- まえがき
- 1章 文法指導の難しさを考える
- @文法学習に対する生徒の意識
- A文法指導の問題点
- 1 高校入試への対応
- 2 古典文法指導の準備
- 3 学校文法の問題点
- B文法指導の目的と方法
- 1 学習指導要領に見る文法指導のあり方
- 2 気づきのある文法指導
- 3 論理的思考力・表現力の育成につながる語句・文法の指導
- 4 文法指導のシフト転換
- 2章 指導のために押さえておきたい 文法指導の基礎知識
- @文の組み立て
- 学校文法の構文分析
- 意味上のまとまりを単位とした構文分析
- 述語の格体制に着目した文の成分の特定
- 目的に応じた成分内部の構造分析
- A品詞分類
- 学校文法の品詞分類
- 学校文法における品詞分類の難しさ
- 品詞の連続性
- 品詞指導の基本方針
- 品詞の下位分類
- B用言の活用
- 学校文法における活用
- 活用表・活用形の説明
- 一段活用の語幹と語尾の扱い
- 本提案の効用と問題点
- C助動詞
- 学校文法における助動詞
- 助動詞相当の複合辞の扱い
- 多義の助動詞の扱い
- 類義・同カテゴリーの助動詞の扱い
- D指示する語句・接続する語句
- 学校文法における文章の文法
- 指示する語句・接続する語句
- 表現・理解への活用を念頭に置いた接続する語句の扱い
- 3章 指導のために知っておきたい 生徒の文法力
- @生徒の作文における文法的不具合
- 作文における文法的不具合の調査
- 調査の対象と結果
- 中学生の作文における主述の不具合
- 中学生の作文における修飾の不具合
- A全国学力・学習状況調査に見る生徒の文法力
- 文法問題の出題状況と結果
- 主語と述語の関係に関する文法力
- 修飾・被修飾の関係に関する文法力
- 4章 生徒の意欲が上がる 文法指導のショートアイデア
- @言葉遊びで文の組み立てを学ぼう
- 第1時 日本語の文の区切り方を考える
- 第2時 格助詞を指標に主語・述語・修飾語を見分ける
- 第3時 修飾語の多様性を知る・文の組み立てを分析する
- A言葉の分類と品詞パズルを楽しもう
- 第1時 品詞分類の基準を理解する
- 第2時 品詞分類表を用いて各品詞の性質を理解する
- 第3時 品詞パズルを作成して、品詞の理解を深める
- B表づくりや言葉遊びを通して動詞の活用を学ぼう
- 第1時 活用に興味を持ち、活用のまとめ方を考える
- 第2時 活用表の仕組み・各活用形の性質を理解し、「活用形アラカルト」を作成する
- 第3時 上下一段活用について理解し、「活用形フルコース」を作成する
- C比較と置き換えで助動詞を学ぼう
- 第1時 助動詞の働きを知る
- 第2時 語形や文型との関連から多義の助動詞の意味を捉える
- 第3時 助動詞相当の複合辞を取り上げて、同カテゴリーの助動詞の意味を捉える
- 5章 文法に着目し、文法を活かす 3領域×文法指導アイデア
- @話すこと・聞くこと 文末の音声化について考え、文法をテーマに話し合おう
- 終助詞のイントネーションに気を付けて音声化する
- 「ら抜き言葉」をテーマとして話し合い活動を行う
- A読むこと 文法的に表現を分析し、内容・形式の両面で読みを深めよう
- 文学的文章の読みを深める文法の扱い
- 説明的文章の内容と形式を捉える文法の扱い
- B書くこと 文法的観点から言葉を選んで文章を書き、推敲しよう
- 機能語を選んで意見文を書く
- 文の成分の対応を確認して文法的不具合を修正する
- あとがき
まえがき
中学校で国語を教える先生方は文法指導に対してどのような考えを持っているでしょうか。「教えることが決まっているから教えやすい」「高校入試で出題されるから大事」と考える先生もいれば、「生徒が興味・関心を持てる授業にしたい」「日常生活や表現・理解の学習に役立つようにしたい」と考える先生もいるでしょう。「中学校以来学んでいないので、教えられるか心配」と感じている先生もいるかもしれません。
そもそも文法指導に興味・関心を持っている先生が少ないと言われています。文法指導にあまり興味・関心を持っていない先生の中には、かつて自分が受けた文法の授業を再現する先生も多く、ともすると文法知識の教え込みに陥りがちです。また、文法指導を得意とする先生の中にも、「生徒が覚えるべきことを説明し、問題演習を通して定着を図ればいい」という考えから、文法知識の教え込みに終始してしまう先生もいます。
中学校の文法指導は多くの問題点を抱えています。指導内容としての学校文法の問題点、知識注入に終始した指導方法の問題点がよく挙げられますが、表現・理解の学習指導や日常の言語使用との関連付けが十分に図られていない点も大きな問題点となっています。こうした問題点を押さえつつ、学習指導要領も踏まえて学習指導を組織・展開していくのは、文法指導に関心を持つ先生でもなかなか難しいことでしょう。
ところが、中学校国語科の文法指導に関する書籍は、ここ最近では文法指導を視野に入れた日本語文法の解説書と教科書会社が発行する指導書の別冊ぐらいで、中学校の先生方が指導の参考にできる書籍が少ない状況にあります。そこで、本書は中学校の先生方を主な対象として、文法指導について考える際の参考書となるように作成しました。各章の概要は次のとおりです。
1章では、文法指導の現状と問題点を洗い出し、文法指導のあり方を考えます。文法指導を難しくしている要因を明らかにするとともに、学習指導要領を踏まえて文法指導の方向性を提案していきます。
2章では、中学校で指導する文法事項のうち、主要なものを取り上げて解説します。学校文法の不備や問題点も確認しながら、指導のために押さえておきたい文法指導の基礎知識を見ていきます。
3章では、中学生作文の調査と全国学力・学習状況調査の結果から生徒の文法力を分析します。文章表現に関わる文法力に限定していますが、指導のために知っておきたい生徒の文法力を見ていきます。
4章では、生徒の意欲がグッと上がり、楽しみながら学べる文法の授業を提案していきます。教科書教材や過去の実践も取り上げながら、選りすぐりの文法指導のアイディアを紹介していきます。
5章では、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の3領域と関連付けて、各領域の学習指導における文法の扱いや各領域の学習指導につながる文法指導の例を提案します。学習指導要領が求める表現・理解の学習指導と関連付けた文法指導のアイディアを紹介していきます。
「文法指導入門」と題した本書ですが、文法指導に通じた先生にも参考になるように心がけて作成しました。また、本書の主な対象は中学校の先生方ですが、小学校の先生方、教員養成課程で学ぶ学生の皆さんにも読んでいただけたら幸いです。本書をきっかけにして、国語科における文法指導に関する議論が活発になり、現場の指導がより充実したものになればと思っています。
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- 明治図書
- 文法学習という、他の教育書ではあまり取り上げられない部分に焦点を当てて書かれているのが良かったです。2024/2/1220代・中学校教員
- よい本だと思う。2023/7/7くるひ
- 文法にこだわった内容だったので、きちんと学び直しができ、授業改善につながった。2023/6/2640代・中学校教員