- 刊行のことば
- まえがき
- T 体育・スポーツの基礎
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- エートス
- 学習する身体
- 仮説思考
- 課題(問題)設定能力と課題解決能力
- 技術と技能
- ギュムナスティケー
- 競争
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- 権力としての体育
- コーザリティ分析
- 最小有効多様性
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- 思考と情報のパラドックス
- 資質アプローチと行動アプローチと状況アプローチ
- 手段と優先順位
- 生涯スポーツ
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- 制度としての体育
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- 戦略的自立性と戦術的自立性
- 戦略媒介能力
- 総則第の体育
- 組織の共同体と機能体
- 組織の分化と統合
- ソリューション・システム
- 体育
- 体育とスポーツの区別
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- 体育の哲学的基礎
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- 必修クラブ活動
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- 保健体育科における新学力観
- マーケティングの4P
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- U 体育科教育における授業構成
- 意識焦点
- 運動課題
- 運動教材
- 運動的認識
- 運動のイメージとこつ
- 運動の特性(機能的・構造的)
- 運動の場
- 運動文化
- 学習カード・体育ノート
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- 学習指導要領と領域構成
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- 基礎・基本と技術の集約
- 基本の運動
- 教科内容
- 教科の目的・目標
- 教材
- 教材づくり
- 教材の構成形式
- 系統学習
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- 子どもたちの相互のかかわり合い
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- 自己評価・相互評価
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- 体育の授業研究
- 達成目標・到達目標
- 楽しい体育
- 単元
- 単元目標と本時目標
- 知覚−運動行動
- 問いかけと指示・集約
- ドル平泳法
- 能力別グループと課題別グループ
- 場の設定(場づくり)
- 評価活動の組織化
- 評価の視点
- ペア・三人組・きょうだい班
- またぎ跳びとはさみ跳び
- めあて学習
- 問題解決学習
- 様相発達(段階)と様相発達研究
- リードアップゲーム
- V 運動学習のバックグラウンド
- あがり
- イメージ
- 運動技能(運動スキル)
- 運動学習
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- 運動嫌い
- 運動集団
- 運動制御
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- 運動能力
- 運動発達
- 運動発達
- 運動プログラム
- 学習曲線
- 学習評価
- 学習理論
- 過剰学習
- 画像解析
- 課題分析
- 観察学習
- 競争・協同
- 筋線維特性
- 筋電図
- 訓練の転移
- ゲーム分析
- 結果の知識
- 高所トレーニング
- 示範
- 社会的促進(見物効果)
- 熟練行動
- 守・破・離
- 情報処理過程
- 身体重心
- 身体像(ボディイメージ)
- 遂行(パフォーマンス)
- スキルテスト
- スポーツテスト
- 速度の解析
- 態度形成
- チームワーク
- 力の解析
- 知識(宣言的・手続き的)
- 注意
- 動機づけ
- 認知スタイル
- 認知的方略
- 発育曲線
- 発達加速度現象
- パワーのトレーニング
- フィードバック
- 骨の発達
- 摩擦とスポーツ
- メンタル・トレーニングとメンタル・プラクティス
- 目標設定
- モデリング
- 流体とスポーツ
- 練習の方法
- W 健康学・体育学と指導内容
- ICE
- アネロビクス
- アラインメント
- インターバルトレーニング
- 運動強度
- 運動処方と体力テスト
- 運動性蛋白尿
- 運動性貧血
- 運動と月経(月経困難症)
- 運動負荷試験
- 運動不足病
- 運動誘発性喘息
- 運動療法
- エイズ
- エネルギー供給機構
- オーバーユース(使いすぎ)症候群
- 過換気症候群
- 活性酸素
- 拒食症,過食症
- 筋力トレーニング
- グリコーゲンローディング
- 血中乳酸濃度
- 公害
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- 行動体力と防衛体力
- コンパートメント症候群
- サーカディアンリズム
- サーキットトレーニング
- 最大酸素摂取量(V・02max)
- 持久性トレーニング
- 主観的運動強度
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- 心身症
- 身体組成
- 心肺蘇生法
- 心拍数
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- スポーツ医学
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- スポーツビジョン
- 生活習慣病
- 体温調節能力
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- タイプA/Bパターン
- 体力
- ドーピング
- トレーニングの原則と処方の条件
- 熱中症
- 燃え尽き症候群
- 発育期のトレーニング
- ハムストリング肉離れ
- 肥満
- フィンスイミング
- 平均寿命
- POMS
- 無酸素性作業閾値
- 運動成績
- メディカルチェック
- 薬物乱用
- エネルギー供給能力の発達・性差・民族差
- レペティショントレーニング
- X 運動学とスポーツ活動
- 運動学
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- スポーツ場面の技術解析
- 素潜りと減圧症
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- モティーフとフレーズ
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- リーダーシップ
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まえがき
戦後の体育科や保健体育科は,明治以降の体操を中心とした体術・体操科などに代わって誕生した新教科であり,約年の歴史を刻んできました。その新しさの一つは,スポーツを明確に教科の中に位置づけたことであります。しかしこれが,戦後の体育科教育の混迷の時代の始まりでもありました。
そのスポーツは,今日の日本に限らず,教育としても競技としても,また余暇活動や健康法の一つとしても,人々と様々なかかわりを形成するようになってきました。「スポーツ教育」という呼称も,スポーツとの多様なかかわりと,学問的整合性の中に位置づくものといえます。スポーツは,世界の共通文化であるという言い方もあります。オリンピックやサッカーのW杯は,世界の平和の祭典であるとか,意味内容は多様でありますが,「国際理解」や「国際交流」の花形的存在でありました。このような意味で,スポーツは国境や民族性の壁を簡単に通過してしまう力をもっているといえます。また,人々がスポーツをそのような性格をもった文化装置に変質させてきたともいえます。この変質は,また新たな問題を派生させています。政治やメディアとのかかわりもその一つであります。また,強烈に高度化したスポーツのレベルは,新たな選手育成システムの開発を求めているといえます。そして,筋肉増強剤をはじめとする薬物対策も,いたちごっこの観があります。
日本の教育の大改革を企図していた臨時教育審議会が,「生涯学習社会の構築」を今後の大きな方向性としてかかげた折りに,「生涯スポーツ」ということばも公的に位置づけられた経緯があります。それ以前に,「生涯体育」ということばを誕生させながら,今もってなお「体育かスポーツか」と根っこのところで,深刻な議論が繰り返される現実もあります。それだけ問題の根が深く,複雑に入り混んで,影響しあっていることの証左であるといえます。多様な立場や理論体系を背景にした主張が存在していて,時には激しく対立することもあります。対立することは,むしろ歓迎すべき状況といえますが,「ことば」の意味内容にかかわる問題が,これに輪をかけてしまう状況も観察されます。
本書は,上述のような概念体系の問題も含めながら,単なる辞書・事典ではない,しかし辞書・事典の如き使いやすさと,わかりやすさ・説得力を兼ね備えた解説書を目指しました。その編集の基本的方針は,
1) 保健体育科・スポーツ教育にかかわる重要語を,特定の立場に偏ることなく語として厳選すること。
2) 選択した用語を問題領域・研究領域とクロスさせた6章に配分し,その中でアイウエオ順に配列する。さらに,関連する用語欄をもうけ,それらをたどることで,読者のより深い理解が得やすいように配慮すること。
3) 1用語1ページで,ことばの成り立ちや定義とともに,内包される問題にもふれながら,場合によっては,執筆者が大胆な見解を説得的に展開する。
本書が,学校現場で活躍される体育教師や,様々な対象にかかわることの多いスポーツ指導者の方々のみならず,これから体育やスポーツ指導にかかわっていこうとする学生諸氏,さらには体育科教育学やスポーツ教育学の発展に努めておられる研究者にも,十分役にたつものとなることを,編集者・執筆者一同強く願っております。本書における,ことばの選択や編集作業が,難しい作業であることは,作業がすすむにつれて顕になってきました。執筆者一同渾身をしぼりまして本書の形で世に問うことになりました。それでも,不十分な記載などが目につくかも知れません。ご意見やご指摘がありましたら,編者の方にご一報くださいますようお願い申し上げます。
本書の執筆には,実に多くのこの領域で,ご活躍中の新進気鋭の方々の協力と参加を得ることができました。改めて深く感謝申し上げます。また,出版にあたっては明治図書出版株式会社の江部 満氏・樋口雅子氏の多大なご助力をあたっては明治図書出版株式会社の江部 満氏・樋口雅子氏の多大なご助力を頂きました。記して,深く感謝申し上げます。
そして,編集の作業に終始ご協力を頂き,知恵と人脈をご提供いただいた領域担当の広島大学の教官スタッフに加え,執筆陣各位にも厚く御礼申し上げます。そして,面倒な事務作業の多くを分担して頂いた広島大学教育学部の田村 進助手に心から感謝いたします。
編集世話人 /松岡 重信
現在入手不可能なので、ぜひ復刊を宜しくお願いします。