- まえがき
- T 子どもの調べ学習を支援する「学び方カード」の意義
- 最近出会った子どもの活動場面/ 「1匹の魚」よりも「魚のとり方」を/ 子どもの学習活動を支援する教材/ 子どもの学習を支援する「学び方カード」
- U 子どもの調べ学習を支援する「学び方カード」の実際
- 子どもの情報収集を支援する「学び方カード」
- 「学び方カード」活用の実際/ どんな学習技能が身につくか/ 「学び方カード」活用のポイント/ 活用できる関連単元・活動
- 「電話」による情報の「学び方カード」
- 単元 「市の人々のくらしのうつりかわり」
- 「ファックス」による情報の「学び方カード」
- 単元 「わたしたちのくらしとものをつくるしごと」
- 「手紙」による情報の「学び方カード」
- 単元 「道具の移り変わり」
- 「インタビュー(聞き取り調査)」による情報の「学び方カード」
- 単元 「わたしたちのくらしと商店」
- 「フィールドワーク(観察調査)」による情報の「学び方カード」
- 単元 「わたしたちのくらしとものをつくる仕事」
- 教育機器・教具の活用を支援する「学び方カード」
- 「学び方カード」活用の実際/ どんな学習技能が身につくか/ 「学び方カード」活用のポイント/ 活用できる関連単元・活動
- 「コンピュータ(情報収集)」活用の「学び方カード」―パソコンに入れるしりょうを集めよう―
- 単元 「かわってきた人びとのくらし〜むかしをしらべる〜」
- 「コンピュータ(情報作成)」活用の「学び方カード」―集めたしりょうをパソコンでカードにしよう―
- 単元 「かわってきた人びとのくらし〜むかしをしらべる〜」
- 「コンピュータ(情報伝達)」活用の「学び方カード」―作ったカードをつないではっぴょうしりょうを作ろう―
- 単元 「かわってきた人びとのくらし〜むかしをしらべる〜」
- 「OHP」活用の「学び方カード」―OHPを使って調べたことを発表しよう!―
- 単元 「わたしたちの市のようす」
- 「実物投影機」活用の「学び方カード」 ―オーバーヘッドカメラ(OHC)をはっぴょうにつかってみよう―
- 単元 「かわってきた人びとのくらし〜むかしをしらべる〜」
- 「ビデオデッキ」活用の「学び方カード」―ビデオデッキをはっぴょうに使ってみよう―
- 単元 「わたしたちのくらしとものをつくるしごと」
- 「ビデオカメラ」活用の「学び方カード」―ビデオカメラのつかいかた―
- 単元 「スーパーマーケット」
- 「デジタルスチルカメラ」活用の「学び方カード」―デジタルスチルカメラのつかいかた―
- 単元 「スーパーマーケット」
- 「レンズ付きフィルム」活用の「学び方カード」 ―レンズ付きフィルムをもって地域へ出かけましょう!
- 単元 「たんけん・私たちのまち」
- 「コピー機」活用の「学び方カード」
- 単元 「わたしたちのまちのたんけん」
- 「プリントごっこ」活用の「学び方カード」
- 単元 「札幌市の人々のくらしのうつりかわり」
- 「スライド機」活用の「学び方カード」
- 単元 「ラーメン工場の仕事」
- 「ワープロ」活用の「学び方カード」
- 小単元 「人々のくらしと市のうつりかわり」
- 「ラジカセ」活用の「学び方カード」
- 単元 「わたしたちのくらしとまち」
- 資料の読み取りを支援する「学び方カード」
- 「学び方カード」活用の実際/ どんな学習技能が身につくか/ 「学び方カード」活用のポイント/ 活用できる関連単元・活動
- 「グラフ」読み取り方の「学び方カード」―ぼうグラフの読み取り方―
- 単元 「市の農家でつくられるもの」
- 「絵・イラスト」読み取り方の「学び方カード」―「学び方カード」(絵・イラストの活用)は3つのステップで!―
- 単元 「みんなですみよい町に」
- 「平面地図」読み取り方の「学び方カード」
- 単元 「大阪市の様子」
- 「立体地図」読み取り方の「学び方カード」
- 単元 「大阪市と人々のくらし」
- 「鳥瞰図」読み取り方の「学び方カード」
- 単元 「わたしたちの市のようす」
- 「写真資料」読み取り方の「学び方カード」―見たままカード〜写真のここを見よう!〜―
- 単元 「農家の人々のくらし」
- 「統計資料」読み取り方の「学び方カード」
- 単元 「かまぼこ工場」
- 「文書資料」読み取り方の「学び方カード」
- 単元 「区のうつりかわり」
- 「年表」読み取り方の「学び方カード」
- 単元 「かわってきた人々のくらし」
- 学習資料の活用を支援する「学び方カード」
- 「学び方カード」活用の実際/ どんな学習技能が身につくか/ 「学び方カード」活用のポイント/ 活用できる関連単元・活動
- 「教科書」活用の「学び方カード」
- 単元 「まちのむかしを見つけよう」
- 「副読本・資料集」活用の「学び方カード」
- 単元 「わたしたちのくらしと農家の仕事」
- 「地球儀」活用の「学び方カード」
- 単元 「市の工場でつくっているもの」
- 「百科事典」活用の「学び方カード」
- 単元 「昔っておもしろい」
- 「パンフレット」活用の「学び方カード」
- 単元 「わたしたちのくらしと商店がい」
- 「ビデオ教材」活用の「学び方カード」
- 単元 「むかしを調べる」
- 「TPシート」活用の「学び方カード」
- 単元 「○○市の人びとのくらしのうつりかわり」
- 「教育放送番組」活用の「学び方カード」
- 単元 「くらしのうつりかわり」
- 「新聞記事」活用の「学び方カード」
- 単元 「わたしたちの市のようす」
- 「国語辞典」活用の「学び方カード」
- 単元 「わたしたちのくらしと商店がい」
- 施設の利用を支援する「学び方カード」
- 「学び方カード」活用の実際/ どんな学習技能が身につくか/ 「学び方カード」活用のポイント/ 活用できる関連単元・活動
- 「学校図書館」利用の「学び方カード」―図かんを使って調べてみよう!―
- 単元 「調べたことを紹介しよう」
- 「校内の資料センター(学習情報室)」利用の「学び方カード」
- 単元 「わたしたちの市のようす」
- 「資料館・博物館」利用の「学び方カード」
- 単元 「かわってきた人びとのくらし」
- 「地域の図書館」利用の「学び方カード」
- 単元 「ぼくのまち,わたしのまち」
- 「市役所(町・村役場)」利用の「学び方カード」
- 単元 「かわってきた人びとのくらし」
- まとめ方を支援する「学び方カード」
- 「学び方カード」活用の実際/ どんな学習技能が身につくか/ 「学び方カード」活用のポイント/ 活用できる関連単元・活動
- 「カード」によるまとめ方の「学び方カード」
- 単元 「くらしのうつりかわり」
- 「個人新聞」によるまとめ方の「学び方カード」
- 小単元 「鹿児島市のうつりかわり」
- 「かべ新聞」によるまとめ方の「学び方カード」
- 単元 「私たちの住んでいるところ 自然と歴史」
- 「イラスト」を取り入れたまとめ方の「学び方カード」―イラストを使って楽しくまとめよう―
- 単元 「農家の人びとの仕事(深谷さんのふきづくり)」
- 「図表」によるまとめ方の「学び方カード」
- 単元 「わたしたちのくらしとものをつくるしごと」
- 「劇」によるまとめ方の「学び方カード」
- 単元 「市民センターへ行ってみよう」
- 「すごろく」によるまとめ方の「学び方カード」
- 単元 「むかしをおしえてくれるもの」
- 「マップ(地図)」によるまとめ方の「学び方カード」
- 小単元 「みんなの公民館」
- 「年表」によるまとめ方の「学び方カード」
- 単元 「かわってきた人びとのくらし」
- 「話し合い」によるまとめ方の「学び方カード」
- 単元 「市の人たちのくらしのうつりかわり」
- 「討論」によるまとめ方の「学び方カード」
- 単元 「市の人々のくらしとうつりかわり」
- 「発表」によるまとめ方の「学び方カード」
- 単元 「わたしたちのくらしと商店がい」
まえがき
いま,社会科の学習において,子どもの調べ学習が盛んに展開されています。いつも教師の指示や命令によって学習を展開していくのではなく,一人一人が学習のめあてをもって,自分なりに資料を集め,問題解決する学習です。そこでは,子ども一人一人が,自らの問題や課題をもって,社会的事象の意味や様子などを自分の力でどう追究し学んでいくかが課題になっています。
子ども一人一人が問題解決のための方法(学習技能)を身につけているかどうかは,子どもの「学ぶ力」にかかわってきわめて重要なことです。これは,より長期的にみたとき,生涯にわたって「学び続ける力」であり,「生きる力」にもなるものです。
多くの教室で,子どもたちは,問題意識をもって意欲的に問題解決に取り組んでいます。しかし,一見主体的に取り組んでいるようにみえて,それほど成果が上がっていない場面にも出会います。それは,なぜでしょうか。それは,端的に言って,一人一人の子どもが具体的な学び方や調べ方,まとめ方を十分身につけていないからだと思われます。換言すれば,教師が,子どもたちに自力で問題解決できるようにする支援を十分に施していないためではないでしょうか。
教師が,子どもたちの活動を尊重する立場から,「資料を見て自分で調べなさい」とか「地域で調査活動をしましょう」とうながすことは,重要なことです。しかし,そのように言ったとき,子どもたちが具体的にどのように行動し,情報を収集し,まとめるかといった方法や手順を身につけていなければ,十分な学習の成果を期待することはできません。そのような力や技能は,日頃から,一人でも「学べる力」を身につけるように指導していなければ,必要なときに発揮することはできません。
日々の社会科の学習において,子ども一人一人が自力で問題解決ができるようにするためには,子どもの調べ学習を支援する教材として,子ども用の「学び方カード」が必要であると考えます。この子ども用の「学び方カード」は,子どもが一人で調べたりまとめたりするときの,具体的な「手引き」となるものです。これは,学習の方法を水先案内するものです。子どもたちが,子ども用の「学び方カード」をガイドにして,一人ででも学習に取り組むことができるようになることを願っています。
「学び方カード」は,一つの単元を特定して作成されたものではなく,子どもの発達を踏まえながら,原則としてすべての単元の学習において活用できる一般性のある教材です。また,「学び方カード」は,全国のどこの学校でも,どこの学級の子どもに対しても,子ども向けの教材として活用できるものです。
本書『社会科調べ学習のための学び方カード』(各学年版・全4巻)は,こうした趣旨のもとに,日頃の社会科の授業における子どもの調べ学習に役立つ参考図書としてまとめたものです。
本書では,各巻において,子どもたちが実際に調べる56の場面や方法を取り上げ,それぞれにおける調べ方やまとめ方の手順や配慮事項などから構成された「学び方カード」を紹介しました。このページは,実際の授業において,子どもの学習活動の実際に即して活用することができます。コピーして厚紙などに貼ると,いつでも,必要なときに,必要な子どもが活用できる,文字どおり『学び方カード』になります。
そのあとには,「学び方カード」を活用した授業場面が紹介されています。また,紹介した「学び方カード」で子どもたちに身につく学習技能や,「学び方カード」の活用に当たってのポイント,「学び方カード」が活用できる関連単元などについても,それぞれ論述されています。
本書の各巻が,各学校での社会科の授業において,子どもたちの調べ方を支援する教材として活用され,社会科の調べ学習の効果を上げるとともに,社会科の学習指導の一層の充実と活性化が図られることを願っております。
終わりになりましたが,たいへんお忙しいなかを貴重なアイデアや実践のご提供と原稿のご執筆をいただきました,大勢の先生方に感謝とお礼を申しあげます。また,本書の企画と出版に当たっては,明治図書出版(株)編集長の樋口雅子さんから終始多大なご指導とご高配をいただきました。心から,感謝の気持ちを表すものです。
1998年1月
編著者 文部省初等中等教育局教科調査官 /北 俊夫
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- 明治図書