話すこと・聞くこと指導のアイデア集 低学年子どもが喜んで取り組む

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アイデアは76。音声言語単元の学習指導案2例。学習指導要領における話すこと、聞くことの指導目標と内容の解説。話す聞く授業の詳細な展開。


復刊時予価: 2,442円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-659716-2
ジャンル:
国語
刊行:
3刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 144頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

本書推薦のことば /岡本 修一
はじめに /山本 章
◇活用事例の一覧表
◆話すこと・聞くことの指導のアイデア
終わりのスピーチ「今日の収穫」
日直クイズ
わたしは 誰でしょう?[その1]
わたしは 誰でしょう?[その2]
車掌さんになろう
お話かざぐるま
あったらいいな、こんなもの
自分たんけんの旅にでかけよう
「読み聞かせ」をしよう
君は今、食べられるとうもろこし
自己紹介(入門期)
○○○に変身して話す
声の案内状をつくる
「たからもの」じまんだよ
望遠鏡で見つけた秘密の景色
友だちには、きっといいところがある
絵描きゲームをしよう!
聞き取りジェスチャーをしよう!
福笑いを楽しもう
ブラックボックスのなかは何?
おもちゃの作り方を教えよう!
折り紙の折り方をしらせよう!
上手に着られるかな?
いもパーティーを開こう
先生にチャレンジ!
ふんふん それで
わたしは 誰でしょう?[その3]
いらっしゃいませ! ナルホドナルドです
値切らな そんだよ!
しりとり話
マジカルしりとりだよ@
マジカルしりとりだよA
マジカルしりとりだよB
マジカルしりとりだよC
雲にのってお散歩
不思議な怪獣現れる!
給食のおばさんにインタビュー
絵から生まれたお話
どんな身ぶりをしたのかな?
花になってお話しよう
秋の野原で、こびとになったよ
アサガオと話してみましょう
劇をしてみよう
私たちだって、先輩よ
あなたは名探偵(宝さがしゲーム)
わたしの家族
リップメッセージ
応援団になってみよう
一番光っているのはだあれ?
まねっこよみをしよう
一息で「せえの!」
歌っちゃだめだよ
聞いたとおりに描けるかな
あなたは だあれ?
ロボット操じゅうの名手
ことばさがしゲーム(拗音・促音)
カルタとりで鍛えよう!
やまびこゲームをしよう!
お話すごろく
クラスの早口ことばを作ろう
クエスチョン・クエスチョン
声当て しんけいすいじゃく
この歌なあに?
誰に話しかけているの?
わたしは 誰でしょう?[その4]
入れ替わったのは、どの言葉?
カセットテープの音を聞き出そう!
聖徳太子の耳@
聖徳太子の耳A
グループに分かれよう(みんなのことを知ろう)
お話コピーゲームをしよう!
どんな料理ができるかな?
歌の続き話を考えよう
これは何の音?
ながーい ながーい 伝言ゲーム
ものあてクイズ
◇音声言語単元 学習指導案1 題材名『ものあてゲーム』
目標/ 指導にあたって/ 指導計画(全三時間)/ 本時の目標及び/ 本時の展開
◇音声言語単元 学習指導案2 題材名『ブックトークによる表現活動』
教材設定の意図/ つけたい国語の力/ 授業づくりのポイント/ 指導計画(全九時間)/ 本時の目標/ 本時の展開(第三次9時)
◆学習指導要領における「話すこと」の指導目標と内容
◆学習指導要領における「聞くこと」の指導目標と内容
◇「話すこと」・「聞くこと」指導による効用
◆よりよく話させるための指導
話せない子の指導をどうするか/ 話そうとしない子の指導をどうするか/ 話しすぎる子の指導をどうするか/ 早口の子への指導をどうするか
◆よりよく聞かせるための指導
聞く態度が身に付いていない子への指導/ 聞く力が劣っている子への指導
◇学校生活における「話すこと」「聞くこと」指導の場
児童集会・放送朝礼/ 朝の会・帰りの会/ 校内放送(昼の放送)/ ショウ アンド テル/ 読み聞かせ・ストーリー テリング/ ブックトーク/ 一分間スピーチ/ インタビュー/ ディベート/ 小集団学習/ 相互指名・バトンタッチ指名
おわりに /山本 克

本書推薦のことば

   大阪狭山市教育委員会教育長 /岡本 修一


 本市、大阪狭山市教育委員会の指導室長兼教育研究室長である山本章氏が、これまで積み重ねてこられた国語科指導の実践的研究の成果を編まれ、上梓された。「大阪話し言葉研究会」に集まる教員の実践を中心に、具体的で実践的な内容にまとめられ、低学年・中学年・高学年の三分冊に編まれ、実践理論の構築を示されたことは、この上なく喜ばしいことである。

 私が、山本章氏と出会ったのは、大阪府教育センターで指導主事として活躍しているときである。府内の教員研修の企画・推進をはじめ、専門の国語科教育推進の中心的役割を果たしているときであった。講座の一つを受け持つことになって、氏の国語科教育に対するひたむきさと情熱を知るとともに、優れた執筆論文と出会い、多くのことを学ばさせていただいた。その後、縁あって、共に仕事をすることになったわけだが、きめの細かい研修企画、内容のユニークさは、本市の学校現場の活性化を生み、教職員の研修意欲はいちだんと向上したと思っている。リフレッシュ研修、マネージメント研修、スペシャリスト研修などライフステージに基づいた研修を生み出し、幅広い人脈をもとに多くの優れた講師を集め、研修に参加した教職員から好評を博してきた。

 特にきわだっていることは、氏自ら学校現場で授業を行い、実践を通して研修を行うということである。将に実践を通して言葉を生み出すという姿勢である。指導案を書き、教材をつくり、授業をするわけであるから当然説得 力を持つ。直接、教員から授業を見せてほしいという要望も強いと聞く。学校現場からの教育改革、それは授業改革から生み出されるものである。それを地でいっているといってよい。私は氏のこのような姿勢に教えられることの多い毎日である。

 本書は、学校における「ことばの教育」を音声言語活動の側面から見直そうというねらいのもとに編まれたものである、氏の指導実践、それに共感し、指導を求め、共に磨き合い、高め合いを続けた大阪府内の教員の実践が結実したものである。

 とりわけ、氏の主張である、「音声言語による表現活動は、人間教育そのものである」という考えには、大賛成である。かねてから、私は、子どもの言語活動は危機的状況にあると考えていた。学校現場の授業を見る機会が多くあった。教室の中の子どもの声はか細く、自分の思いや願い、物事を筋道立てて話す力はいちだんと弱くなったように思われる。相手の言うこと、あるいは第三者の言うことをきちんと聞いて、的確に理解すること、あいさつに始まり、自分の感想や疑問を伝えたり、意見を述べたりすること、それらを通して相手の気持ちや立場、問題の中心点などに留意しながら議論を続けるように指導することなどが今こそ大切な仕事であると思い続けてきた。こういう話す力、聞く力、話し合う力は、自己表現力といいかえることができるだろうが、この力は、学校内外で、全ての教育活動の中で丁寧に、しかも粘り強く育成することが肝要である。しかも、国語科教育の中で、この指導がより強化されるべきだと考えてきた。文字言語が指導の中心であったことや音声言語の力は自然に習得できるといった偏った考えがあったこと、教材化も含めて具体的な指導法にかかわるむずかしさなどで、今までの国語科教育では十全に成果をあげ得なかったきらいがあったようだ。そうだとすればその一つ一つを反省し、音声言語の側面を重視した「ことばの教育」を今一度見直し、子どもの実態に基づいた指導を丹念に行うべきだと考えている。

 本書は、その期待にこたえるものといえる。活動事例の一覧表をはじめ、指導法などがわかりやすく示され、すぐに各々の国語教室に生きるものである。そこには、子どもの実態をつぶさに見つめ、子どもの力を伸ばすための豊かで、確かな眼が随所に輝いているからである。本書が広く教員の手に行き渡り、熟読され、授業研究のために読み返されるならば、小学校の国語科授業が一層充実するにちがいない。

 山本章氏を中心とした「話し言葉研究会」のこれまでの研究のご苦労に心から敬意を表しつつ、ご推薦申し上げる。

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