- まえがき
- T章 異年齢のクラスづくりのすすめ
- U章 遊び
- 1 遊びの理論
- 2 ごっこあそび
- (1) レストランごっこ
- (2) 美容院ごっこ
- (3) 図書館ごっこ
- (4) 劇場ごっこ
- (5) 研究所ごっこ
- (6) 郵便やさんごっこ
- (7) 病院・お医者さんごっこ
- (8) 家族ごっこ−旅行・キャンプ
- (9) 乗り物ごっこ
- (10) 保育園ごっこ・学校ごっこ
- 3 外遊び
- (1) 川遊び・水遊び・泥んこ遊び
- (2) プール遊び
- (3) 冬の遊び
- (4) 砂遊び
- (5) 散歩と自然観察
- 4 ルール遊び・ボール遊び
- V章 異年齢クラスの指導計画
- 1 課題活動(課業)
- (1) 環境認識
- (2) 文学
- (3) 描画
- (4) 数
- (5) わらべうた
- (6) 体育
- 2 4・5月の3歳児
- 3 行事について
- (1) その月をまとめて行う誕生会
- (2) 誕生日当日行う誕生会
- (3) 春の親子遠足
- (4) 子どもの日・子どもまつり
- (5) 子どもの暮らし展
- (6) 秋の1日 親子で楽しむ手仕事
- (7) 冬まつり
- (8) お正月
- (9) だるま市
- (10) 卒園を祝う会
- 4 4期の5歳児
- W章 異年齢クラスの生活
- 1 食事・食べさせ方
- 2 健康・安全・衛生・清潔
- X章 遊び・生活を支えている環境
- (1) 当番・手伝い
- (2) 室内・園庭の工夫
- Y章 日課
- 〜生活リズム・午睡の配慮〜
- Z章 社会的ニーズにどう対応するか
- (1) 延長保育
- (2) 家庭・保護者との連携
- (3) 統合保育
- (4) 地域の小学校と交流〜お話の出前〜
- (5) 小学校との連携〜実りある保・幼・小の連携〜
- [章 コミュニケーションづくり
- 〜保育士と子ども・保育士と保護者・園長と保育士〜
- \章 職員研修のあり方
まえがき
このような本が手元にあったら……と私たちが願い続けた1冊が多くの保育園・多くの人の手でできあがりました。1冊で幼児の生活と発達の全容がつかめるようにまとめたものです。
保育園や幼稚園での1日の生活の中で子どもが十分に遊べるように遊びを中心にまとめましたが,ここに挙げた遊びはほんのわずかな例にすぎません。そしてすべての事例は創造的に活用していただくためのものです。私の園でも子どもたちは,回転ずし,コンサートごっこなど,日々,つきることなく遊びを楽しんでいます。あたかも全ての体験を自分のものにしようと遊んでいるようで,子どもたちが生きていく力のたくましさを感じます。
子どもたちはあまりによく遊ぶので,遊びの指導を忘れがちですが,遊びを客観的にみて,1人1人の社会性は? 運動能力は? 知的発達は? 等々分析し,遊びを強めたり援助することが必要なことはいうまでもありません。その点についての追求は次の機会になりました。
課題活動(課業)や行事,生活の中での習慣の形成と,一つ一つあらゆる角度から描いてそして全体像が見えるようにしてみました。一つ一つのジャンルの独自性を学びつつ全体の関連性についても感じとっていただけると思います。
課題活動(課業)は,それぞれが自立した独自のジャンルで,1回ごとにねらいや課題もあります。子どもを丸ごと受け止めようとすると,バラバラに子どもに働きかけていくことよりも,クラスの中にある遊びやふんいきと環境認識などのねらいやテーマを結び付けて行うとより効果的になります。電車ごっこがはやっていれば乗り物をテーマに,おうちごっこがはやっていれば家族をテーマに,環境認識の課業を行えばより認識が深まる,遊びが充実するという関係にあります。どちらが先かという訳ではありません。互いを強め合う生きた関係です。子どもと保育士の関係のように…。
最後の章は子どもの保育をまとめて,最大限に生かしていただくための章です。
日本の子どもが遊ばなくなって久しいといわれます。異年齢クラスを作って環境を整えるとこんなにも子どもらしい,年齢発達にふさわしい遊びが展開しているという実践例を寄せていただきました。子どもたちにもその未来にも明るいものが見えてくるのではないかと思います。異年齢クラスの実践の効果・確かさとともにそこらへんまでもくみとっていただけたらとおもいます。
2002年 1月 編著者 /斉藤 桂子
-
- 明治図書
- 幼児の個を大切にした保育実践をどのようにしたら実現できるのか具体的に書かれていてよくわかります。ぜひ、子どもの人格を大切に出来る保育をみんなで作りましょう。2017/4/27ことり
- 2017年4月開園したこのはな保育園です。幼児は異年齢混合の25人クラスと26人クラスの2クラスです。異年齢混合の経験のない職員の学びのために、ぜひ復刊をお願いします。2017/4/27篠崎 純子