- はじめに
- @ 算数朝会と校長
- A 算数朝会の工夫
- B 本書の活用
- C クガウス校長の算数朝会
- 4月−@ 新幹線は仲良し列車
- 4月−A Tの字パズル
- 5月−@ 高さ測定マシン
- 5月−A さわって読める数字
- 6月−@ 近くは大きく遠くは小さく(その1)
- 6月−A 近くは大きく遠くは小さく(その2)
- 7月−@ 丸いふたは落ちないよ
- 9月−@ 渦巻き模様の作り方
- 9月−A アリさんの運動会
- 10月−@ 蜂の巣の秘密
- 10月−A 回って回して形は同じ
- 11月−@ 敷き詰め作品コンクール
- 11月−A 万華鏡の世界
- 12月−@ 三角箱を作ってみよう
- 12月−A とんがり帽子とえんとつ帽子
- 1月−@ 8からできるいろんな数字
- 1月−A 形を影に映してみよう
- 2月−@ ケーニヒスベルクの7つの橋
- 2月−A ひねった輪の不思議
- 3月−@ 学年対抗折り紙クイズ
- D 解 説
- おわりに
はじめに
平成15年7月に,「算数科・新しい授業づくり」のシリーズ8として,拙著『子どもが飛びつく算数面白物語』(明治図書)を刊行していただきました。おかげさまで,平成17年10月に再版となりました。これは,大阪市立西九条小学校の校長1年目に,月刊『楽しい算数の授業』(明治図書)の平成14年度のショートストーリーのコーナーの連載原稿をもとに,保護者と児童を対象とした「算数だより」の実践をまとめたものです。
西九条小学校の校長2年目は,さてどのような実践をしようかと思案しました。また,同じことを継続するのも新鮮さに欠けると思い,校長としての大事な職務の一つである朝会に目をつけて,「算数朝会」なるものを企画し実践しました。1〜6年生の児童のそれぞれが発達段階に応じて理解できる内容と方法を工夫し,朝の数分間,教材を視覚的に提示しながら楽しみたいと考えたのです。題材の開発に苦労しながらも,1年間で,計7回実施しました。その他,次年度以降に向けて煮詰めていた題材もいくつかありましたが,その年度末,芦屋大学に助教授として赴任することになり,西九条小学校を最後に校長を卒業してしまいました。
芦屋大学1年目に,再び,『楽しい算数の授業』誌のショートストーリーコーナー(平成17年度連載)の依頼がありました。そこで,今回の1年間の連載では,この算数朝会用に開発した題材等をショートストーリーにしようと即座に決めたのでした。そして,このような平成17年度の全12回の連載分に新しい題材8回分加えて,「算数科・新しい授業づくり」のシリーズ13として,本書を出版することになりました。前作「面白物語」は「数と計算」の内容が中心でしたが,朝会では教材を見せながら進めることが効果的なので,自然と今回は「図形」領域の題材が中心になりました。
以上のような経緯の中で,本にまとめるにあたり,前作「面白物語」の続編としてのイメージをもたせたいという願いがあり,前作で登場させたクガウス兄さんが校長で,ルシナンを教頭とし,本としての体裁も共通となるようこころがけました。また,本書は,朝会をするためのシナリオの性格をもちますが,児童がそのまま読める教材でもあり,朝会のための準備物をコピーするための資料でもあってほしいと考えました。イラストは,大阪総合デザイン専門学校生の若い中村朝日さんに,躍動的なタッチで描いていただくようお願いし,見ても楽しめる本にしました。
本書の出版にあたり,多くの方にご協力いただきました。中でも,当時の教務主任宮崎公洋教諭(現大阪市立北津守小学校教頭)には,朝会のための準備物の用意や朝会の後の学校版プリントの作成などにご尽力いただきました。また,松本大教頭(現大阪市立野里小学校長)には,朝会のアシストをいただきました。挿絵やその担当者の仲介等いろいろお世話いただきました大阪総合デザイン専門学校教員の吉坂峰子さんと学生の中村朝日さん,前作に引き続き本の作成の基本的なことをはじめ全体的な助言をいただいた秋岡久太さん,そして出版を勧めていただき,いろいろ助言をいただきました明治図書出版編集部の石塚嘉典さんに深く感謝申し上げます。
平成18年9月 /小西 豊文
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- 明治図書