- はじめに
- 1 マルチメディアとは
- 1 マルチメディアと子どもたち
- 2 美術の授業と映像メディア表現
- 2 ペイントでかく
- 1 ポストカードを作ろう
- 授業の流れ/作品づくりの実際/ワークシート
- 2 4コママンガを描こう
- 授業の流れ/作品づくりの実際/ワークシート
- *コラム1 ペイントとドローのちがい
- 3 ドロー機能で作画する
- 1 私のマーク
- 授業の流れ/作品づくりの実際/ワークシート
- 2 NEW商品パッケージデザイン
- 授業の流れ/作品づくりの実際/ワークシート
- 4 デジタルカメラを活用する
- 1 顔写真館
- 授業の流れ/作品づくりの実際/ワークシート/【顔写真館】発表会用紙
- 2 目をこらして
- 授業の流れ/作品づくりの実際/ワークシート
- *コラム2 画像ファイルの種類
- *コラム3 拡張子を表示する
- 5 ビデオ映像で表現
- 1 部活動紹介CM
- 授業の流れ/作品づくりの実際/ワークシート
- 2 映像でクリエイトしよう
- 授業の流れ/作品づくりの実際/ワークシート
- 6 スキャナで入力
- 1 スキャナで変形させてみよう
- 授業の流れ/作品づくりの実際/ワークシート
- 7 画像に描き加える
- 1 見立てて遊ぼう
- 授業の流れ/作品づくりの実際/ワークシート
- 2 夢の看板クリエイター
- 授業の流れ/作品づくりの実際/ワークシート
- 8 スライドショーで見せる
- 1 デジタル紙芝居
- 授業の流れ/作品づくりの実際/ワークシート
- 2 部活動紹介映像
- 授業の流れ/作品づくりの実際/ワークシート
- *コラム4 フリーウェアとシェアウェア
- 9 画像をつなげて動きを生み出す
- 1 オリジナルGIFアニメーション
- 授業の流れ/作品づくりの実際/ワークシート
- 2 ストップモーションアニメを作ろう
- 授業の流れ/作品づくりの実際/ワークシート
- *コラム5 生徒作品データベース化のすすめ,撮影方法
- 10 Webページにまとめる
- 1 お気に入り写真集
- 授業の流れ/作品づくりの実際/ワークシート
- 2 デジタル4コマ劇場
- 授業の流れ/作品づくりの実際/ワークシート
- 3 デジタルポートフォリオ
- デジタルポートフォリオ実践例/デジタル版のワークシート
- 11 情報モラルに気を配ろう
- 1 映像メディアと著作権
- 2 著作権とは
- 3 美術の授業と著作権
- 12 映像メディアと授業の組み立て
- 1 年間指導計画作成上の留意点
- 系統性/事前調査/メディア機器の状況,コンピュータ機能の理解
- 2 他教科や「総合的な学習」との関連
- 技術科/総合的な学習
- 3 マルチメディア機器の整備
- 標準教材品目から教材機能別分類表へ
- 本書で使用しているソフトウェア一覧/参考文献
- おわりに
はじめに
携帯電話やパソコンに象徴される情報化社会の進展は,めざましく,わたしたちの生活を大きく変えようとしています。学校教育においても,このような情報化社会に対応する教育のあり方が急務となっており,従来にない教育内容が求められています。教育課程の改訂にあたって「学習指導要領」や教科の中に,マルチメディアや情報に関係する学習内容が随所に取り入れられたことは,当然の帰結といえるでしょう。
美術科の学習では,「学習指導要領」に「映像メディア表現」ということばが登場し,コンピュータやビデオカメラ等のマルチメディアの特性を生かした実践が望まれています。また,鑑賞の分野でも,ビデオ,CD−ROM,DVD等メディア教材やインターネットを利用した新しい授業実践が求められています。
しかし,美術教師の誰でもがマルチメディア機器に明るく,すぐにそれらを授業に取り入れて実践できるとは限りません。技術的な問題や予算,設備の不十分さから,手をつけていないという現状もあるようです。さらに,「映像メディア表現」を扱った題材や実践例は,比較的新規な内容であるだけに,それほど多く紹介されていません。そうした中で美術教師が「映像メディア表現」の授業に興味を持ち,授業実践の糸口になることを願って本書を執筆・編集しました。掲載事例は,滋賀大学教育学部附属中学校で行ったものですが,小学校図画工作科や高等学校美術科,あるいは「総合的な学習」にも応用,発展が可能な内容を盛り込んでいます。さらに,ここでは子どもたちが各種メディアを駆使しながら楽しく活動した題材を精選して紹介しています。他の学校においてもそのねらいは,十分果たせるものと自負しています。
また本書では,全国の教育現場におけるデジタル機器やコンピュータ機器の設置状況から判断して,コンピュータOSは,Windowsに限定したものになっています。さらに,実践を意識した,汎用性を確保するために,できるだけ特別なソフトウェアや機器を必要としない事例を紹介しました。OSに附属したアプリケーションソフトやインターネットからダウンロードしたフリーソフトなども使用しています。いずれにしても,昨今の教育設備にかかわる経費は,決して潤沢なものではありません。現場の先生方が少ない労力で,しかもなるべく予算をかけずに授業が行えるように配慮しました。
紙面の都合で一つひとつの実践例を細かく記述することができませんが,授業のねらいや流れ,機器操作の要点は押さえたものになっています。また,題材ごとに授業でそのまま使える「ワークシート」のページを設けていますので,コピーや印刷をしてご活用ください。
マルチメディアによる「映像メディア表現」を通して,子ども一人ひとりが楽しく活動できる美術の授業になることを願ってやみません。
2003年5月 /新関 伸也
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- 明治図書