- まえがき
- T 春休み中に準備しておきたい6ヶ条
- 教室そうじはぬかりなく
- 物を用意しよう
- 学年だよりの原稿づくり
- 児童名簿のポイント
- 誕生日タマゴをつくる
- 入学式前日準備のチェックポイント
- U 一学期
- ─おさえておきたいポイント
- 入学式にこれだけは
- 入学式翌日にしておくこと
- 文書管理・来年の準備もおこたりなく
- メモ術・いつでもどこでもこう使う
- 事故はリアリティーで備える
- 一週間の設計・「毎日少し」 の発想で
- 「季節の窓」を毎週貼りかえる
- 一筆箋で親向きに一言
- 読み聞かせはこんな形で
- さし絵一枚の授業
- ひらがな五〇音は五月末までに
- のばす音の指導はお話で
- 小さく書く字の指導ポイント
- 「は」「を」「へ」をくっつき虫で
- 間違いやすいかな表記はこうする
- 発問で発奮させる
- 数の理解はあわてないことがコツ
- 時計指導のステップ
- 生活科・やっぱりアサガオ
- 音楽・歌に飽きたら
- 図工はお母さんの顔で
- 体育・何でもOKの姿勢で
- 当番は細分化が原則
- 係活動の決め方
- プライドが高い一年生
- 居場所・子どもの 心の問題
- 集中させる工夫
- 机の中と整理
- 生活改善・気がつけばすぐに
- 遠足で工夫したいこと
- お母さん、一緒にいて
- 家庭訪問の気配り
- 居残り審査
- プール・ゴーグルのすすめ
- V 夏休み
- ─おさえておきたいポイント
- 自己啓発・自己充電のノウハウ
- 研修レポート・アドラー心理学との出会い
- 絵手紙・億劫がらないで
- W 二学期
- ─おさえておきたいポイント
- 転入生へのアプローチ法
- 目標を掲げることは
- 地震チェックリスト
- 漢字指導はおもしろく
- 「じっぽん」で大人も恥かくと
- 長さくらべで調べ出した!
- 計算指導はこうしよう
- 分作文をはじめる
- 詩集音読のすすめ
- 紙版画は楽しいヨ
- ドッジボールのボールをこれにしたら
- 家族クイズをしよう
- 子どもの自立度調べ
- お説教のし方は寅さんで
- 避難訓練はこうすれば成功
- 言葉づかいはここをチェック
- クラス活性化のコツ
- 精神衛生・心を軽くする私の対策
- 冬休み・これだけはしておこう
- X 三学期
- ─おさえておきたいポイント
- 冬休み報告をこうする
- なわとび上達の前提
- カルタのあれこれ
- 発表会の進め方を教える
- 画集・ひとりひとりにプレゼント
- 入学説明会を重視しよう
- 学習発表会で盛りあげる
- もうすぐ二年生をバネに
- Y コピーしてすぐ使えるファックス資料集
- 解説
- 「てつぼうのれんしゅうカード」
- 図工の名札
- 「たしざんのれんしゅう」
- 「ひきざんのれんしゅう」
- 「ひとりでできるかな調べ」
- 「なわとびれんしゅうカード」
- 俳句カルタ(読み札)
- 俳句カルタ(取り札)
- あとがき
まえがき
一年生といったら、やっぱり、かわいいってことですね。放課後にこんなことがありました。教室の後ろのドアが急に開いて、
「せんせい! 手をあげろ! バキュン バキュン バキューン」
おもちゃの銃を持った男の子と女の子の二人組が「乱入」してきたのです。
『うわぁ、ヤ・ラ・レ・タァ〜。でも、先生は平気。コラァ、まて〜っ』
教室の中で追いかけっこがはじまります。女の子がつかまりました。
『おい、銃をすてろ。でないと、この子の命はないぞ!』
バキュン バキュン バキューン。男の子は無視して撃ちまくっています。
いまどきの子どもにはめずらしい「鉄砲ごっこ」。童心にかえってふざけてしまいました。このとき一年生のあどけない笑顔といったら、もう、食べてしまいたいくらいです。仕事の疲れはどこかへいってしまいました。
一年生といったら、もう一つ、ハッとさせられることを言いますね。赤い羽根共同募金の話をしていたときのことです。募金は体の不自由なお年寄りにベッドを贈るのにも使われていると説明しましたら、
「どうして、子どもがそんな金、出さなくちゃいけないんだ」
と、叫んだ子がいたのです。
ホーッと、思いました。税金を納め、消費税を払い、その上、なおも子どもから募金を集める……。一年生が言うことにも一理あります。
一年生は世の中に染まっていないから、自然なコトバが出るのだなと思います。神様のようだと感じることがよくあります。
もちろん、一年生の気持ちが理解できなくてイヤになる日もあるのですが、それも含めて、一年生から教えてもらったことはいろいろあります。住井すゑさんは、「親は子供こそ尊敬しなくちゃいけない」「親が子供に恩があるんです」(『人間宣言』光文社)と言っていますが、教師も同じです。
一年生から教わってわかった「仕事術」をまとめたのがこの本です。一年生のおかげで書けた本です。
それから、教員生活を通じて、先生方や本から学んだこともたくさんあります。それをできるだけ書いてみました。これは、私の学習レポートでもあります。
何かのお役に立てばと思い、ファックス資料も八枚ほど収めてみました。ご利用いただけたら幸せです。
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この本は明治図書編集部の樋口雅子編集長の勧めによって誕生することができました。このような機会を与えていただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。どうもありがとうございました。
執筆中、友人の野田芳朗さんからいただいた数々のアドバイスには大助かりしました。この場を借りてお礼申し上げます。どうもありがとう。
なお、娘の奈美(中一)がイラストで協力してくれました。感謝。それから、三学期の章には前任校で一年生を担当したときの実践をもとに書いたところがありますのであらかじめお断りしておきます。
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- 明治図書