- まえがき
- T 古代から聖徳太子のころ
- 縄文時代の人口はどのくらい?
- 縄文時代の寿命はどのくらい?
- 縄文人に虫歯があったか?
- 縄文人の身長はどのくらい?
- 縄文人は食通だった?
- 土器の発明は味覚革命をおこした?
- 「手塩にかける」という意味は?
- 火食をするようになったのはなぜ?
- 人間がはたらき始めたのはいつ?
- なわ張りのルーツ(名のおこりと意味)は何か?
- 口かみ酒とはどんなものか?
- 竪穴住居は納豆ムロだった?
- 竪穴住居の炉のはたらきは?
- 仙人と俗人のちがいは何か?
- 「群れ」から「むら」になった?
- 原始時代は何色の時代か?
- 棒耕という農業があった?
- 酒は薬だった?
- 「医食同源」とはどういうことか?
- 古代に「お菓子」があったか?
- むかしの人も口臭予防をしたか?
- 卑弥呼は何を食べていたか?
- 人類史における独立職業の第1号は何か?
- 「祭り」と「政」は同じ?
- 倉庫がいちばん立派だったのはなぜ?
- 「面白い」はイロリから生まれたことば?
- いつごろ「はし」が使われるようになったのか?
- 聖徳太子は忍者がお好き?
- 聖徳太子は天才だった?
- 十七条の憲法は何語で書かれているか?
- 聖徳太子がもっている「しゃく」は何のため?
- ピラミッドづくりは失業対策事業だった?
- 「ものさし」をきめたのは聖徳太子である?
- 古代人のトイレは水洗式だった?
- 古代人はどんなものを着ていたか?
- 日本にむかしからウシやウマがいたか?
- 土地国有制は食糧不足のもとである?
- U 奈良・平安時代
- ばかでかい大仏をつくった本当の理由は?
- 大仏殿は倒れたことはないか?
- 大仏づくりに公害はあったか?
- 国分寺を建てたのは天然痘のため?
- 「奈良漬け」を発明したのはお坊さん?
- にぎり飯も餅も保存食?
- 奈良時代の貴族の食事の内容は?
- 正倉院の奇跡?
- 正倉院御物の中に胡椒がある?
- 正倉院の校倉造は乾燥第一か?
- 奈良時代に「着物がかわかないので2日間休ませてください」といったのはだれか?
- 貴族の年俸はどのくらい?
- 光明皇后はほんとうに慈悲の皇后か?
- 日本の教育制度は奈良時代からあった?
- 何でも続いている日本?
- 十二単衣はぜいたくか?
- 髪の長さ日本一はどのくらい?
- 平安時代の女性はなぜおうぎで顔をかくしている?
- 寝殿造にトイレはあったか?
- 「便所」はいつごろできたか?
- 戸のないトイレがあるか?
- 「上六下八」のトイレとは?
- わらや木片がトイレットペーパー?
- 「高野豆腐」を発明したのはお坊さん?
- 天皇も栄養失調に悩まされた?
- 平安貴族は結核と皮膚病が多かった?
- 「清水寺」は死体すて場だった?
- 平安時代になぜ多くの寺が建てられたのか?
- 流行病で出世した藤原道長?
- 遣唐使たちは喜んで中国へ行ったか?
- 紫式部の鼻の穴はまっ黒だった?
- 紫式部はイワシが大好物だった?
- 有名女性の本名は?
- むかしもあった裏とり引き?
- 中国の「科挙」とはどんなもの?
- むかしからあった「公(黄)害」?
- むかしのノコギリは押して切った?
- 平清盛は女性にやさしかった?
- V 鎌倉から安土・桃山時代
- お茶を広めたのはお坊さんだった?
- お殿様が生まれた理由は?
- どんな都市にもシンボルがある?
- 教会や寺院は大きいほどいい?
- 家紋があるのはなんのため?
- 紋章人気のヒミツはなんだろう?
- 侍の頭はなぜそるの?
- 旗がなくては戦はできない?
- 頼朝は身内を次々に殺した?
- 頼朝はハデなことが大キライ?
- 頼朝が鎌倉に幕府を開いたわけは?
- 鎌倉は城づくりのお手本だった?
- 鎌倉時代は黒色の時代?
- 牛若丸は一本歯の下駄をはいている……なぜ?
- 弁慶ってどんな人?
- 義経はカッコわるい人だった?
- 北条氏はキング・メーカーだった?
- 天皇の位をクジ引きできめたこともある?
- 時宗は元寇をふせいだ大エース?
- 元の敗戦は地理の勉強不足が原因?
- 運慶は木の中に仏像が見えた?
- 輪島漆器は青森県のヒバで育った?
- 親鸞上人は殺し屋も変心させた?
- 足利義満はアメとムチで公卿を操縦した?
- 明の十三陵は世界一の地下墓地?
- 倭寇につぶされた高麗?
- 世阿弥はスポンサーつきの芸術家?
- 「質屋通い」をした将軍足利義政?
- 天皇や関白さまもアルバイト?
- 桃山時代はピッカピカの金色の時代?
- 農民は指定席で戦争見物?
- 信長は21歳で大変心した?
- 雨天順延をしなかった信長?
- ザビエルが集めた信者は2年で1500人?
- ヨーロッパへ初めて行った日本人はだれ?
- 豊臣秀吉は劣等感のかたまり?
- 秀吉は一晩で城を築いた?
- 灘の酒造りが盛んになったわけ?
- 五節句は女性の仕事からの解放日?
まえがき
マンガの本は読むが,活字の本は読まないという傾向が,ますます強くなっている。東大生でもひと月にマンガ5冊を読むが,教養書は2冊しか読まないという。歴史もマンガで学ぶ時代になっている。
確かにマンガは面白い。しかし,頭にイメージを描きながら活字の本を読むともっと面白い。歴史は,ちょっとした証拠や資料をもとにして,いろいろと想像をめぐらすことが可能で,これがたまらなく面白い。
「今,立っているところが,2000年前のトイレだったところですよ」といわれて飛び上がったことがある。「その土器で縄文人はスープを飲んだのでしょう」といわれて感動したこともある。
こんな体験から,歴史の面白い体験や話を長年集めては記録してきた。このことは,授業にも大いに役立ったし,NHKの「クイズ面白ゼミナール」の問題づくりにも役立った。問題作成委員を5年間やらせていただいたため,もっているネタだけでは足りず,新しいネタを開発しなければならなかった。
このため,歴史を含めて身の回りを面白くみるくせがつき,何でもネタにするくせがついた。5年間に約800問つくった。これをもとにして書いたものが『歴史が10倍おもしろくなる』(5冊),『地理が10倍おもしろくなる』,『生活が10倍おもしろくなる』(旺文社)の合計7冊である。
この7冊が絶版になったのを機会に,「整理しなおし,加筆したり,修正したり,削除したりして1冊の本にまとめたらどうか」と明治図書の江部編集長にいわれた。
それで早速仕事に取りかかった。しかし,なかなか大変な仕事で時間がかかってしまった。面倒な校正をていねいにやってくださった友人社の田部さんは,用語までチェックしてくださり,大変ありがたかった。
教師はもとより子どもにも読めるように,漢字にはルビをつけた。むずかしい専門用語には( )で解説を入れたり,イラストでわかりやすく示したりもした。
はじめは1冊のつもりで仕事を進めていたが,分厚くなりすぎることから上下2巻に分けることにした。上巻は,縄文時代から江戸時代まで,下巻は明治以後と地理や生活に関する小話をのせることにした。
ともあれ,この本に出ていることを一つひとつ読んでいるうちに,必ず「歴史って,こんなに面白いの!」と思うようになる。さらに,「自分もこんな話をさがしてみよう!」と思うようになり,次々と新しい歴史の本を読むようになる。
歴史だけではなく,社会にも面白いことがあり,自然にも,人々のくらしの中にも面白いことがあることが見えるようになり,それを集めるようになってくる。そして,新しい見方考え方ができるようになる。
つまり,社会科はもちろん,理科や総合的学習のようなものも面白くなり,好きになってくる。勉強好き,本好きにもなってくる。
どうしてこんなことがわかるのかというと,私自身が今述べたような道を歩いてきたからである。わたしの長年の体験にもとづいているからである。
勉強嫌いや歴史嫌いな子どもがいたら,この本を読ませてみてほしい。間違いなく熱中して読みふけり,読書好き,勉強好き,歴史好きなる。多くの子どもたちを勉強好きにしてほしい。
先にも書いたように,本書は明治図書編集部の江部満編集長のおすすめによってまとめることができた。もしまとめる機会がなければ,本書の内容は私の手元で眠ってしまうはずであった。ほんとうにありがとうございました。
2002年正月 /有田 和正
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- 明治図書
- 面白い内容なので、授業の中で話すと、興味を持って聞いていました。2020/4/140代・小学校教員