- まえがき
- 第4巻刊行の趣旨
- 第1部 理論編
- T 改訂学習指導要領と新しい保健体育の課題
- 1 保健体育科の改訂のポイント
- (1) 目標の改善について
- (2) 内容及び内容の取り扱いの改善について
- 2 これからの新しい保健体育の課題
- (1) 体育分野
- (2) 保健分野
- U 自然とのかかわりの深い活動の基本的な考え方
- 1 各種審議会での指摘
- (1) 中央教育審議会(中教審)
- (2) 保健体育審議会(保体審)
- (3) 教育課程審議会(教課審)
- 2 学習指導要領上の位置付け
- (1) 保健体育科の授業
- (2) 特別活動
- (3) 総合的な学習の時間
- 3 体育の年間計画への位置付け方
- (1) ねらい・内容・意義等の吟味
- (2) 教職員への周知と理解
- (3) 健康・安全への配慮
- (4) 保護者への理解・協力の要請
- (5) 「スキー学習」位置付けの具体例(札幌市の場合)
- 4 キャンプ・登山等
- (1) ねらいと内容
- (2) 具体的な計画のポイント
- (3) 指導のポイント
- (4) 安全配慮
- 5 水辺活動
- (1) これからの水辺活動のねらいと発展的な内容
- (2) 具体的な計画のポイント
- (3) 指導のポイント
- (4) 安全配慮
- 6 スキー
- ○アルペンスキー
- ○クロスカントリースキー
- 7 スケート
- (1) ねらいと内容
- (2) 具体的な計画のポイント
- (3) 指導のポイント
- (4) 安全配慮
- 第2部 実践編
- T 体育学習の授業モデル
- ◆水辺活動の授業モデル
- 1 カヌーによる霞ヶ浦横断
- 単元名/単元の特性/単元の目標/学習のねらいと道筋/本時のねらいと展開/霞ヶ浦横断を実現するための事前準備/成果/課題
- 2 地域の特性と人材を生かしたカヌー学習
- 授業の中にカヌーを取り入れることになった経緯/生徒の実態と体育科としての取り組み/選択教科体育(単元名,単元の特性,単元の目標,学習のねらいと道筋,本時のねらいと展開,まとめ)/平成15年度の取り組みから(通常の体育の授業)
- ◆スキーの授業モデル
- 3 共通の課題に異なるアプローチで取り組むスキー学習
- 単元名/単元の特性/単元の目標/学習のねらいと道筋(単元計画)/本時のねらいと展開/指導資料,学習カードなど/まとめ,授業を終えて
- U 特別活動等における授業モデル
- ◆キャンプ,登山等の授業モデル
- 4 カヌー体験が育む「生きる力」
- 行事名/目的/日時/目的地/宿泊地/日程/カヌーコース指導計画/指導の重点/注意事項/指導体制(安全対策)/服装/持ち物/評価/生徒感想文
- 5 自然と仲間のふれあいの中で「生きる力」を育む林間学校
- 行事名/基本的な方針/学年行事「青雲のつどい」3か年の計画/第2学年林間学校「青雲のつどい」/具体的な活動例/まとめ
- 6 地域性を生かした校外学習
- 行事名/目的/日時/目的地/宿泊地/日程/指導の重点/参加者/引率指導体制/生徒1人あたりの経費/服装/持ち物/安全対策/具体的な活動/成果と課題/参加者の感想/指導資料,学習カードなど
- ◆水辺活動等の授業モデル
- 7 ペーロン体験からびわ湖周航まで
- 行事名/目的/日程・活動場所/参加者/指導の重点/指導体制/生徒1人あたりの経費/服装・持ち物/安全対策/活動の流れ/成果と課題/豊かな心を育む自然体験活動の3年間の流れ
- 8 海のすばらしさを知り,自力で解決する能力を育むヨット体験
- 行事名/目的/日時/目的地/交通手段/日程/乗艇表と指導の重点/指導体制/生徒1人あたりの経費/服装/携行品/安全対策/具体的な展開/成果と課題
- 9 信頼と友情を育むカッター訓練
- 行事名/目的/日時/目的地/宿泊地/日程/指導の重点/指導体制/生徒1人あたりの経費/服装/持ち物(個人で用意する物)/安全対策/具体的な活動(展開)事例(実施状況)/成果と課題
- V 「総合的な学習の時間」との関連を図った授業モデル
- 10 水難救助,ライフセービング体験学習
- 「総合的な学習の時間」の全体計画/水難救助,心肺蘇生,ライフセーバー体験学習活動の実際(2学年を対象)/成果と課題
- 11 海環境を生かした体験活動によって「生きる力」を育むヨット学習
- 「総合的な学習の時間」の全体計画/単元の指導計画/学習活動の実際/成果と課題
- 12 追い込み漁で海の体験活動
- 「総合的な学習の時間」の全体計画/「総合的な学習の時間」の年間活動計画/「海の活動」の単元指導計画(15時間)/海の体験活動の実際/成果と課題
- 13 スキー学習を取り入れた冬季の体力向上のための学習カリキュラム
- 「総合的な学習の時間」の全体計画/「パワーマックス」単元指導計画/「パワーマックス(スキートレーニング)」の成果と課題
- W 教育行政における「自然とのかかわりの深い活動」の支援事業
- 14 「たくましい体・強い心」子ども育成推進事業
- 「たくましい体・強い心」子ども育成推進事業の紹介/本事業における推進校での水辺活動の例/本事業の今後の推進
- 15 中学校の自然体験的学習への補助事業
- 自然体験活動の見直し/野外教育活動の見直しについての答申/野外教育活動の弾力化/「自然体験活動事業費補助金」の概要(市外施設利用)/自然体験活動実施状況
まえがき
平成14年度から全面実施された新しい学習指導要領においては,生徒に[生きる力]をはぐくむことを目指し,各学校が,創意工夫を生かし特色ある教育活動を展開することが求められている。
したがって,保健体育科においては,改善の趣旨を踏まえ,新しい課題に対応していかなければならない。
特に,体育分野においては,新しい内容である「体ほぐしの運動」と「現代的なリズムのダンス」についてその基本的な考え方に基づく学習内容とその指導法が新たな課題である。そして,自然体験的な活動の重要性が指摘されていることから新たに位置付けられた「水辺活動」については先進的な取り組み,授業の実践例としてのモデルの作成が課題である。さらに,子どもたちの体力は長期低下傾向に歯止めがかからない状況にあることからその向上方策はいかにあったらよいか今日的な重要課題である。
保健分野においては,課題解決的な学習活動を通して,単に個人生活における健康・安全に関する知識・理解にとどめることなく,自ら学び自ら考え,意志決定を行うことができるよう,実践力を養うための授業モデルの作成が課題である。
以上のことから,今回は,上述の新たな喫緊の課題に対応するために,その授業モデルを開発し,各学校の授業の充実に資するようにした。
その際,もっとも留意したことは,基本的な考え方を十分理解できるよう分かりやすく解説したこと,学習指導の意図を明確にした指導計画(単元計画)を作成したこと,学習内容を基礎的・基本的な内容に精選するとともに参考となる多くの活動の事例を明示したこと,そして,活用しやすい1単位時間の指導案を提示することなどであった。
各巻それぞれに特色があるので,大いに参考にしていただきたい。執筆者は,それぞれの分野で実践のある方ばかりであることから,各学校の先生方にとって示唆に富む内容になったものと確信している。と同時に,よりよい取り組みをされている方からのご叱正,ご助言もいただければ幸いである。
なお,他の運動領域等の指導事例については,本明治図書の『改訂中学校学習指導要領の展開 保健体育編』(平成11年刊行)を参照していただきたい。
終わりに,本書の発行に際して,石塚嘉典氏,大場亨氏に大変お世話になった。心から感謝したい。
平成15年2月 /本村 清人
-
- 明治図書