- はじめに
- 本書の構成
- 第1章 これからの国語科の授業が目指すもの
- ――授業づくりのポイントと評価
- T 国語科で育てる学力
- U 国語科の授業改善の視点
- V ICTの活用
- W 目標と評価規準の設定
- 第2章 365日の全授業 3年下
- 5 自らの考えを
- 人工知能との未来/人間と人工知能と創造性(3時間)
- 多角的に分析して書こう(4時間)
- 説得力のある批評文を書く
- 漢字に親しもう4(1時間)
- [議論]話し合いを効果的に進める(1時間)
- 合意形成に向けて話し合おう(4時間)
- 課題解決のために会議を開く
- 音読を楽しもう 初恋(1時間)
- 季節のしおり 秋
- 6 いにしえの心を受け継ぐ
- 和歌の世界
- 音読を楽しもう 古今和歌集 仮名序(1時間)
- 君待つと――万葉・古今・新古今(2時間)
- 夏草――「おくのほそ道」から(4時間)
- 古典の言葉を引用し,メッセージを贈ろう/古典名句・名言集
- 7 価値を生み出す
- 誰かの代わりに(3時間)
- 情報を読み取って文章を書こう(2時間)
- グラフを基に小論文を書く
- 漢字3 漢字のまとめ 漢字に親しもう5(1時間)
- 文法への扉2 「ない」の違いがわからない?(1時間)
- 読書に親しむ
- 本は世界への扉
- エルサルバドルの少女 へスース/紛争地の看護師
- 読書案内 本の世界を広げよう(1時間)
- 季節のしおり 冬
- 8 未来へ向かって
- 温かいスープ(3時間)
- わたしを束ねないで(2時間)
- 三年間の歩みを振り返ろう(6時間)
- 冊子にまとめて,発表会をする
- 漢字に親しもう6(1時間)
- 振り返り
- 学習を振り返ろう(4時間)
- *本書の構成は,光村図書出版株式会社の教科書を参考にしています。
はじめに
現行学習指導要領が中学校において全面実施されて一年が経過する。この学習指導要領は,自ら学び自ら考えるなどの「生きる力」の育成を目指すという点や,学校教育法に示されたいわゆる学力の三要素である「基礎的な知識及び技能」「課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力その他の能力」「主体的に学習に取り組む態度」をバランスよく養うという点で平成20年告示の学習指導要領(以下,平成20年版学習指導要領)を踏襲している。
平成20年版学習指導要領は,社会の変化に対応し,自らの課題に積極的に取り組み,自力で解決していく能力の育成を求めた。このような方針を受けて,国語科では論理的な思考力の育成を中心に据え,目的や場面に応じて適切に理解したり表現したりする能力を育てることに重点をおく改善がなされた。特に言語活動を充実させ,生徒が創意工夫しながら,言語活動を通して課題を解決するという,生徒の主体的な活動を中心に据える授業を目指した。これらの改善は一定の成果を挙げることができたが,国語科においては,言語活動を目的と勘違いさせるようなメッセージが多く発せられたこともあり,授業改善は十分でない部分もあった。これらの状況を受けて学習指導要領は改訂されたのである。
さらに,その後の今日的課題として,Society 5.0の社会における学びの在り方,特に個別最適化への対応,GIGAスクール構想への国語科としての対応,SDGs達成のための資質・能力の育成などがあり,総合的な授業改善が求められているのである。
今,学校現場では現行学習指導要領の趣旨を受け,新しい教育課題に対応した授業の実現のために,先生方の創意工夫に満ちた授業が展開されていることと思う。今までも,先生方の情熱的な取り組みにより優れた授業が実践され,それにより生徒たちの学力が向上されてきた。日本の教育は優秀で誠実な先生方の努力で支えられているのである。
本書は,光村図書の教科書教材を用いており,指導事項などは教科書の編集趣意に沿っているが,指導方法や生徒の言語活動には各執筆者たちの研究成果に基づく工夫が凝らされている。執筆に当たったのは21世紀国語教育研究会の会員の先生たちである。本会は東京都を中心とする中学校の管理職を含む教員による会で,発足から18年,会員数約130名の組織である。常に生徒の主体性を引き出し,国語好きを育てる授業を心がけており,月に一度の定例会や年に一度の全国大会,執筆活動などで切磋琢磨している。本書の基本的な執筆方針は第1章に述べているのでご覧いただきたい。
本書が,中学校の国語科授業に携わる全国の先生方のお役に立てば幸いである。
編著者 東京女子体育大学教授 /田中 洋一
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- 明治図書
- 授業づくりの参考にしています。2023/10/29iroirotomaton
- 板書計画もあり、イメージしやすかった2022/10/1640代・中学校教員