- まえがき
- 本書の使い方
- 第1章 計算力向上を目指す授業づくり
- 1 計算指導の問題点
- 2 計算指導の展開
- 3 計算指導で育てたい考え方
- 4 第3学年の計算指導
- 第2章 計算力向上を目指す授業の実際と教材開発
- 1 3けたのたし算・ひき算
- 第2時 十の位に繰り上がる計算 237+128
- 第3時 百の位に繰り上がる計算 257+169
- 第6時 繰り下がり1回の計算 342−127
- 第7時 繰り下がり2回の計算 342−165
- 第8時 被減数に空位のある計算 302−137
- 第11時 4けたのたし算・ひき算
- 第12時 4けたのたし算・ひき算(発展)
- 第12時 カードによる計算練習(補充)
- ワークシート:練習 /ワークシート:テスト
- 2 かけ算
- 第1時 乗法の交換法則 5×3=3×5
- 第2時 乗法の分配法則 3×7+2×7=5×7
- 第4時 0の計算
- 第7時 (何十・何百・何千)×1位数(発展)
- 第7時 (何十・何百)×1位数(補充)
- ワークシート:練習 /ワークシート:テスト
- 3 かけ算の筆算
- 第1時 (2けた)×(1けた)の筆算の仕方 21×3
- 第2時 67×4の計算
- 第3時 27×8の計算
- 第4時 213×3
- 第5時 308×7
- 第7時 (4位数)×(1位数)(発展)
- 第7時 数カードによるかけ算(補充)
- ワークシート:練習 /ワークシート:テスト
- 4 2けたのかけ算
- 第2時 何十×何十
- 第3時 (2位数)×(2位数)の計算
- 第4時 (2位数)×(2位数)の筆算
- 第5時 計算練習
- 第6時 (3位数)×(2位数)の筆算
- 第7時 文章題と虫食い算(発展)
- 第7時 虫食い算と計算練習(補充)
- ワークシート:練習 /ワークシート:テスト
- 5 わり算
- 第1時 4人に分ける
- 第2時 除法の答え
- 第5時 4個ずつ分ける
- 第7時 2つのわり算
- 第9時 何倍ですか
- 第10時 いろいろな問題(発展)
- 第10時 計算練習(補充)
- ワークシート:練習 /ワークシート:テスト
- 6 余りのあるわり算
- 第1時 余りのあるわり算
- 第3時 答えの確かめ
- 第4時 筆算の仕方
- 第5時 余りのあるわり算の文章題
- 第6時 計算練習(発展)
- 第6時 計算練習(補充)
- 第7時 (何十)÷(1位数)
- 第8時 簡単な(2位数)÷(1位数)
- ワークシート:練習 /ワークシート:テスト
- 7 小数
- 第6時 0.4+0.5
- 第7時 1.7−0.9
- 第8時 計算練習
- 第9時 カードを使った計算ゲーム(発展)
- 第9時 計算練習(補充)
- ワークシート:練習 /ワークシート:テスト
- 8 分数
- 第6時 25+15
- 第7時 67−47
- ワークシート:練習 /ワークシート:テスト
- 付録プリント1:虫食い算のカード
- 付録プリント2:2けたのかけ算カード
まえがき
算数科の授業では,多くの時間を計算指導が占めている。そして,今回の学習指導要領の改訂に伴って,計算指導のスパイラルという観点から充実する傾向にある。
また,教師は,授業中の練習量に不安をもち,計算ドリルを使用している。
その上,子どもたちの計算力を向上させたいと,授業中だけではなく,朝の会にも計算練習の時間を設定している。私の手元にも,早朝練習と名付けた,10問ずつの計算プリントが,ナンバー100番台の半ばすぎまである。毎朝,計算プリントに励んでいたのである。
私は,計算練習は必要であると思っている。学習した後に,集中的に練習することは必要である。さらに,定着させるために継続的に計算練習をすることも必要である。
一方,授業を振り返ればどうだろうか。
計算の意味理解や計算の仕方を考えるために,計算問題の場面を取り上げる。その問題に対して,子どもたちにいろいろな考え方をさせ,解決させようとしている。そして,そのいろいろな考え方を発表させ,比較検討させている。
しかし,あまりに子どもにじっくり考えさせ,いろいろな考え方を発表させて,1時間の授業中に,計算問題を1題だけ取り上げて終わっていることが多く見受けられる。このように1時間に,1題の計算問題だけを取り上げて終わっていていいのだろうか。1題の計算問題だけを考えて,授業の終盤に,学級全体でその時間の学習内容をまとめて終わっている。それで,この問題の意味や考え方が理解できたと,個々の子どもを評価できるのであろうか。
算数科の授業は,子どもがきちんと理解できているのかという評価を重視し,授業内容,及び授業展開を見直そうとする方向に進めることが必要である。
このような立場に立って,私は,次のように計算指導を見直し,指導と評価の一体化につながる授業展開を目指そうと思い,本書を執筆しようと試みた。
計算指導では,ねらいに沿って,3種類の問題が1時間の授業の中に必要だと考えている。
1 子どもに理解させる問題
2 子どもの理解を確認する問題
3 子どもの理解を定着させる問題
1時間の授業で,この3題を扱うことが必要だが,授業の展開の中で扱いきれない場合がある。しかし,少なくとも「1 子どもに理解させる問題」「2 子どもの理解を確認する問題」は扱い,子どもの学習状況を把握しておくことはしてほしい。
本書は,上記のように考え,授業実践例を記したものである。
2008年7月 /赤井 利行
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- 明治図書