- まえがき /大森 修
- 序 問題解決唯一の道 /川上 弘宜
- T 学年主任の役割を通して、授業力をアップする
- /藤崎 久美子
- 一 年齢で主任は決めません
- 1 学年主任にします
- 2 学年主任が集められた
- 3 初任者担当打ち合わせの席で
- 4 初めての学年会
- 二 子どものことを第一に
- 1 子どものことを第一に考えるというのはどういうことか
- 2 子どものことを第一に考えるというのはどういうことか その2
- 3 ひと月が過ぎ
- 4 荒れの予兆
- 5 大森校長が授業をした
- 三 十一・一研究会に関するQ&A
- 四 三月吉日
- U 研究主任の役割を通して、授業力をアップする
- /貝沼 浩晃
- 一 大森校長は初任者に何を話したか
- 1 地震で家族が下敷きになったときに仕事をする覚悟があるか! ――教職の厳しさ――
- 2 若い教師が親と接するときに大事なことは何か
- 3 本を読んでいるか! 何を読むか、どれだけ読むか
- 4 TOSSランドを活用せよ! ――二十一世紀型教師の情報収集術――
- 5 修業を三年間続けよ!
- 6 子どもが見えているか! 子どもを見るためには修業が必要だ!
- 二 ユースウェア研修スタートする
- 1 ユースウェア研修前夜
- 2 模擬授業でユースウェアを学ぶ
- 3 必達目標を掲げよ! 評価基準を公開せよ!
- 4 学級担任に予算権がある
- 5 学級担任に時間がある
- 6 大森流! 研修システム
- 三 結流! 公開授業研修 ――授業の腕を上げる授業研修――
- 1 公開授業研修スタート!
- 2 指導案はシンプルに。授業で勝負する
- 3 授業のテーマは授業の基礎基本を扱う!
- 4 自由な雰囲気で協議会を
- 四 圧巻! 大森校長の模擬授業
- V 教務主任の役割を通して、授業力をアップする
- /川上 弘宜
- 一 大森流職員操縦の術
- 1 それは清掃作業から始まる
- 2 趣旨説明の威力
- 3 自分がしないことを、子どもにさせようとするとは何事か!
- 4 大森流始業式
- 二 授業をして見せて鍛える
- 1 今日、君、最悪だね
- 2 ほめまくって変える
- 三 「基礎学力の保障と教室の障害児を問う」研修会
- 1 うわさは本当だった
- 2 全体計画を立てる
- 3 同時中継導入
- 4 事前模擬授業会 ――何考えてんだ!――
- 5 私が悪かったね
- 6 横山先生の優しさ
- 7 「結小学校の職員は私の誇りです」
- 四 特別支援教育研修会
- 1 三十秒の研修会
- 2 あなたもこの中にいる
- 五 不審者対応防犯訓練 ――頭に入れて捨てなさい!――
- 結 お前たち、俺を見捨てる気か!
- あとがき /松野 孝雄
まえがき
授業力アップが急務だ。
指導力不足教員の再研修制度が本格的に始まった。
人事考課制度も目前である。
授業力とは、授業をする力のことである。
授業をする力は、何で見るのか。
向山洋一氏がいう、授業の原理・原則十カ条を踏まえた授業ができるかどうかである。
これが第一の基本である。
授業の原理・原則を踏まえた上で、各教科の授業ができなければならないのだ。
これだけではない。
総合的な学習における、食の授業や環境・エネルギーの授業、さらには、英会話の授業もできなければならないのだ。
これらの授業は、次のことにも対応した形でできなければならない。
それは、何か。
特別支援教育である。
教室にいるADHDやLD、そしてアスペルガー症候群などの子どもにもわかる・できる授業をしなければならないのである。このためには、授業の原理・原則十カ条プラス個別対応の技術がなければならない。
特別支援教育の第一人者である東北大学医学部の横山浩之氏は、次の授業を求めている。
1 双方向性(ツーウエイ)がある授業
2 レディネスの範囲が広い授業
3 神経心理学的な理論に基づいている授業
4 スモールステップで組まれた授業
5 教材の系統性を考えた授業
これらの要件をそなえた授業が求められているのである。
一方で、次のことが始まっている。
教師の授業力検定である。
教師の授業力が、公教育が始まって百三十年を経て初めて検定されようとしている。画期的な出来事である。
人事考課制度はいずれ、授業検定制度にとって代わられるであろう。なぜならば、人事考課制度よりもはるかに実効性が期待できるからである。
教員の免許状は、大学院卒でないと取得できないようにすべきだという記事が掲載された。
しかし、である。
これも、いただけない。
なぜならば、大学で免許を取得した教師と大学院を出て専修免許を取得した教師では甲乙の差がない。
大学での講義内容が問題なのである。大学院ではだれが教えるのか? 大学の教師が大学院でも教えているのである。よくなるはずもない。
授業力検定制度は、教師の実践から生まれた制度であり、極めて実践的である。
先にあげた、課題をクリアするにたる内容があるのだ。
では、授業力検定に耐えるだけの授業力をどのようにしたら身につけることができるのかである。
本シリーズは、このような課題に答えるために編集された。
読者が本シリーズを通して、自らの授業力アップを図り、二十一世紀に活躍する子どもに力をつけてくれることを願う。
この企画は、江部満明治図書相談役のもとで練られ、TOSS新潟のメンバーが総力を上げて執筆したものである。
このような企画に携わる機会を与えていただいた江部満氏に感謝申し上げる。
平成十六年五月 編集人 /大森 修
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- 明治図書