絶対評価への挑戦10
日常的な評価活動を国語科授業に生かす 小学5〜6年

絶対評価への挑戦10日常的な評価活動を国語科授業に生かす 小学5〜6年

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日常的な評価活動の連続で授業が充実。

日常的な評価活動の連続で授業が充実するという考えの下に、絶対評価活動による授業改革を5・6年の「話す・聞く」「書く」「読む」の学習活動を通して実際例で詳細に示す


復刊時予価: 2,618円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-412017-2
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 168頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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〈序文〉 日常的な評価活動の連続で授業が充実する /瀬川 榮志
まえがき
T 高学年における日常的な評価活動の重要性と課題
一 日常的な評価活動を授業に生かすことの必要性
1 日常的な評価活動が重要視されなかったのはなぜか
2 日常的な評価活動が求められるまで
3 日常的な評価活動を授業に生かすことの必要性
二 日常的な評価活動の定義と具体的な提言
1 日常的な評価活動とは
2 日常的な評価活動を授業に生かすための具体的な提言
三 評価の内容・規準の明確化・方法の開発
1 基礎的技能・基本的能力・統合発信力
2 螺旋的系統表の作成例
U 高学年における日常的な絶対評価活動による授業改革
一 絶対評価規準の方法と具体化
1 相対評価から絶対評価へ
2 絶対評価の規準設定
3 評価方法の具体化
二 絶対評価を軸に相対評価を組み合わせた評価活動
1 これまでの相対評価
2 相対評価の機能を取り入れる
3 日常的な評価活動を具体化した学習指導案の作成
4 評価規準・方法等を位置づけた指導案の作成
V 第五学年 : 評価活動を生かした授業改革事例
一 「話す・聞く」ことの授業実践
1 評価規準・方法等を位置づけた指導案の作成
2 日常的な評価活動を生かした単元の構想
3 単元の目標
4 日常的な評価活動を生かした授業展開
5 授業を振り返って(総括的評価、授業評価)
二 「書く」ことの授業実践
1 評価規準・方法等を位置づけた指導案の作成
2 評価規準・方法等を位置づけた指導案及びワークシート例
三 「読む」ことの授業実践
1 評価規準・方法等を位置づけた指導案の作成
2 日常的な評価活動を生かした授業展開
W 第六学年 : 評価活動を生かした授業改革事例
一 「話す・聞く」ことの授業実践
1 評価規準・方法等を位置づけた指導案の作成
2 日常的な評価活動を生かした授業展開
二 「書く」ことの授業実践
1 評価規準・方法等を位置づけた指導案の作成
2 日常的な評価活動を生かした単元の構想
3 単元の目標
4 日常的な評価を生かした授業展開
5 本単元の授業を振り返って
三 「読む」ことの授業実践
1 評価規準・方法等を位置づけた指導案の作成
2 日常的な評価活動を生かした授業展開
X 総合的な学習・他教科・家庭の学習場面等における評価活動
一 総合的な学習に国語科の日常的な評価活動を生かした事例
1 国語科と「総合的な学習の時間」
2 「総合的な学習の時間」に生きる国語の力
3 実践事例
4 おわりに
二 他教科等の学習に国語科の日常的な評価活動を生かした事例
1 評価の主な観点
2 国語科の評価活動を生かした事例
3 国語科の日常的評価活動と他の教科活動との関連
三 家庭の学習場面に国語科の日常的な評価活動を生かした事例
1 家庭の学習場面と国語科授業
2 家庭の学習場面に生きる言語能力
3 実践事例
4 おわりに
あとがき

<序文>

 日常的な評価活動の連続で授業が充実する
   ――絶対評価規準の設定と、具体的な評価法を明確にした授業を創る――
      中京女子大学名誉教授 /瀬川 榮志


 ○「いきいきと言語活動を展開する過程で、確実に基礎・基本を獲得する学習がよい授業である」――このキーワードは、国語学力向上へ挑戦するために最も重要な課題であると考えます。子ども主体の活力溢れる言語活動は、学習者が自らの力で、価値ある課題を発見し、目的・相手・場面・状況に応じた効果的な学習法を策定し、課題追究活動を継続して、目的達成感・成就感を満喫し、さらに新しい課題にチャレンジしていくことではないでしょうか。

 この学習者主体の言語活動は、単なる活動ではなく、言語の「基礎的技能・基本的能力・統合発信力」などの国語力が必然的に駆使・運用されるようにシステム化することによって、はじめてよい授業が成立するのです。

 ○「反省なき者は退歩の鎖につながれる」――と言われています。充実した人生は、生きていく過程で日常的に自分の生き方について厳しい反省と評価を必要とします。価値的な目標を設定し、向上的な自己変革プロセスにおいて的確な自己反省をし評価事項を意識することも大切です。新世紀を生き抜く児童・生徒・学生そして社会人に、このことの自覚がないという実情であれば、わが国の将来に危機感を抱く時代が生起します。「目的的に生きて自己確立する」――ということは、新教育課程の基本理念でもある「生きる力を育む」ことになります。

 ○「生きる力を育む」国語科の授業は、人生いかに生きるかに根底をおき、価値ある目的に向かって精一杯努力精進していくことを信条に、単元・教材・一単位時間の学習の到達目標を設定し、評価規準や方法を吟味し、学習の過程で診断・形成・総括評価ができるように組織化することで実現します。しかも、この評価活動は、常時実施することが必須条件です。その実践は、すべての授業に生きて働きます。さらに国語科で獲得した新国語力である「基礎的技能・基本的能力・統合発信力」が、学校生活や家庭生活・社会生活で評価されることが望ましいのです。

 この日常的な評価活動は、一人一人の子供の可能性を最大限に引き出し、子供の幸せの実現につながるような絶対評価を中心に据えます。個人評価、特に相互評価などの重視によって、「伝え合う力」も育ちます。

 ○「正しく美しい日本語で優れた日本人の育成」のために「よき言語生活者として人間関係力を磨く」ことも二十一世紀を拓く国語科教育の価値ある課題です。そのための合言葉として、〔より正しく、より適切に、より美しく、より深く、より上品に逞しく〕を学級担任時代〜学校を経営する立場になっても、さらに大学生にも語り続けています。☆発声・発音・文字・語句などの的確性 ☆目的・必要に応じた適切な言葉の精選 ☆日本語の特徴を生かした美しい言語行動 ☆軽薄な言語生活でなく、人としてどう生きるかを深く思索し、言葉で伝え合う人間関係力 ☆相手・場面に合った気品溢れる言葉遣い、自体に即して勇気ある発言や積極的な言語駆使力…というように――〔より〕とは、今日より明日へとより向上していく常時評価の意味を含んでいます。

 ○「評価なき教育は成立しない。評価なき授業も勿論充実しない」つまり「一人一人の個性発揮、自己実現に連動する絶対評価を中心に据えた授業を!」――このことを確実におさえた国語科教育を目指したいものです。従来日常的な評価活動を授業に生かす≠アとに鋭い切り込みがなかったことが、国語学力低下につながってしまったといっても過言ではないと思います。新世紀の国語科教育を創るキーポイントは、「価値ある目的達成のために『絶対評価』と『個を生かす指導』の一体化」であると確信しています。

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