授業を楽しくするユーモア事典

授業を楽しくするユーモア事典

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ユーモアが授業を面白くし、子どもを意欲的にする。

子どもたちは勉強の内容は忘れても「笑い話」の面白かったのはよく覚えている、と著者は言う。授業を面白くし子どもを意欲的にするには時々笑い話をすることが大切だ。子どもは大笑いし授業に乗ってくる。そのためのネタ、ノウハウ満載の一冊。


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ISBN:
4-18-559002-4
ジャンル:
授業全般
刊行:
3刷
対象:
小・中
仕様:
A5判 208頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
1 ユーモアは「快の笑い」から
ユーモアは「快の笑い」から /忘れ物 /視力 /その方が楽だろ /釣師と子ども /有田先生じゃおかしい /家庭での人生話 /まだ早いぞ! /老後 /ウソ /ひらがなであいさつを /宿題 /えらい人のおわび /赤ちゃんはいくら? /空恐ろしい /見方のちがい /おきるんじゃなかった /わるがき /犬の復しゅう /ひろったお金 /子どもの話 /夕食はつくってね /初めてよめた漢字 /眠れない /年齢 /忍耐力 /年賀状 /先生はなぜ働かないの? /血液型 /くじらはO型 /とぼける /ディズニー市? /したい? /間違い /視力検査 /風邪 /ノックできない /父の宿題
2 手おくれ
表彰 /もう一日早く /犬の尾 /カッコイイ方 /別の女 /亭主関白 /下水道? /スネかじり /手おくれ /英語 /ふくしゅう /運転技術 /意欲はほどほどに /こわい生活科 /よした方がいい? /マッサージ /えこひいき /先生のえんぴつ /なげやりな先生 /スターじゃないのよ /老人対策 /大事故 /経理士 /結婚記念日 /注文品の出ない料理店 /弱視の運転 /睡眠薬 /犬ではないか /短い挨拶 /辞任 /出初式 /アインシュタイン /年齢 /心配性 /きく方がむり /弁当 /天国 /雪 /電話での注文 /スリ /番犬 /糖尿病の検査法 /パイナップル /無事故無違反 /常習犯 /翌朝まで待て? /はり紙 /おつむ取れた? /本当の「すし」が食べたい
3 ハードな運動
忘れもの /失敗 /年齢制限 /一〇日間有効 /さがしもの /話のズレ /トイレットペーパー /何の仕事? /ないしょ話 /国民性 /日本一の刀の使い手 /馬の名前…… /死ぬまで働け /わたしを寝かせているの /こやし /速度と時間 /息苦しい /難聴 /ハードな運動 /釣り銭 /見つかったから /老眼鏡 /面白いキャディ /無色と無職 /おしゃべり /無事故 /請求書の金額 /急ぐことはない
4 わかるのが困る
ミニバレー /同時通訳 /参ったまいった /偽札 /給料 /行き先は? /どっちが大切? /歯科医 /散歩 /デート /待ち時間 /ミサイル /愛は二人の間に /失恋 /弁護士 /頼まれごと /電話帳にある /ケータイ /ボケ /わかるのが困る /マイ・ダーリン /フランス小話 /遅刻 /せんたく /調教師 /けちんぼ /大きな口 /日本人はだらしない! /猛犬注意 /長引く裁判 /隣人 /離婚の原因? /印かん /生き方 /言いまちがい /ウール百%? /執念深い /桜島にフタ? /大事故と面接 /税金
5 初めての事故
短気? /一番エッチな人 /忘れもの /投書箱 /夏バテ /別の医者へ /泥棒 /行儀の悪い歩行者 /新婚旅行 /至急電話切って! /ウイスキーは薬の味? /どちらが寒い? /酔っぱらい /ステキ? /免許 /手術 /いびき /末期ガン? /せきの練習 /「こんな断り方もあるのね!」 /ほぼ同じ /ぜんそく /お化粧 /わたしの腕では無理 /看板 /席取(関取) /病気 /本は睡眠薬 /対応の技術 /長いあいさつ /水泳禁止 /自衛官 /めがね /寝ぼけ /塩味のする卵 /おさなきゃいい /生きるたのしみは? /初めての事故 /苗の番 /夢 /何もないのに /耳そうじ /最初の音
6 地球儀
大失敗 /あっち! /笑いは長生きの秘訣 /大丈夫 /入り口を広げた /運 /近所のおばちゃんからも学ぼう /有田も暗かった! /暗示 /子どもはすぐに面白くなる! /龍馬と隆盛 /歯で歩いたおばあさん /新聞にもジョークが大切 /ユーモアでかえす努力を /地球儀 /オレもぬいぐるみだ! /スポーツアナウンサーの笑顔 /ユーモアは「ゆとり」から /笑顔 /「どうぞ」の精神はむずかしい /プリント配りの技術 /あの世でも「どうぞ」「ありがとう」 /ゆとりが大切 /スプーン /潜水夫 /テスト /アメリカの教育 /紳士とは
7 子どもの書いたユーモア小話
一年生のユーモア小話
トイレ /あくしゅ /おもしろいしゅくだい /におい /おやゆび /はやいたべかた /○○をはいけんしたい /ふしぎ /大こんおろし /まずいさけ /うろこ /春 かれた木が生きかえった
二年生のユーモア小話
電話パニックじけん /暑中見舞 /手紙 /わがはいはカタツムリである /ほうこく /犬のはみがき /おもしろい店いんさん /ドンカン? /へんなおじさん /えんぴつからけむり
三年生のユーモア小話
先生のわな /ねむい /とこや /たのしいクラス /ほこり /わたしのクラスは、とてもおもしろい /四年生のユーモア小話 /人のことはいえない /「はてな?」 /わたしの母ちゃんバカ母ちゃん
五年生のユーモア小話
不安と喜び /有田先生の授業の秘密 /冬の生活
六年生のユーモア小話
かんどう /ぶ附す子(狂言) /太平洋戦争と天気予報 /湾岸戦争 /永田町の論理 /十二単衣 /20年後 /ビユー徳太子の改善すべきこと二三条の憲法 /天才人語

まえがき

 教師になって最初の卒業生を送り出す直前、「こうしたらいい先生になるよ」ということを何でもいいからいってほしいといった。

 いろいろ注意をしてくれた。が、「先生は暗いから、もっと明るくならなければ子どもに嫌われるよ」といわれたのが一番こたえた。自分では明るいと思っていたからである。

 やはり「人の意見は聞くものだ」とこの時思った。

 それから、笑い話を集めたり、よく笑う練習をしたり、笑顔の練習をしたりした。『西洋ウイット横丁』というユーモアの本に最初に出会い、強い影響を受けた。大事に大事にしていたのに、何度かの引っ越しで、どこにいったかわからなくなった。おしくてたまらない本である。

 この本がきっかけとなって、ユーモアに関する本はどのくらい買ったかわからない。倉庫の中にまだあると思うが、さがすのが大変だから、やめた。今でも本屋に入ると一番先にユーモア関係の本をさがし、次に教材関係の本をさがす。

 努力のかいあって、最後の卒業生を送り出すとき、「それ以上明るくなると、子どもからバカにされますよ」といわれた。いつの間にか明るくなっていたのだ。

 子どもたちは、勉強の内容は忘れても、笑い話の面白かったのはよく覚えている。

 授業を面白くし、子どもを意欲的にするには、時々笑い話をすることだ。これで子どもは大笑いし、授業に乗ってくる。そのための「ネタ」を可能な限り収めたつもりである。

 どこから読んでもいい。気に入ったものから使えばよい。順序なんてない。

 第一に、笑い話をする時、決して自分から先に笑ってはいけない。これが大切だ。

 第二に、笑い話をするときは、「本当だなあ」と思わせておき、ストンと落とすのがコツである。それに、どこまでが事実で、どこからウソかわからないように話すことがコツである。相手がすぐうそだとわかるような話し方はダメだ。

 第三に、説明を加えないとわからないような話はだめだ。相手の能力に応じてネタを選ぶ必要がある。本書も解説はほとんど加えていないので、自分で考えてほしい。

 第四に、自分が経験したり、見たりしたように、自分に引き付けて話すことである。このためには、ネタを少し変える必要も出てくる。創造力が少し必要である。

 本書に収めたものは、可能な限り、わたしが経験したように書き替えている。そうしないと真実味が出ないし、面白くない。

 本書を読んで、ゲラゲラ笑うだけでなく、ぜひ子どもたちに話してあげて下さい。自分に都合のいいように作り替えて─。

 そうしているうちに、あーら不思議、気がついたらあなたは「ユーモア人間」になっているはずである。もしならなかったら、あなたの修業が足りないのだ。

 とにかく読んで楽しんで下されば、望外の喜びである。

 明治図書の江部満編集長が、わたしが『教材開発』誌に書いた「ユーモア小話」を読んで、「ぜひこんな話をまとめるように」といって下さり、楽しみながら三〇年来の記録を引っぱり出して、まとめたものである。これも一種の教材開発といえよう。

 江部編集長に厚くお礼を申し上げたい。ありがとうございました。


  二〇〇四年四月   /有田 和正

著者紹介

有田 和正(ありた かずまさ)著書を検索»

1935年 福岡県生まれ。

玉川大学文学部教育学科卒業。

福岡県の公立校,福岡教育大学附属小倉小学校,筑波大学附属小学校を経て愛知教育大学教授。

1999年3月 愛知教育大学定年退官。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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