- はじめに
- 第1章 現実感を持った数量関係の指導を求めて
- §1 数量関係の指導のねらい
- (1) 関数について
- (2) 確率について
- §2 学年ごとの指導段階とその内容
- (1) 学年ごとの指導段階
- (2) 学年ごとの指導内容
- (3) 数学的活動
- §3 数量関係の指導の改善のポイント
- (1) 関数の指導全体を通して具体的な事象を基盤におく
- (2) 変化の動きを生徒に見せて変化する量を見出させる
- (3) 目的に応じて表・式・グラフに表現させる
- (4) 表やグラフは電卓・コンピュータを有効に使って表現させる
- (5) 比例定数や変域は負の数に拡張されていることを理解させる
- (6) 変域は具体的な事象をもとに理解させる
- (7) 変化の割合は表・式・グラフを一体として理解させる
- (8) それぞれの関数を関連させて理解させる
- (9) 表・式・グラフと事象の関係を読み取らせる
- (10) 問題解決に関数を使わせる
- (11) 確率は実験や観察を通して直観的に理解させる
- (12) 確率は図や表の表現を通して具体的に操作させる
- 第2章 指導内容のポイント
- 第1学年 比例と反比例
- (1) 指導のねらい/ (2) 重点となる内容と指導上の留意点/ 1 ともなって変わる数量の調べ方/ 2 比例の定義/ 3 座標の導入/ 4 比例のグラフ/ 5 反比例/ 6 変数と変域
- 第2学年 1次関数
- (1) 指導のねらい/ (2) 重点となる内容と指導上の留意点/ 1 関数の定義/ 2 1次関数の式による表現/ 3 1次関数の変化の割合/ 4 1次関数のグラフの特徴/ 5 1次関数のグラフのかき方/ 6 1次関数の式を求める/ 7 方程式とグラフ/ 8 1次関数の具体的な場面への利用
- 第3学年 関数y=ax^2
- (1) 指導のねらい/ (2) 重点となる内容と指導上の留意点/ 1 関数の意味/ 2 関数y=ax^2/ 3 関数y=ax^2のグラフ/ 4 関数y=ax^2のグラフと値の変化/ 5 関数y=ax^2の変化の割合/ 6 変化の割合の具体的な意味/ 7 関数y=ax^2の利用/ 8 いろいろな関数
- 第2学年 確率
- (1) 指導のねらい/ (2) 重点となる内容と指導上の留意点/ 1 確率の考え/ 2 確率の求め方
- 第3章 新数学科の具体的な授業プラン
- 第1学年 比例と反比例
- (1) 目標/ (2) 教材観/ (3) 指導計画(17時間)/ (4) 授業例/ 例1=比例する量/ 例2=比例の式を求めること/ 例3=座標/ 例4=反比例する量/ 例5=反比例の式を求めること/ 例6=反比例のグラフ/ 例7=比例と反比例/ 例8=比例の利用/ 例9=反比例の利用/ 例10=課題学習「時計の針の動きを考えよう」
- 第2学年 1次関数
- (1) 目標/ (2) 教材観/ (3) 指導計画(14時間)/ 授業例/ 例1=関数/ 例2=比例と1次関数/ 例3=グラフの傾きと切片/ 例4=1次関数の変化の割合/ 例5=いろいろな方法でグラフをかく/ 例6=グラフ電卓に星形を描く/ 例7=いろいろな座標平面にグラフをかく/ 例8=直線のグラフの式を求める/ 例9=表などから1次関数の式を求める/ 例10=具体的な場面からxとyの関係を考える/ 例11=y=kのグラフを考える/ 例12=連立方程式をグラフで解く/ 例13=動く点と面積の関係/ 例14=1次関数の利用「現実的な場面からグラフを読む」
- 第3学年 関数y=ax^2
- (1) 目標/ (2) 教材観/ (3) 指導計画(12時間)/ 授業例/ 例1=関数y=ax^2/ 例2=関数y=ax^2のグラフと値の変化1/ 例3=関数y=ax^2のグラフと値の変化2/ 例4=関数y=ax^2のグラフと値の変化3/ 例5=関数y=ax^2の値の変化の割合1/ 例6=関数y=ax^2の値の変化の割合2/ 例7=関数y=ax^2の利用1/ 例8=関数y=ax^2の利用2/ 例9=いろいろな関数
- 第2学年 確率
- (1) 目標/ (2) 教材観/ (3) 指導計画(8時間)/ 授業例/ 例1=確率の考え1/ 例2=確率の考え2/ 例3=確率の求め方1/ 例4=確率の求め方2/ 例5=確率の求め方3/ 例6=確率の求め方4/ 例7=確率の求め方5
- 第4章 選択教科「数学」の新授業プラン
- §1 視力検査の仕組みを考えよう(比例・反比例の発展)
- 1本時の目標/ 2展開
- §2 携帯電話の料金を考えよう(1次関数の発展)
- 1本時の目標/ 2展開
- §3 ジェットコースターの動き(関数y=x2の発展)
- 1本時の目標/ 2教材観/ 3展開
- §4 アルファベットの人文字を作ろう(置き換えて考える)
- 1本時の目標/ 2教材観/ 3展開
- §5 コンピュータゲームの上手さ(統計の考え方)
- 1本時の目標/ 2教材観/ 3展開
- §6 月曜日の朝は寒い!?(統計の発展)
- 第1時1本時の目標・2展開/ 第2時1本時の目標・2展開
はじめに
本書は,2002年4月からの新教育課程に基づく中学校数学科での授業実践に向けて,指導のねらい,指導内容,および日々の実践のための具体的な授業プランをまとめたシリーズの中の1冊であり,既刊の長崎栄三・五十嵐一博編著『中学校新数学科の授業モデル』全4巻の続編です。
このシリーズは,「数と式」,「図形」,「数量関係」の各編,計3巻からなっています。
各編においては,まず初めに,新教育課程における当該領域の「指導のねらい」と「指導内容の重点」を明らかにしました。そこでは,これからの数学教育が目指す方向を示すとともに,具体的な指導内容の扱いの詳細を述べました。そして,それらを踏まえて,「具体的な授業プラン」および「選択教科数学の新授業プラン」を,紙数の許す限り具体的に数多く作成し掲載しました。各編において多くのページを占めているこの部分は,特に,実際の授業実践を計画し,またそれを振り返るのに多くの点で参考になると確信しています。
この「数量関係編」の構成は,次のようになっています。
まず,「第1章 現実感を持った数量関係の指導を求めて」では,中学校数学科での数量関係の指導のねらい,学年ごとの指導段階とその内容,及び数量関係における数学的活動について明らかにしました。そして,12項目からなる数量関係の指導の改善のポイントを示し,授業を構想する上での基本的な考え方を提案しました。
「第2章 指導内容のポイント」では,各学年の数量関係の単元ごとに,具体的な指導内容を解説し,その指導のポイントについて述べています。
「第3章 新数学科の具体的な授業プラン」は,本書の中心を成す部分です。ここでは,数量関係に関する授業のすべてについて,その指導案を示しています。紙数の関係で記述に濃淡がありますが,提示する「問題」についてはそのすべてを掲載しました。これらの授業プランは,既に執筆者によって実践されているものです。内容的に深く追究しすぎていると感じられる部分もあるかもしれません。読者の方々が実践するに当たっては,各学校の実態に応じて,適宜取捨選択していただきたいと思います。
最後の「第4章 選択教科「数学」の新授業プラン」では,より現実感を持った数量関係に関連する授業を求めて,興味ある発展的な学習の事例を6つほど紹介しました。
各章のいずれの内容も,実践を十分に踏まえたものになっています。なお,6名の執筆分担者は,お互いに意見を交換しながら完成原稿としました。
本シリーズが,中学校数学科での授業を構想する上で参考になれば幸いです。
2002年6月 編著者
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- 明治図書