- まえがき
- 1章 これだけはおさえたい「選択英語」実践の基本
- §1 「選択英語」の考え方と特徴
- §2 「選択英語」年間指導計画作成のポイント
- §3 「選択英語」で求められる教材と多様な学習法
- 2章 「選択英語」発展学習のファックス教材集
- ■§1 発展学習のファックス教材■
- 1 オーディション! 1年〈話す〉
- 2 インタビューテスト 1年〈聞く・話す〉
- 3 Guess Who Game / What Am I? Game 1年〈聞く・話す〉
- 4 買い物のスキットを演じよう 1年〈聞く・話す〉
- 5 国際電話で対話しよう 1年〈聞く・話す〉
- 6 世界の国や町を紹介しよう 1年〈話す・書く〉
- 7 CM大賞を目指せ! 全学年〈話す〉
- 8 そんな時ってどんな時? 2年〈話す〉
- 9 インタビューテスト 2年〈聞く・話す〉
- 10 Shopping in English 2年〈聞く・話す〉
- 11 学校のDos & Don's 2年〈話す・書く〉
- 12 こんなときどうする 2年〈読む・書く〉
- 13 「Can You Hear Me?」のその後 2年〈読む・書く〉
- 14 メッセージを聞き取る歌 3年〈聞く〉
- 15 映画のセリフを聞き取ろう 3年〈聞く〉
- 16 ちょこっとスキット 3年〈話す〉
- 17 インタビューテスト 3年〈聞く・話す〉
- 18 こんな案内が英語であったら 3年〈読む・書く〉
- 19 Welcome to My Home Page 3年〈読む・書く〉
- 20 英字新聞を作ろう 3年〈書く〉
- 21 英語版日本昔話の紙芝居 ―日本昔話を英語で紹介しよう!― 3年〈4領域〉
- 22 Math in English(初歩の数学の表現) 3年〈4領域〉
- 23 英語で何でも言ってみよう 全学年〈聞く・話す〉
- 24 4コマ漫画作り 全学年〈聞く・話す〉
- 25 英文リレー! 全学年〈読む・書く〉
- 26 詩人になろう 全学年〈読む・書く〉
- 27 Eメールで文通しよう 全学年〈読む・書く〉
- 28 七夕の短冊作り 全学年〈読む・書く〉
- 29 Mother Goose ―Mother Gooseについてインタビューしよう!― 全学年〈聞く・話す・読む〉
- 30 台本作り・紙芝居(教科書の行間への書き入れ,続き作り) 全学年〈4領域〉
- 31 教科書読み物教材を利用した英語劇 全学年〈4領域〉
- 32 人気映画のアフレコ ―君も今日から声優です― 2・3年〈聞く・話す〉
- 33 My Weekly Plan 2・3年〈聞く・話す〉
- 34 Asking the Way(道案内) 2・3年〈聞く・話す〉
- 35 What's the difference? 2・3年〈聞く・話す〉
- 36 英語放送劇を作ろう 2・3年〈読む(音読)〉
- 37 世界の物語を読もう 2・3年〈読む〉
- 38 朗読に挑戦しよう(物語) 2・3年〈読む・話す〉
- 39 Tour Guide 2・3年〈話す・書く〉
- 40 英語で紙芝居を作ろう 2・3年〈読む・書く〉
- 41 グラフや統計の表現 2・3年〈読む・書く〉
- 42 学校紹介をしよう ―英字壁新聞― 2・3年〈書く〉
- 43 Walking Tour of Chicago 3年〈4領域〉
- 44 英語劇を上演しよう 2・3年〈聞く・話す・読む〉
- 45 Tongue Twisters ―英語の早口言葉,君も言えるかな?― 全学年〈聞く・話す・読む〉
- 46 クイズショー!!! 2・3年〈聞く・話す・書く〉
- 47 日本特有のお店のスキット作り 2・3年〈聞く・話す・書く〉
- 48 電話で道案内 2・3年〈聞く・話す・書く〉
- 49 英語で日本文化紹介 ―日本文化を英語で語ろう!― 2・3年〈4領域〉
- 50 英字新聞作り ―外国人の先生に英語でインタビュー― 2・3年〈4領域〉
- 51 英仏海峡の渡り方 2・3年〈4領域〉
まえがき
中学校での外国語科(英語)が必修教科になったことにより,必修としての英語と選択としての英語との二つの側面から英語の指導を考えることとなった。
必修教科としての英語には,学習指導要領に基づいて作成された教科書があり,それを用いて日々の指導が行われている。教科書には基本的な内容が共通に盛り込まれており,一応は安心である。が同時に平均的な生徒を対象としており,一定の制限と画一的な側面があることは否めない。
一方,選択教科としての英語は,生徒の習熟の程度や興味・関心などを考慮して,各学校で目標や内容を設定することができ,必修の場合と比較すればかなり柔軟に内容を決定することができる。学校における人的,物的な条件さえ許せば,「選択英語」の種類を複数設定することも可能である。
「選択英語」の設置を具体的に進めるに当たり,まず選択する生徒に合わせて内容をどうするのかということを考えなければならない。決まった教科書がないということは,自由に内容を設定でき便利ではあるが,指導者自らが内容を決定しなければならないということでは負担であるとも言える。「選択英語」の内容は,学習指導要領には基本的に「補充的な学習」,「発展的な学習」,「課題学習」の三つのタイプが示されている。生徒がどのような学習を求めて,あるいは必要として選択しているのかを十分把握して,内容を決定する必要がある。
上記の三つのタイプの学習のうち,補充的な学習は,まだイメージがつかみやすいが,それに対して発展的な学習や課題学習は,そのイメージがつかみにくいと言われる。補充的な学習は必修英語で指導する内容を反復学習などを通して定着を図ればよいと考えるからであろう。しかし,どのようなタイプの学習であれ,指導しようとする内容を考え,どのように提示し身に付けさせるのかということになると学習者に応じた工夫が大切になる。
本書は,このような「選択英語」の内容を考える際に参考となるよう,様々な指導のアイディアを提供しようとするものである。内容に応じて補充的な学習,課題学習,発展的な学習に分け,概ねどの学年に相応しいかを示している。また,それぞれの活動には主として「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」のどの領域が関わっているかも示している。一つ一つのアイディアがどのようなものであるかが具体的に分かるようになっている。
本書に示した内容は,一年間の授業を視野において言語活動を構成するというところまでには至っていない。これまでの授業の中から効果的なものを取りだしたアイディアのコレクションというべきものである。どの段階でどのように活用するかは指導者の裁量に委ねたい。すでに述べたようにどのような「選択英語」になるかは,その授業を受ける生徒に応じて千差万別だからである。
意図を明確にしない選択英語は,その設置基盤を失い,メリハリのない授業になってしまう恐れがある。通常の授業の効率の悪さ・拙さを選択でカバーしようとすれば,「補充的な学習」が「補充的な授業」になってしまうであろうし,同様に,「課題学習」は「課題を残した授業」の穴埋めとなり,「発展的な学習」が「発展し損なった授業」の補充に充てられることになる。これでは,選択した生徒は期待を裏切られることになる。是非とも選択英語を設置する本来の意義を踏まえて,個々の生徒にとって選択して良かったと思う魅力的な授業展開をして頂くことを願っている。
最後に,さまざまなアイディアを提供して頂いた執筆者の方々や本書の完成に至るまでご苦労をおかけした明治図書編集部の安藤征宏氏に心から感謝申し上げます。
平成15年5月 編者 /平田 和人
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