- まえがき
- T章 活用する力を育てる国語科授業づくり
- [1] 国語科における活用する力とは
- 1 PISA調査から見える活
- 2 全国学力・学習状況調査から見える活用
- 3 新学習指導要領・国語における活用
- [2] 学校全体における国語力向上に向けて
- 1 研修の充実――問題を解くことと国語力向上のためのプランづくり
- 2 言語生活を耕す継続的な取り組みと教育課程の工夫
- 3 国語科と各教科の関連
- U章 3・4学年のワークシート
- 1 ワークシートの使い方
- 2 領域、指導事項(習得)と言語活動例(活用)の相関とワークの割り振り
- ワークシート例
- [T] 司会上手・てい案上手になろう
- [U] 紙しばいを作ろう
- I・II正答例・解説
- *話聞*
- [1] 発表台本を作ろう
- [2] 「明かりがつくわけ」を説明しよう
- [3] 分かりやすいスピーチをしよう
- [4] 発表会をしよう
- [5] 新聞記事を読もう
- [6] 写真を見て、花の特ちょうを話し合おう
- [7] グラフを読み取って話し合おう
- [8] 学級で話し合おう
- [9] インタビュー名人になろう
- [10] 話し合いに参加しよう
- *書く*
- [11] 学校しょうかいポスターを作ろう
- [12] 旅行の楽しさを伝えよう
- [13] 「研究レポート」を書こう
- [14] 「ほう告文」を書こう
- [15] 調べたことをまとめてみよう
- [16] 作り方を教えてあげよう
- [17] 物語を作ろう
- [18] お話を書こう
- [19] 詩の続きを作ろう
- [20] 物語を完成させよう
- [21] 案内じょうを書こう
- [22] ゲストティーチャーへの手紙を書こう
- [23] 観察記録文を書こう
- *読む*
- [24] 二つの考え方をくらべてみよう
- [25] ふさわしいまとめを考えよう
- [26] 物語を変身させよう
- [27] 物語の帯作りをしよう
- [28] チラシをくらべよう
- [29] グラフを説明した文章を読もう
- *伝統*
- [30] 組み立て方を考えよう
- [31] ことわざを使おう
- [32] ことわざを使って日記を書こう
- V章 正答例・解説
まえがき
春夏秋冬、美しい日本の風土に育つ子どもたちに、豊かな言語を育みたいと願っています。言葉を教え表現を磨くことも、説得力をもって論理的に伝えることも、情報を読み解き、自分なりの考えをまとめることも、日本語を使います。こうして、日本語を使って、感じたり考えたりしていることが、そのまま、感受性や思考力、判断力を育てていることにつながります。
新学習指導要領では、特に言語活動が重視されています。習得・活用・探究といった、学力の道筋もはっきり示されました。それは、今まで学んだことを活用していくことや、主体性をもって考えを進めていくことが、子どもたちに弱かったことの反省から、焦点が当てられたものです。
国語の学習を進めるとき、すぐれた文学作品に触れて、心を揺らしたり、詩作を通して自身を見つめたりすることと並行して、言語活動を通して活用の力をつけていくことは、今、重要な課題です。ただ、その学習方法が試行錯誤の状態で、拠り所を求めていることも事実です。そこで、系統的に段階を踏まえることや、偏ることなく力をつける方法として、このシリーズの編集を手がけました。
本シリーズは、国語の授業や家庭学習で、活用する力をつけるための教材ワーク集です。低学年編・中学年編・高学年編の3分冊から構成されていて、本書はその1冊です。扱い方によっては、中学校でも活用できます。
本書では、千葉大学教育学部教授の寺井正憲先生に、国語科における「活用する力」とは何か、どのように指導していくことが大切かを、わかりやすくまとめていただきました。そして、ワークシートは、どのページからでもコピーしてすぐに使うことができます。また、このワークシートをもとにして、指導者が応用していくヒントにもなります。本書をすべて学習すれば、新学習指導要領で求める国語科の「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」の目標達成の手がかりが得られると思います。
日本中の子どもたちが、言葉の力を育み、知的で心優しく成長していくことを願ってやみません。
本書の作成にあたり、千葉大学教育学部教授の寺井正憲先生には、丁寧なご指導をいただきました。また、岡崎市教育委員会教育長の江村力先生には、国語部への温かいご配慮をいただきました。厚く御礼申し上げます。
平成22年8月
岡崎市現職研修委員会国語部長 岡崎市立矢作東小学校長 /山田 禮子
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