- まえがき
- 1 ユーモアは「快の笑い」から
- ユーモアは「快の笑い」から /忘れ物 /視力 /その方が楽だろ /釣師と子ども /有田先生じゃおかしい /家庭での人生話 /まだ早いぞ! /老後 /ウソ /ひらがなであいさつを /宿題 /えらい人のおわび /赤ちゃんはいくら? /空恐ろしい /見方のちがい /おきるんじゃなかった /わるがき /犬の復しゅう /ひろったお金 /子どもの話 /夕食はつくってね /初めてよめた漢字 /眠れない /年齢 /忍耐力 /年賀状 /先生はなぜ働かないの? /血液型 /くじらはO型 /とぼける /ディズニー市? /したい? /間違い /視力検査 /風邪 /ノックできない /父の宿題
- 2 手おくれ
- 表彰 /もう一日早く /犬の尾 /カッコイイ方 /別の女 /亭主関白 /下水道? /スネかじり /手おくれ /英語 /ふくしゅう /運転技術 /意欲はほどほどに /こわい生活科 /よした方がいい? /マッサージ /えこひいき /先生のえんぴつ /なげやりな先生 /スターじゃないのよ /老人対策 /大事故 /経理士 /結婚記念日 /注文品の出ない料理店 /弱視の運転 /睡眠薬 /犬ではないか /短い挨拶 /辞任 /出初式 /アインシュタイン /年齢 /心配性 /きく方がむり /弁当 /天国 /雪 /電話での注文 /スリ /番犬 /糖尿病の検査法 /パイナップル /無事故無違反 /常習犯 /翌朝まで待て? /はり紙 /おつむ取れた? /本当の「すし」が食べたい
- 3 ハードな運動
- 忘れもの /失敗 /年齢制限 /一〇日間有効 /さがしもの /話のズレ /トイレットペーパー /何の仕事? /ないしょ話 /国民性 /日本一の刀の使い手 /馬の名前…… /死ぬまで働け /わたしを寝かせているの /こやし /速度と時間 /息苦しい /難聴 /ハードな運動 /釣り銭 /見つかったから /老眼鏡 /面白いキャディ /無色と無職 /おしゃべり /無事故 /請求書の金額 /急ぐことはない
- 4 わかるのが困る
- ミニバレー /同時通訳 /参ったまいった /偽札 /給料 /行き先は? /どっちが大切? /歯科医 /散歩 /デート /待ち時間 /ミサイル /愛は二人の間に /失恋 /弁護士 /頼まれごと /電話帳にある /ケータイ /ボケ /わかるのが困る /マイ・ダーリン /フランス小話 /遅刻 /せんたく /調教師 /けちんぼ /大きな口 /日本人はだらしない! /猛犬注意 /長引く裁判 /隣人 /離婚の原因? /印かん /生き方 /言いまちがい /ウール百%? /執念深い /桜島にフタ? /大事故と面接 /税金
- 5 初めての事故
- 短気? /一番エッチな人 /忘れもの /投書箱 /夏バテ /別の医者へ /泥棒 /行儀の悪い歩行者 /新婚旅行 /至急電話切って! /ウイスキーは薬の味? /どちらが寒い? /酔っぱらい /ステキ? /免許 /手術 /いびき /末期ガン? /せきの練習 /「こんな断り方もあるのね!」 /ほぼ同じ /ぜんそく /お化粧 /わたしの腕では無理 /看板 /席取(関取) /病気 /本は睡眠薬 /対応の技術 /長いあいさつ /水泳禁止 /自衛官 /めがね /寝ぼけ /塩味のする卵 /おさなきゃいい /生きるたのしみは? /初めての事故 /苗の番 /夢 /何もないのに /耳そうじ /最初の音
- 6 地球儀
- 大失敗 /あっち! /笑いは長生きの秘訣 /大丈夫 /入り口を広げた /運 /近所のおばちゃんからも学ぼう /有田も暗かった! /暗示 /子どもはすぐに面白くなる! /龍馬と隆盛 /歯で歩いたおばあさん /新聞にもジョークが大切 /ユーモアでかえす努力を /地球儀 /オレもぬいぐるみだ! /スポーツアナウンサーの笑顔 /ユーモアは「ゆとり」から /笑顔 /「どうぞ」の精神はむずかしい /プリント配りの技術 /あの世でも「どうぞ」「ありがとう」 /ゆとりが大切 /スプーン /潜水夫 /テスト /アメリカの教育 /紳士とは
- 7 子どもの書いたユーモア小話
- 一年生のユーモア小話
- トイレ /あくしゅ /おもしろいしゅくだい /におい /おやゆび /はやいたべかた /○○をはいけんしたい /ふしぎ /大こんおろし /まずいさけ /うろこ /春 かれた木が生きかえった
- 二年生のユーモア小話
- 電話パニックじけん /暑中見舞 /手紙 /わがはいはカタツムリである /ほうこく /犬のはみがき /おもしろい店いんさん /ドンカン? /へんなおじさん /えんぴつからけむり
- 三年生のユーモア小話
- 先生のわな /ねむい /とこや /たのしいクラス /ほこり /わたしのクラスは、とてもおもしろい /四年生のユーモア小話 /人のことはいえない /「はてな?」 /わたしの母ちゃんバカ母ちゃん
- 五年生のユーモア小話
- 不安と喜び /有田先生の授業の秘密 /冬の生活
- 六年生のユーモア小話
- かんどう /ぶ附す子(狂言) /太平洋戦争と天気予報 /湾岸戦争 /永田町の論理 /十二単衣 /20年後 /ビユー徳太子の改善すべきこと二三条の憲法 /天才人語
まえがき
教師になって最初の卒業生を送り出す直前、「こうしたらいい先生になるよ」ということを何でもいいからいってほしいといった。
いろいろ注意をしてくれた。が、「先生は暗いから、もっと明るくならなければ子どもに嫌われるよ」といわれたのが一番こたえた。自分では明るいと思っていたからである。
やはり「人の意見は聞くものだ」とこの時思った。
それから、笑い話を集めたり、よく笑う練習をしたり、笑顔の練習をしたりした。『西洋ウイット横丁』というユーモアの本に最初に出会い、強い影響を受けた。大事に大事にしていたのに、何度かの引っ越しで、どこにいったかわからなくなった。おしくてたまらない本である。
この本がきっかけとなって、ユーモアに関する本はどのくらい買ったかわからない。倉庫の中にまだあると思うが、さがすのが大変だから、やめた。今でも本屋に入ると一番先にユーモア関係の本をさがし、次に教材関係の本をさがす。
努力のかいあって、最後の卒業生を送り出すとき、「それ以上明るくなると、子どもからバカにされますよ」といわれた。いつの間にか明るくなっていたのだ。
子どもたちは、勉強の内容は忘れても、笑い話の面白かったのはよく覚えている。
授業を面白くし、子どもを意欲的にするには、時々笑い話をすることだ。これで子どもは大笑いし、授業に乗ってくる。そのための「ネタ」を可能な限り収めたつもりである。
どこから読んでもいい。気に入ったものから使えばよい。順序なんてない。
第一に、笑い話をする時、決して自分から先に笑ってはいけない。これが大切だ。
第二に、笑い話をするときは、「本当だなあ」と思わせておき、ストンと落とすのがコツである。それに、どこまでが事実で、どこからウソかわからないように話すことがコツである。相手がすぐうそだとわかるような話し方はダメだ。
第三に、説明を加えないとわからないような話はだめだ。相手の能力に応じてネタを選ぶ必要がある。本書も解説はほとんど加えていないので、自分で考えてほしい。
第四に、自分が経験したり、見たりしたように、自分に引き付けて話すことである。このためには、ネタを少し変える必要も出てくる。創造力が少し必要である。
本書に収めたものは、可能な限り、わたしが経験したように書き替えている。そうしないと真実味が出ないし、面白くない。
本書を読んで、ゲラゲラ笑うだけでなく、ぜひ子どもたちに話してあげて下さい。自分に都合のいいように作り替えて─。
そうしているうちに、あーら不思議、気がついたらあなたは「ユーモア人間」になっているはずである。もしならなかったら、あなたの修業が足りないのだ。
とにかく読んで楽しんで下されば、望外の喜びである。
明治図書の江部満編集長が、わたしが『教材開発』誌に書いた「ユーモア小話」を読んで、「ぜひこんな話をまとめるように」といって下さり、楽しみながら三〇年来の記録を引っぱり出して、まとめたものである。これも一種の教材開発といえよう。
江部編集長に厚くお礼を申し上げたい。ありがとうございました。
二〇〇四年四月 /有田 和正
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