復習にも使えます。題材は基本的に教材から独立していますので、どんな教科書でも対応できます。点数をつける形ではないので、結果を気にする必要はありません。なお、想定学年以上で学習する漢字には、ルビがふってあります。
解説編には、「答えのヒント」と「指導のツボ」があります。答えは、子ども達が自分達だけでも答え合わせができるように、記号選択式がほとんどです。
「指導のツボ」には、想定学年、想定される時間、学習指導要領との対応、などが示してあります。また、問題の解説のほか、指導上の留意点、発展問題なども挙げられています。
(図省略)
読み切りのコラムも用意しました。聞きたくても聞けなかったこと、日々のちょっとした疑問点などに答える豆知識、指導に役立つ関連情報など、内容は様々です。ちょっとしたコーヒーブレイクといった位置づけで気軽に読んでいただけます。研究授業はもちろん、雑談などに役立てて下さい。
(図省略)
★★利用の様々なパタン
予習型…「学習準備のための耕し」として、つけるべき力をあらかじめ意識化してから授業を進める。
授業同時進行型…学習者の弱いところの補強など、関連問題によって学習を広げる。
復習型…単元の終わりなどに、学習のふり返りとして使う。
その他…学校で使われていない場合には、家庭学習として保護者の方に使っていただくことも可能です。
/森山 卓郎
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