板書&展開例でよくわかる 主体的・対話的で深い学びでつくる365日の全授業 中学校社会 歴史的分野

板書&展開例でよくわかる 主体的・対話的で深い学びでつくる365日の全授業 中学校社会 歴史的分野

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「指導と評価の一体化」の全貌がわかる!中学校歴史の全時間について、単元の指導計画と評価規準、主体的・対話的で深い学びを実現する授業展開例に加え、実物の板書写真とポイントを収録。教師と生徒の対話もリアルに再現した必携の1冊です。【ダウンロード特典あり】


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ISBN:
978-4-18-529224-5
ジャンル:
社会
刊行:
2刷
対象:
中学校
仕様:
B5判 312頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年11月25日
備考:
サポート情報

目次

もくじの詳細表示

はじめに
本書の使い方
第1章 主体的・対話的で深い学びでつくる歴史授業づくりと評価
1 「主体的・対話的で深い学び」の捉え方と歴史授業づくり
2 歴史授業における主体的・対話的で深い学びの評価
第2章 365日の全授業 歴史的分野
歴史の学び方,調べ方(1) 全5時間
単元について
第1〜2時 年表は,正しい歴史を教えてくれるか【導入編】
第3時   年表は,正しい歴史を教えてくれるか【立証編】
第4〜5時 年表は,正しい歴史を教えてくれるか【反証編/まとめ編】
歴史の学び方,調べ方(2) 全10時間
単元について
第1〜2時 考古学者になって地域の遺跡・文化財の謎を探ろう
第3〜5時 博物館・資料館の見学調査の計画を立てよう
第8〜10時 新聞記者になって地域の遺跡・文化財についてまとめよう
古代までの日本(1) 全5時間
単元について
第1時 人類の進化を捉えよう
第2時 古代文明の特徴を考えよう
第3時 中国に生まれた文明の特徴を捉えよう
第4時 ギリシャ・ローマの文明の特徴を捉えよう
第5時 宗教のおこりと広まりを捉えよう
古代までの日本(2) 全3時間
単元について
第1時 円窓付土器はどうやって使われたのだろう
第2時 なぜこのような時代に円窓付土器があったのだろう
第3時 なぜこの時代に円窓付土器がなかったのだろう
古代までの日本(3) 全8時間
単元について
第1時 聖徳太子はどのような国づくりをめざしたのか
第2時 東アジアの緊張の中で日本はどのような国をめざしたか
第3時 律令国家の仕組みはどのようなものであったか
第4時 奈良時代の人々はどんな暮らしをしていたのだろう
第5時 天平文化と古代国家
第6時 桓武天皇はどのような国づくりをめざしたのか
第7時 藤原氏はどのようにして政治の実権を握ったのか
第8時 「日本の古代国家と仏教展」を企画しよう
古代までの日本(4) 全1時間
第1時 古代のキーパーソンは誰?
中世の日本(1) 全5時間
単元について
第1時 なぜ頼朝は弟義経を討とうとしたのか
第2時 なぜ頼朝は鎌倉に幕府を開いたのか
第3時 なぜ頼朝の死後も鎌倉幕府は続いたのか
第4時 武士の登場により生まれた文化とは
第5時 武士はどのような世の中をつくろうとしたのだろうか
中世の日本(2) 全4時間
単元について
第1時 今までの戦いとの違いから,単元を貫く課題を立てよう
第2時 元寇が日本とユーラシア地域に与えた影響を調べよう
第3時 後醍醐天皇と足利尊氏の政策を比較して特徴を捉えよう
第4時 元寇後の日本と東アジアの交流を捉え,価値判断しよう
中世の日本(3) 全4時間
単元について
第1時 団結して自立する民衆
第2時 技術の発達とさまざまな職業
第3時 全国に広がる下剋上
第4時 庶民に広がる室町文化
中世の日本(4) 全1時間
第1時 中世社会とのつながりから特色を説明しよう
近世の日本(1) 全7時間
単元について
第1時 単元を貫く問いに対する見通しを立てる
第2時 ヨーロッパ世界とイスラム世界
第3時 大航海時代とヨーロッパ世界の拡大
第4時 織田信長・豊臣秀吉による統一事業
第5時 豊臣秀吉の全国統一
第6時 桃山文化と南蛮文化
第7時 単元の学習を振り返る
近世の日本(2) 全5時間
単元について
第1時 江戸時代のはじまり 政治的基盤をどのようにしたか
第2時 貿易の振興から鎖国へ
第3時 鎖国下の窓口
第4時 江戸時代の身分制
第5時 なぜ,江戸幕府は260年も続いたのか
近世の日本(3) 全3時間
単元について
第1時 イラストから読み解く江戸時代の交通,産業の発達
第2時 四国遍路の発展と江戸時代の交通,産業の発達@
第3時 四国遍路の発展と江戸時代の交通,産業の発達A
近世の日本(4) 全4時間
単元について
第1時 なぜ徳川綱吉は「生類憐みの令」を出したのか?
第2時 なぜ徳川吉宗は「米将軍」と呼ばれたのか?
第3時 田沼と定信,どちらの改革が幕府にとって必要だったか?
第4時 なぜ水野忠邦は無念の詩をよんだのか?
近世の日本(5) 全1時間
第1時 「地震鯰絵」から見える江戸社会
近代の日本と世界(1) 全5時間
単元について
第1時 欧米諸国は,どのように近代民主政治を成立させたのか?
第2時 フランス革命は,世界をいかに変えたのだろうか?
第3時 産業革命によって,世界はどのように変わったのだろう?
第4時 欧米諸国の近代国家建設は,どのように進められたのか?
第5時 欧米諸国は,なぜ世界各地に植民地を広げたのだろうか?
近代の日本と世界(2) 全4時間
単元について
第1時 比較を活用し,近世末期の大まかな特徴をつかもう
第2時 「外交に携わる立場」の違いに注目し考察しよう
第3時 「一揆の発生件数の違い」に注目し考察しよう
第4時 条件を踏まえ,「テーマ」について考察しよう
近代の日本と世界(3) 全9時間
単元について
第1時 日本はどのように近代国家を形成したのか
第2時 中央集権国家をめざして
第3時 富国強兵をめざして
第4時 文明開化と人々のくらし
第5時 近代的な国際関係の形成
第6時 確定する国境と近代化
第7時 自由民権運動
第8時 大日本帝国憲法の制定
第9時 近代国家の形成に必要な順に政策を順位づけしよう
近代の日本と世界(4) 全7時間
単元について
第1時 条約改正から国際関係を考えよう
第2時 日清戦争から帝国主義を考えよう
第3時 日露戦争時の国際関係を考えよう
第4時 韓国併合をさまざまな立場から考えよう
第5時 日本の産業革命を製糸業から考えよう
第6時 近代文化のキャッチコピーを考えよう
第7時 今の生活との違いから近代の特色を考えよう
近代の日本と世界(5) 全7時間
単元について
第1時 30か国以上も参加した第一次世界大戦
第2時 日本初「第九」を演奏した楽団
第3時 5000億倍に値上がりしたパン
第4時 民族自決
第5時 お金を燃やす人!?
第6時 大正デモクラシーの影響
第7時 大衆の出現
近代の日本と世界(6) 全9時間
単元について
第1時 世界恐慌と行き詰まる日本
第2時 欧米諸国が選択した道
第3時 強まる軍部と衰える政党
第4時 日中戦争と国民生活
第5時 第二次世界大戦への道
第6時 太平洋戦争と植民地支配の変化
第7時 戦局の悪化と戦時下の暮らし
第8時 ポツダム宣言と日本の敗戦
第9時 15年戦争から学ぶこと
近代の日本と世界(7) 全2時間
第1時 近代日本を大観した歴史壁新聞をつくってみよう
第2時 近代の世界を多面的・多角的に比較してみよう
現代の日本と世界(1) 全6時間
単元について
第1時 戦後復興には何が必要か
第2時 GHQの占領政策のねらいとは?
第3時 国際連合を訳してみると
第4時 日本の独立 巻紙に込めた思い
第5時 冷戦下における日本とアジアの国々
第6時 戦後復興を評価しよう
現代の日本と世界(2) 全7時間
単元について
第1時 私たちの生活の身近なものの登場とその意味とは?
第2時 日本の高度経済成長はよいことばかりだったのか?
第3時 円安から円高へ,変わる各国との関係性
第4時 「グローバル化」のはじまりはいつからか?
第5時 冷戦終結後の日本の変化と新たな役割とは?
第6時 「日本」の近代化とアイヌの歴史:人権とエコロジー
第7時 現代社会の課題を分析し,新たな社会を構想しよう
現代の日本と世界(3) 全2時間
第1時 当時の人々は「『戦後』ではない」をどう受け取ったか@
第2時 当時の人々は「『戦後』ではない」をどう受け取ったかA
現代の日本と世界(4) 全4時間
単元について
第1時 現代の課題を出し合い,学習の見通しをもとう
第2時 歴史の出来事から解決策を見つけよう@
第3時 歴史の出来事から解決策を見つけようA
第4時 グループごとに発表し合い歴史から学んだことをまとめよう
おわりに

はじめに

「主体的・対話的で深い学び」を実現する中学校社会科授業の課題と本叢書の意義


 平成29年告示の学習指導要領において,新しい時代に求められる資質・能力が,@「知識及び技能」,A「思考力,判断力,表現力等」,B「学びに向かう力,人間性等」の3つの柱に整理され示されました。「主体的・対話的で深い学び」(いわゆるアクティブ・ラーニング)は,資質・能力の育成をめざして,生徒の視点からは,「学習過程の特質」を意味しており,また,教師の視点からは「授業改善の視点や方法」を意味しています。生徒に「主体的・対話的で深い学び」を実現する社会科授業を実践するために,教師は「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」それぞれを視点に自らの授業づくりを吟味し課題を明確にして,授業改善に努めていかねばなりません。

 中学校社会科について,筆者が指摘しておきたい相互に関連する主要な実践的課題(争点)は,次の5点です。

 第1は,教師の社会科教育観と結んだアクティブ・ラーニングの位置づけと意義に関わる課題です。社会科は,社会的事象に関する知識内容を学ぶ教科(内容教科)であるとの捉え方を前提に,アクティブ・ラーニングはあくまで教師による内容教授の補完としての一つの学習方法・形態であるとみるのか,アクティブ・ラーニングこそが社会科学習の基本原理であるとみるのかの「観」をめぐる根本的な争点が立ち上がってくると思われます。

 第2は,学習問題の設定に関わる課題です。学習問題の性格を,英単語の“Problem”と“Issue”に分けて考えてみましょう。一般に,“Problem”は「解決されるべき問題」のことで,いわば解決策や正答を想定できる問題です。これに対して“Issue”は「議論されるべき問題」のことで,いわば正答のない,論争問題です。アクティブ・ラーニングにおける学習問題としては,“Issue”を設定することが望ましいと考えられますが,社会科各分野の指導計画における“Problem”と“Issue”のバランスと組み込み方が課題となります。そして,何より学習問題に対峙した生徒が,自己の学習に対する意欲と見通しをもつことができるのかが問われるでしょう。

 第3は,学習内容となる知識の質とその習得・活用に関わる課題です。社会科授業で,社会的事象の意味・意義・特色等を説明した概念的知識は,内容における「深い学び」の主要な基準になりますが,その概念的知識は教師により適切に選択,構成され,指導されることによって生徒が確実に習得できると考えるのか,生徒はアクティブ・ラーニングを通じてその概念的知識を主体的に形成していくことができるので,そうしてこそ生徒にとって生きて働く知識になると考えるのか,こうした争点が生まれてくるでしょう。また,学習内容となる知識について,「何に使えるか」「どう役立てることができるか」を生徒にしっかり理解させる手だてをとることも課題になると思われます。

 第4は,社会科教育のカリキュラム・マネジメントと関わる課題です。アクティブ・ラーニングの社会科授業は,1時間単位ではなく,少なくとも数時間の単元として構想する必要があります。その場合に,中学校社会科各分野の配当時間の中で,生徒は,何のために,何を,どのような方法により,何時間かけて学ぶのか。教師が基礎・基本と考える知識・スキル等の教授と生徒のアクティブ・ラーニングとをどのように組み合わせ,デザインしていくのか。こうした課題に対応した年間指導計画や単元計画が求められることになります。

 第5は,学習評価に関する課題です。アクティブ・ラーニングの社会科授業では,目標に準拠した評価の実施が不可欠です。ペーパーテストに頼った総括的評価だけでなく,単元の学習での生徒によるワークシートへの記述や発言,レポート,作品,発表等の多様な成果物を対象にしたパフォーマンス評価が形成的評価,総括的評価において必要になります。そのため,生徒のパフォーマンス(できるようになった証の成果物)が学習のねらいをどの程度まで達成しているかを見取るための評価の規準と方法をどう構想,実施するのかが課題となります。

 さて,本叢書は,資質・能力の育成につながる「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)の実現をめざして,書名における『365日の全授業』という言葉が表している通り,中学校社会科の3分野の学習指導要領が定めるすべての単元について,授業の計画・展開・板書・学習評価をモデルとして示しています。執筆者は,社会科教育に関する研究と実践の経験豊かな中学や大学等の教師たちです。

 今日,学校現場が抱える課題として,例えば,教員構成において40歳代を中心とするミドルリーダー層の比率が少なくなる一方で,30歳未満の若手・新人層が増加してきていることや,教師が授業の準備や研修等の職能開発に割く時間を十分に取れないことなどが指摘されています。こうした学校現場の状況や課題を踏まえて,本叢書は,主に中学校社会科の若手・新人層の先生方を対象に編まれました。

 本叢書の活用の仕方について,芸事の修行の過程である「守破離」になぞらえて3段階のステップにより示したいと思います。第1は,本叢書に示された単元を模範として,文字通り「365日の社会科授業」を実践することを通して,「主体的・対話的で深い学び」の意味や意義をつかむ契機とすること。第2は,上記の5つの実践的課題(争点)を視点にして本叢書に示された単元の特徴や課題を,個人で,あるいは同僚教師との対話を通じて検討し,それらを参照しながら各分野・各単元の授業を自らの創意工夫により構想,実践,改善していくこと。第3に,「主体的・対話的で深い学び」を実現する中学校社会科授業について,自分自身の教育観・授業観と授業づくりの型を見出し,継続して磨き上げていくことです。

 本叢書が,読者の皆様それぞれのキャリアステージに応じた社会科授業力の向上とそれをめざした相互の対話の促進に役割を果たすことができれば幸いです。


   /梅津 正美

著者紹介

梅津 正美(うめづ まさみ)著書を検索»

鳴門教育大学理事・副学長。博士(教育学)[広島大学]。

山内 敏男(やまうち としお)著書を検索»

兵庫教育大学大学院教授。博士(学校教育学)[兵庫教育大学]。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。

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      明治図書
    • 三つの観点に沿って指導案が作れ、授業ができます。
      2023/6/3050代・中学校勤務
    • 参考になります。
      2023/5/460代、教諭
    • 授業づくりをする上で実際の板書例や展開について実践的に紹介されていて参考になった。
      2023/4/1230代・中学校教員
    • 板書が見やすくていいと思った
      2023/4/920代・中学校教員
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