- はじめに
- 第1章 TTと少人数指導
- 1 TTと少人数指導
- 2 TT&SSのねらい
- 3 TT&SSの歴史
- 4 TT&SSと文教施策とのつながり
- 第2章 TT&SSの基本
- 5 TT&SSの型と進め方
- 6 TT&SSの学習過程
- 7 SSを左右する視点
- 8 TTとSSの使い分け方
- 第3章 個に対応するTT&SS
- 9 TT&SSの量と質
- 10 TT&SSの量から質への転換計画
- 11 学習の仕方を身に付けさせる工夫
- 12 個に応じた指導の工夫
- 13 理解度別SS
- 14 理解度別SSの分け方
- 第4章 SS担当教諭と学級担任とのリレーションシップ
- 15 TT&SS開き
- 16 TT&SS閉め
- 17 担任との相性
- 18 TT&SS 指導者の出方
- 19 SS担当教諭の心得
- 20 自校の算数科の流れを作るSS担当教諭
- 21 TT&SSを受け入る担任
- 22 SS担当教諭と学級担任の仕事配分
- 第5章 打ち合わせと評価
- 23 打ち合わせ時間のとり方
- 24 TT&SSの事前打ち合わせ内容
- 25 打ち合わせの時間短縮の工夫
- 26 テスト,評価,評定はどうするか
- 27 自己評価を学びに生かす
- 28 TT&SSの形成的評価
- 29 TT&SSの各学期反省
- 第6章 TT&SSを受けるまで
- 30 小鯖小のTT&SS計画
- 31 小鯖小:SSの研究主題と解明
- 32 学年 クラス 教科の決定
- 33 SSの学年・学級と教科の選択
- 34 SSの新展開案
- 35 日課表の作成
- 36 TT&SSの校務分掌上の位置
- 37 指導計画時数の見通しと時間の作り方
- 38 TT&SSの年間計画
- 39 SSの効果を問うアンケート
- 第7章 TT&SSと算数科
- 40 算数科の本質
- 41 TT&SSに適した教科
- 42 投げかける言葉・引き出す言葉
- 43 TT&SS 乗り移らさせる感性
- 44 SSの留意点
- 第8章 TT&SSの学習法と実践
- 課題選択学習(と課題設定選択学習)と順序選択学習
- 45 課題選択学習と順序選択学習
- 46 SSにおける興味・関心別授業(課題選択学習)
- 47 SSにおける理解度別授業
- 48 TTにおける2進型授業
- 第9章 指導方法の工夫・アイデア
- 49 教えるための教材・教具
- 50 SS担当教諭の持ち物(歩き持っている物)
- 51 TT&SSの常備品(取りに行ってもらう物)
- 52 TT&SSの部屋
- 53 教育機器の利用・活用
- 54 TT&SSの指導案
- 55 TT&SSの机間指導
- 56 TT&SSのほめ方
- 57 TT&SSと教科書利用
- 58 TT&SSと宿題
- 59 TT&SSとテスト
- 一口メモ
- (1)少人数指導をSSで表す理由
- (2)算数科学習の不成立要因(1)
- (3)算数科学習の不成立要因(2)
- (4)算数科学習の不成立要因(3)
- (5)学級担任と打ち合わせ
- (6)SSのネットワークを作ろう
- (7)記録の残し方
- (8)SSの配布文書の作成
- (9)道のりときょりの指導
- (10)式つくりをカードで
- (11)SSの計画は表計算ソフトで
- (12)SSのクラス解体
- (13)SSのグルーピングアンケート
- (14)SSの簡略指導案
- (15)課題選択学習の意義
- (16)TTは平行四辺形
- (17)SSで使う教室の掲示物
- (18)歌で覚える算数
- (19)デジタル写真の合成で教材つくり
- (20)かけ算わり算作問シート
はじめに
「来年からTTをせずに,少人数(このころは小人数といっていた)指導が始まるらしい」ということを聞いたのが平成12年10月末でした。そのとき,初めて聞く言葉に疑問をもち,TTのよさを感じていた矢先のその情報に落胆したことを覚えています。
平成13年度より第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画により,少人数指導が実施されることとなりました。20人程度の授業と基礎学力の向上,きめ細かな指導,欧米並の教員1人あたりの児童数の実現が目指されています。
少人数指導の各都道府県での取り組みは,一様ではありません。学級編制において国の標準はありますが,都道府県の判断により児童生徒の実態を考慮して弾力的に運営をしているからです。
少人数指導に取り組む以前には,ティーム・ティーチング(以下TT)が行なわれていました。TTは,第6次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画により平成5年度からの実施でした。教室に先生が2人いるということで,個に応じたり指導法の改善をしたりしてきました。
少人数指導は,TTでのメリットを強調した指導です。実際の少人数指導では,興味・関心別や理解度別にどう取り組み,学級や学年をいかに分けてどのように授業を運営していくかが成功の鍵を握っているといえます。しかし,この取り組みに対し,現場では指導方法・打ち合わせ・授業形態・評価等いろいろな戸惑いがみられます。
本書は,平成11〜13年度のTTと少人数指導の担当経験を元に,少人数指導の戸惑いの中での第一歩をどうしたかを記しています。見開き2ページを基本とし,実践を重視して少人数指導の運営の仕方を表しています。また,一口メモを取り入れ,少人数指導をする上で工夫したことや感じたことなどもまとめてみました。
本書の内容が,少しでも少人数指導に関わる方々のお役に立つことができれば幸いです。
最後になりましたが,明治図書編集部の石塚嘉典氏には,本にまとめる機会を与えていただきましたことを,心より感謝しています。
2001年11月 /福永 敬
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- 明治図書