- ぷろろーぐ
- 第T章 学級経営に生きる学級活動
- 第U章 子どもがもえる活動づくり
- 1 みんな、秘密だよ。「遠足をもう一回しちゃおう集会」
- 子どもの夢をかなえる学級づくりヘ――「はじめの一歩」
- 2 給食ぎらいがなくなる「レストラン給食」をしよう
- 「生活」づくりは「食」生活から。――「食」は生活の基本。
- 3 窓に手形ぺたぺた。「わぁ、きれいだな教室大作戦」
- 教室を手づくりマイホームヘ――ただし「シンプル・イズ・べスト」
- 4 チクサクコールから「一人一人の応援コールを作ろう」
- 友だちの良いところ探し《パート1》
- 5 コールを使って、あっという間の「ミニミニお誕生会」
- 不評の「お誕生会」に新風を!――マンネリお誕生会一辺倒の先生へ贈る。
- 6 仲良しになったら「思い切り、悪口でけんかしちゃおう会」
- 虚構性に酔う。真面目な先生は、この文を読まないで下さい。
- 7 不朽の名作「クイズこの人はだれでしょう」
- 友だちの良いところさがし《パート2》
- 8 展開に困ったときの神頼み。「この人クイズ」
- 「この人クイズ」応用編――その薬効と解毒剤と試薬
- 9 雨が降っても、「みんな集まれミニ集会」
- ミニでも効果大。初任者・初級者用として。
- 10 日玉商品はこれだ。「二年二組 係商店街 開店大売出し」
- 当番的な係からの発展をめざす、二年生用資料です。
- 11 「星さがしロケット22号発射」と「Hey! るぱん 力門!」
- 心踊る学級目標を! 三十年後に生き残る学級目標を!
- 12 ウソをホントにするぞ。「ウソ日記」
- ウソで固めた未来の自分へ、タイムマシーンに乗って。
- えぴろーぐ
ぷろろーぐ
本書の内容は、高学年でも十分適用できるものである。そう自負している。
表題の「子どもがもえる」「学級経営に生きる」の意味・意図は、何か。
横浜市立小学校特別活動研究会の広報誌に書いた私の一文を、まずお読みいただきたい。
一 流
学級経営で悩んでいる先生から相談を受けた。その先生は、こう言った。
「楽しい活動を投げかけても、子どもたちは『そんなこと、面倒くさい』と言うのです」
仕事柄、その道では一流の方の話を聞く機会が増えた。一対一でお話しすることもできる。
そうしているうちに、その一流の人に共通点があることに気づいた。
それは、何に対しても積極的に取り組むことである。この人たちには、「面倒くさい」とか「いやいや取り組む」とか「仕方ないからやる」といった態度がないのである。
童話作家の松谷みよ子さんを例にあげれば、書斎にこもり原稿用紙にペンを走らせる毎日、と思っていた。
とんでもなかった。
童話創作の他に、演劇・人形劇・映画づくり、全国を回っての民話発掘・聞き取り調査、自宅での子ども図書館の開設・読み聞かせ会の実施。童話も、モモちゃんシリーズの他に、民話系統・戦争と平和・絵本‥‥
ある指導主事の机の上に「算数研究会広報」が置いてあった。それをパラパラめくっているうちに「あっ、これだ」という文にぶつかった。
宮城音弥「天才」からの引用文「天才とは、異常なまでの好奇心である」。
一流の人の共通点と同じだと思った。
私は、天才とは才能であると思っていた。一流とは能力であると思っていた。
天才・一流とは、才能でも能力でもなく、生き方であった。
「一流の人」は積極的・意欲的・熱中・夢中。何にでも挑戦してみる。まずやってみる、行動してみる。
まさに「生き方」の問題であった。
「一流とは生き方の問題」だとすれば、一流への門がだれの前にも存在する。
門には鍵がない。その門を自分で押し開くかどうかである。「自分で押し開く」という「生き方」をとればいい。だれでも、一流になれる。
しかし、私たちには何と多いことか。
「忙しくて、いやになってしまうよ」
「面倒くさい」
「仕方ないか」と、いやいや仕事をする。
「こんなことすると皆がどう思うだろうか」と、他人の思惑や目を気にしてしまう。
自分から一流への門に鍵をかけてしまう。
ふと、思う。
特活は、子どもたちに「一流の生き方」を求めている。一生懸命、意欲的、熱中夢中、結果より過程。
まさに「一流の生き方」そのものである。
子どもたちの燃え上がるエネルギーを引き出してますか。
エンジンを全開させ、思い切り取り組む子どもたちを生み出してますか。
あなたの特活は、子どもたちを「一流」にしてますか。
そして、あなた自身が「一流」ですか。
文中の「特活」を「学級経営」に置き換えていただければよい。それが、本書・表題の意図・意味である。
あなたの学級経営は、子どもたちを「一流」にしてますか。そして、あなた自身が「一流」ですか。
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- 明治図書