- まえがき
- T 盲学校編
- 《目の不自由な子どもたち》
- Q1 盲学校にある不思議なチョークってなに?
- Q2 真っ白の卓球台と真っ黒のピンポン球。本当なの?
- ★役立ち情報『盲学校ではこんなふうに卓球をしているよ!』
- Q3 学校の中を走り回っている子がいたよ。えっ?どうやって?
- Q4 教室に時計はあるの?
- Q5 洋服の前後ろはどうやって,見分けるの?
- Q6 卒業証書はステージの上まで,自分で受け取りにいくの?
- ★役立ち情報『点字ブロックの謎』
- Q7 点字の勉強って,いつからするの?
- Q8 校外学習での大事な勉強方法ってなに?
- Q9 歩くための練習って,どうするの?
- Q10 教科書の絵や図で勉強することはできるの?
- Q11 レストランでのお手伝いって,どうするの?
- Q12 目が見えなくても料理はできるの?
- Q13 運動場のトラックを走るときはどうするの?
- Q14 リンスとコンディショナー,見分ける印ってあるの?
- ★役立ち情報『えらかった花王さん!その1』 『えらかった花王さん!その2』
- Q15 初対面の盲学校の友達。まず,きみならどうする?
- Q16 お話の時,気をつけたいことって,どんなこと?
- ★役立ち情報『もう一つのオリンピック』
- U ろう学校編
- 《耳の不自由な子どもたち》
- Q17 ろう学校でも音楽の授業って,あるの?
- Q18 おしゃべりをやめさせるため,司会の子がしたことって?
- Q19 手話で話しかけてもその子はキョトン!どうしてなの?
- Q20 幼稚園生と高校生がどうして学校に一緒にいるの?
- Q21 手話じゃないとお話ができないって,本当?
- Q22 ゆっくり話せば,子どもたちはわかってくれる?
- Q23 その子の話がよく分からない。その時,きみはどうする?
- ★役立ち情報『風を身体で感じるのがすき!!』
- Q24 ろう学校で火事発生!子どもたちはうまく避難できるの?
- Q25 警察にFAXする時は,「110」番にかければいいの?
- ★役立ち情報『子どもたちと作った警察宛のFAX用紙』
- Q26 ろう学校の子どもが着てる不思議なべストってなに?
- ★役立ち情報『ちょっと勉強。補聴器のこと…』
- Q27 中庭の地面に隠された秘密兵器とは,いったい?
- Q28 教室で見たヘンテコなマーク。どんな意味があるの?
- Q29 教室の机は,どうして,まっすぐに並んでいないの?
- Q30友達が描いた3枚の絵。何を意味してるの?
- ★役立ち情報『長野オリンピックを支えた障害のある人たち』
- V 養護学校編
- 《知的障害のある子どもたち》
- Q31 ポケモン151種類。完璧に言える子っているの?
- Q32 朝,さっそく始める勉強ってなに?
- Q33 えっ!「遊び」が授業なの?
- Q34 作業学習で作ったことがないものは?
- Q35 テレビを見過ぎると,自閉症?
- Q36 4倍にのびたボール投げの記録。いったいどうやって?
- Q37 お手玉1個で「休め」の姿勢をマスター。どうやって?
- Q38 時間割の工夫って,いったいなに?
- Q39 見事な飯ごう炊さん。秘密の練習法とは?
- Q40 学校とは別のところに出かけてる子。何をしてるの?
- Q41 学校でいろんな品物が買えるって,本当なの?
- Q42 靴に描かれた不思議な絵。なんのため?
- ★役立ち情報『しゃべれない子どもたちと,どうやって話せばいいの?』
- Q43 どんな教科書を使って勉強しているの?
- 《体が不自由な子どもたち》
- Q44 運動会で,徒競走はあるの?
- Q45 体が不自由な子どもたちができるスポーツって,どんなの?
- Q46 体が不自由でもパソコンが使えるの?
- Q47 学校の出入口に必ずあるものってなに?
- Q48 学校の廊下。みんなの学校との違いって,ズバリなに?
- Q49 教室のドアに隠された3つのヒミツってなに?
- Q50 意外なところにトイレがあったよ。どこにあったの?
- Q51 はたして,プールはあるの?
- Q52 友達が履いていた不思議な靴。なんのため?
- Q53 友達がかぶっていた不思議な帽子。なんのため?
- Q54 これなあに?(クラッチ)
- Q55 これなあに?(ウエッジ)
- Q56 これなあに?(セラピーボール)
- Q57 天井からぶら下がったロープ。なんに使うの?
- Q58 曲がったスプーンを使ってるよ。どうして?
- ★役立ち情報『いろいろな食事風景』
- Q59 他の人には使えないその子だけの「椅子」ってなに?
- Q60 「お話」をするための秘密の道具ってなに?
- Q61 ここはなにをする部屋なの?
- Q62 車椅子の手伝い。忘れてはいけないことってなに?
- ★役立ち情報『車椅子を押すときのワンポイントアドバイス』
- Q63 エレベーターの中の鏡。どうして必要なの?
- Q64 車椅子ランナーVSオリンピック選手。どっちが速い?
- Q65 体の不自由な子も校外学習に出かけたりするの?
- Q66 学校に通えない子は,どうやって勉強してるの?
- 《病気で入院している子どもたち》
- Q67 病気で1年間入院。学校はどうするの?
- Q68 体育の前に,口をくっつける不思議な器械ってなに?
- Q69 教室には黒板がないって,本当?
- Q70 病院での朝は大忙し!なにをしているの?
- Q71 違う国語の教科書を使ってるよ。どうして?
- Q72 学校が終わったのに,体操服に着替えてなにするの?
- Q73 遠足の買い物。選ぶのに時間がかかる理由とは?
- Q74 ベッドから出られない子。学校の勉強はどうするの?
- Q75 午前の授業が終わると,子どもたちはどこに行くの?
- 《障害のある子どもたち》
- Q76 1クラスの人数って,だいたいどのくらい?
- Q77 養護学校だけの特別な勉強ってなに?
- ★役立ち情報『なぜ障害児になったの?そう子どもたちが尋ねる時』
- 〈子どもたちへ〉
- あとがき
はじめに
障害児教育に関することは,今までどうしても「重く」なりがちでした。
ですが,この教育には普通教育に負けないくらいに,楽しくて,不思議で,感動的な一面があるのです。
そんな「もう一つの学校」の姿を,是非,理解して欲しい。そんな思いからこの本を作りました。
この本には次のような特徴があります。
@どのぺージから読んでもOK!
A知っていそうで,でも案外知らなかったことが,90程度の小項目に分けて挙げられている。
B子ども向けのクイズ形式で記述してあるので,クラスですぐに使える。
C平易な文章とイラストや写真で,わかりやすく構成してある。
まずは,できるだけ堅苦しくならず,お説教的にならず,さらりと子どもたちに読んであげてください。
障害のある子どもたちへの理解が,子どもたちの心の中に,少しずつ少しずつ積み上げられていくのではないかと思います。そして,いつのまにか先生方自身も,特殊教育のことを以前より身近に感じられるようになるのではないかとも思っています。
また,この本は,交流教育やボランティア教育の導入時に大いに役立つと考えています。工夫しだいで,幾つもの素晴らしい授業が作れるのではないでしょうか。
(ただし,この本にあげている内容の一部は,特定の学校のものです。よって,各校の交流校の実情とは若干違う部分があるかもしれません。できれば,当該交流校に現状を確認されることをお勧めします。)
「障害のある子たちのことをクイズみたいにするな。不謹慎だ」
「厳密にいうと違うはずだ。簡単に書きすぎるな」
現場の先生方や研究者の方々から,こんなお叱りがあるかもしれません。ですがこの本は,あくまでも,障害のある子どもたちのことを,肯定的に受けとめてもらうことを前提として書かれていることを御理解ください。
小学校の子どもたちが,交流教育やボランティア教育に初めて参加する時,その胸に希望を抱かせるような内容。障害のある子どもたちと友達になろうという思いを高められるような内容を,楽しく,子どもたちに伝えることがこの本のテーマなのです。
障害児教育には,まだ解明されていない病理的な事柄がたくさんあります。人によって学説や仮説が違っているというやっかいな現状もあります。
さらに,子どもの実態にも個人差が大きく,全ての子どものことを簡単に言い表せないという難しさもあります。
同じ障害種別の学校でも,施設も違えば,指導法も違うということがあたりまえのことのようにあります。
これらの現状が,特殊教育を,「専門性」という城壁で覆い込み,普通教育の現場から遠ざけている原因の一つとなっているのかもしれません。
様々な問題を意識しながら,私たちはあえてこの本を作りました。
この本が,少しでも多くの方に役立てていただき,活用されることを願っています。
また,様々な方の御意見や御感想をお聞きし,私達自身も特殊教育に携わる実践者として,さらに精進していければと考えています。
82Pの会一同
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- 明治図書