実践・2000年代の特別活動−もしもあなたが教師なら−
教員を目指す人のための・教員の初任者研修のための

実践・2000年代の特別活動−もしもあなたが教師なら−教員を目指す人のための・教員の初任者研修のための

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教職を志望する学生や、教員の初任者研修の「特別活動」の実践的指導力を養成するため、多種多様な演習課題を用意し、問題解決の具体的な方法例・ヒント等を示すテキスト。


復刊時予価: 2,585円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-594901-4
ジャンル:
特別活動
刊行:
対象:
中・他
仕様:
B5判 164頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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監修者のことば
本書の特徴
本書の活用法
第1章 学校教育と特別活動
§1 現代社会と学校教育
§2 教科指導と特別活動
§3 特別活動の発足と展開
§4 特別活動のねらいと内容
§5 特別活動の今日的意義
第2章 学級活動(ホームルーム活動)
§1 読者の考えるページ
§2 実践事例(中学校)
§3 実践事例(高等学校)
§4 実践事例(養護学校)
第3章 生徒会活動
§1 読者の考えるページ
§2 実践事例(中学校)
§3 実践事例(高等学校)
第4章 学校行事
§1 読者の考えるページ
§2 実践事例(中学校)
§3 実践事例(高等学校)
第5章 部活動
§1 読者の考えるページ
§2 実践事例(中学校)
§3 実践事例(高等学校)
第6章 特別活動にかかわる教員とその指導
§1 教員の言語技術
§2 教員の発音・発声
§3 集団の活性化の考え方
§4 特別活動の指導における教員間連携
第7章 特別活動をめぐる新しい状況
§1 総合的な学習の時間と特別活動の関連
§2 ボランティア活動の実践の考え方
§3 生徒指導の機能を生かす特別活動
§4 教員とその卵のための各種トレーニング
資料編
§1 特別活動に関する本
§2 中学校学習指導要領(1998年告示)から
§3 高等学校学習指導要領(1999年告示)から
§4 総合的な学習の時間について
おわりに
執筆者等一覧

監修者のことば

 本書は,中学・高校の教職を志望する学生のために,主として特別活動の実践的な課題や問題解決の具体的な方法例を提示したものである。

 1988年12月の教育職員免許法の改正,および翌年3月の同法施行規則の改正によって,「特別活動に関する科目」が教員免許状取得のための必修科目として指定されることになった。以来,私は学習院大学の「特別活動の研究」授業担当者として模索を続けているが,特別活動という科目の性格上,机上の理論よりできるだけ体験を伴う授業を構想し,その実践に努めてきたつもりである。


 当初から,声楽家であるとともに言語の発音・発声に深い関心をもつ清水喜承,レクリエーションやボランティアの分野で実績をあげてきた長沼豊,両学習院中等科教諭*1に講師として助力を求め,3人で一緒に授業を担当する形態をとった。一方通行の講義形式はできるだけ避け,様々な課題を小グループで議論し合い,それを全体討議でまとめていくという方式にした。体育館で発音・発声訓練やレクリエーションゲームを実際に行い,立案から実施までを学生の手で行う遠足を続けてこられたのも,両講師の尽力によるものである。学生と一緒につくり上げていくことをめざした授業の中で,学生諸君からも多くの示唆を得たように思う。それらを土台として企画され,長沼講師*2によって編集されたのが本書である。


 第1章では,特別活動が重視されるようになった社会的背景を中心に,各教科の学習と特別活動の関連などを概説した。第2章から第5章までは,学習指導要領の特別活動の内容,「学級・ホームルーム活動」「生徒会活動」「クラブ活動」*3「学校行事」を一つひとつ各章ごとに取り上げて,演習課題を示し,教師の視点で学校教育や特別活動の意義について考えさせる試みをした。この部分に本書の中核として多くのページを割き,他は思い切って量を減らすことにした。決してそれらを支える基礎理論を軽視したのではなく,学生諸君に特別活動を身近に感じさせ,実践的指導力を身につけさせたい,という願いを優先させたのである。


 第2章から第5章までの中・高の実践例は,現場で特別活動に取り組んできた私の信頼できる若い友人の先生方に執筆をお願いした。いずれも教育問題を考える会「創」の有力メンバーである。10年前悩みを打ち明け合い,熱っぽく語り合った若手教師たちも,堅実な歩みを続けて,今や経験豊かな中堅教師となった。誠実に生徒たちに接しながら生み出された現場体験を通しての実践例は,説得力をもつに違いない。


 第6章では,特別活動にかかわる教員の指導について,やや違った側面からの論説を試みた。いずれも特別活動の指導に欠かせない教員の基礎技術でありながら,一般にはあまり触れられない事柄なので,あえて付け加えた次第である。


 日本の教育現場の当面の課題は「受信型」から「発信型」への転換である。各教科の指導(授業)が,ともすれば教師主導型にかたよりがちになるとき,生徒主導型の特別活動が盛んになることは,学校の活性化につながっていくことになろう。本書が学生諸君の特別活動への関心を喚起し,実践的指導力養成にいささかでも役立てれば望外の幸せである。


   /佐藤 喜久雄


*1  1997年当時の肩書き

*2  同上

*3  必修の「クラブ活動」は中学校,高等学校では,1998年告示の学習指導要領から廃止されている(高等学校は1999年告示)

(以上の注は編者による。なお,監修者は1998年1月に他界。)

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      明治図書
    • 教職を目指し、採用試験を受けた者です。「特別活動の研究」の講義を大学で受けましたが、いま一つ自分が教員になったらという実感が掴みにくく感じていました。しかし、本書を拝読し、現役の先生方の生の声や実践報告に触れて、自分がその立場だったらどのように対処するかを頭に思い描くことが出来ました。
      書き込み式のページもあり、自分の考えを整理し深めていくきっかけにもなりました。良い本に出会え、教職に就こうという意欲を新たにしました。
      2000/9/4ナルピー

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