- はじめに
- 第T章 発展・補充問題の開発と活用
- §1 発展・補充問題を利用して「活用力」を高める視点
- §2 本書の特徴と使い方
- 第U章 発展・補充問題事例
- 4 年
- 【円と球】 どんなもようができるかな?/ いくつ入るかな?
- 【1けたでわるわり算の筆算】 何週間と何日?
- 【一億をこえる数】 数を作ってみよう
- 【折れ線グラフ】 どのグラフになるかな?/ めもりのとり方
- 【角とその大きさ】 星のかどは何度かな?/ 三角じょうぎの角
- 【小数】 たしたり,ひいたり/ 小数の魔方陣
- 【面積】 面積をもとめよう/ 面積をもとめるためには
- 【三角形】 形をかこう/ 正三角形を作ろう
- 【式と計算のじゅんじょ】 □に入るのは?
- 【およその数】 グラフで表すと/ いくつからいくつ?
- 【何十でわるわり算】 まちがいはどこ?
- 【2けたでわるわり算の筆算】 商が2けたになるとき/ □にあてはまる数字は?
- 【調べ方と整理のしかた】 人気のあめは何かな?
- 【変わり方】 ともなって変わる数量は何?
- 【分数】 真分数と仮分数/ ケーキを分けよう
- 5 年
- 【小数】 小数のしくみを考えよう/ 小数を作ろう
- 【垂直・平行と四角形】 平行線の辺と長さの関係/ どんな切り方ができる?
- 【整数の見方】 偶数と奇数をならべてみると
- 【小数×整数,小数÷整数】 どんな数が入るかな?
- 【三角形・四角形の角】 角度の求め方を考えよう/ 三角形の内角の和を使って
- 【変わり方のきまり】 ご石は何個ならぶかな?
- 【小数×小数,小数÷小数】 小数×小数を長方形の面積で考えよう/ 整数×整数を使って考えよう
- 【式と計算】 式を立てて考えよう/ もようづくり
- 【面積】 工夫して求めよう/ 残った土地の面積を求めよう/ 面積を半分に分けよう
- 【計算の見積もり】 どんな買い方があるのかな?/ 買えるかな?
- 【分数】 分数迷路
- 【同じものに目をつけて】 部屋の人数は何人?
- 【割合】 値引きのしかたを考えよう/ 食塩水の濃さ
- 【円周と円の面積】 どちらが広いかな?/ 道のりを比べよう
- 6 年
- 【立体】 立方体を作ろう/ 展開図を組み立てよう
- 【倍数と約数】 財宝を手に入れるかぎは?/ 数のピラミッド
- 【平均とその利用】 平均はどう変わる?/ 1個平均の重さは?
- 【分数のたし算とひき算】 たくさんもらったのはだれ?/ 大きい分数は?
- 【計算の見積もり】 およその計算
- 【単位量あたりの大きさ】 学校に間に合うかな?/ かかる時間はどっちが短い?
- 【比例】 身のまわりの比例/ 比例の考えを使って求めよう
- 【体積】 できる直方体の体積を求めよう/ いろいろな角柱の体積は?/ 水の深さは何p?
- 【分数×整数,分数÷整数】 式を作ろう
- 【分数×分数,分数÷分数】 整数になる分数のかけ算/ 1になるかけ算/ 面積と体積
- 【比とその利用】 買い物をしよう/ たてと横は何p?
- 【割合を使って】 何分かかるかな?
- 【変わり方のきまり】 水はいついっぱいになる?
- 教材開発のヒント:発展・補充問題を作ってみよう
- 第V章 解説と解答例
- 4 年
- 5 年
- 6 年
- おわりに
はじめに
算数・数学離れという言葉が使われるようになって久しくなってきております。また,日本は国際的にも数学の力が低くなってきているという結果も出されています。しかし,児童・生徒にとって算数・数学教育の必要性は論を待ちません。算数の力を付けるためには,教科書などで学習したことを活用して問題に取り組む必要があります。幸いにも諏訪算数数学教育研究会は,このことを重視して参りましたが,多数の熱心な会員の協議により発展問題事例集を,志水廣先生のご指導の下に作成してまいりました。日々の学校の仕事に勤しみながら問題作成にあたり,その作成した問題の検討を行なうことは,苦労もありましたが,会員が熱心に取り組んだおかげで,発展問題事例集『活用力を高める発展・補充問題72選』(全2巻)を志水廣先生との共著で発刊の運びとなりました。
本書の特徴は,まず始めに現場の教師たちから生まれた問題集であるということです。換言すれば日々の授業をしながら,その授業をもとに発展問題を作成してきたということです。つまり,単なる論ではなく実践から生まれてきた問題集と言えます。児童の実態に立ち返り,常に児童の実態を把握しながら作成した問題集であると言えます。難問や奇問がなく精選され吟味された問題が記載されています。
二番目に言えることは,作成された問題は明治図書出版社さんから発行されている,月刊誌『楽しい算数の授業』に「個に応じた発展問題事例」として2年間掲載され,多くの人の目を通り,多くの児童が問題を解いているという点が大きい特徴だということです。
三番目の特徴としては,解答の箇所に先生や保護者が見てわかるように,ねらいと指導のポイントが記載されており一つ一つの問題を通して,どういう力を付けたいかを明確に記載してあるということです。
更には,一人が作成した問題を何人もが解いてみて,検討に検討を重ねてよりよい問題づくりに取り組んで作成したということも本書の特徴であると思います。振り返ってみますと,2年間毎月問題を作成して月刊誌に載せることは,苦労な面もありましたが,意欲に満ちた会員が熱心に取り組んだ成果が本書であるといっても過言ではないと思います。
本書が多くの児童や先生方などに利用されることを願ってやみません。本書を利用されてのご意見をお寄せくだされば幸いです。ご指導いただいた志水廣先生や,発刊に際して多大なお世話になった,明治図書出版社さんにお礼を申し上げて「はじめの言葉」とさせていただきます。
2008年8月 諏訪算数数学教育研究会会長 /岩波 敏正
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- 明治図書