- 解説 /金谷 憲
- まえがき /太田 洋
- 第1章 生徒は会話を継続できる
- ─KCGの技法─ /太田 洋
- §1 会話を継続させる指導の着想
- 1 なぜ会話を継続する指導を始めたか?
- 2 指導内容全体の「会話を継続するための指導」の位置づけ
- 3 会話を継続させるための大切な6つの要素
- §2 中学1年生のKCG
- 1 Yes/Noの後に1文足そう-始めの一歩:Do you 〜?を使って(6月)
- 2 友達の発話から学ぶ(6月)
- 3 生徒が使いたい表現を教える-Speech bubbles(6月以降)
- 4 既習の疑問文を使って会話を続ける(2学期)
- 5 WHで質問する練習(1)-ALTにたずねる(2学期)
- 6 WHで質問する練習(2)-友達やALTに(3学期)
- 7 先生とSmall talk-Question to Mr.Ota(3学期)
- 8 昨日・先週の日曜日のことを話す-過去形を使って(3学期)
- §3 中学2年生のKCG
- 1 コメントを加えよう-be動詞過去形を使って(1学期)
- 2 そのとき何をしていたか-be動詞の進行形を使って(1学期)
- 3 Short speech-ゴールデンウイークにしたこと(1学期)
- 4 ペアー・ワーク+α-普段のペアー・ワークで(2学期)
- 5 Shoppingについてのおしゃべり(2学期)
- 6 How do you celebrate Christmas?-教科書の題材を生かして(11月)
- 7 冬休みはどう過ごした?(3学期)
- 8 音楽についてのおしゃべり(3学期)
- 9 Show &Tell+QA(2月)
- §4 中学3年生のKCG
- 1 Oral report-読んだ内容を友達に伝える(1学期)
- 2 ゴールデンウイークにしたこと(1学期)
- 3 自分が続けていること-現在完了形など(1学期)
- 4 教科書の内容を生かして話そう-Post-reading activity(1学期)
- 5 授業の始めのSmall talk-その時々で話せそうなこと(1学期)
- 6 What's new?-最近の話をしよう(2学期)
- §5 どのような力がついたか
- 1 答えるときに2文以上で答えるようになった
- 2 続けることで接続詞,代名詞を使うようになってきた
- 3 1つの話題で話すようになってきた
- 4 会話をすることに慣れてきた
- 第2章 応答力を鍛える
- /柳井 智彦
- §1 確かな手応え
- §2 英語の応答力を鍛える
- 1 WH疑問文から始める
- 2 「自学」のオリエンテーション
- 3 頻度を加える
- 4 程度を述べる
- 5 時を明らかにする
- 6 場所を明らかにする
- 7 応用編
- §3 自学の軌跡-自己修練装置としての自学
- 1 自学の質的変化
- 2 強制課題を課す
- §4 効果を検証する
- 1 「応答練習」の効果
- 2 自学の効果
- §5 実践的コミュニケーションとKCGメソッド
- 1 実践的コミュニケーション
- 2 教室実践と理論
- あとがき /柳井 智彦
まえがき
/太田 洋
この本は生徒に話す力,特に会話を継続できる力を育てるためにどのようなことを行ってきたのかが書かれたものです。第一章では中学生に対する私の実践が,第二章では大学生に対する柳井氏の実践が書かれています。
「質問と答えだけの短いやりとりに終わらない,継続した会話をさせられないかな。」と考え始めたのは,前任校からでした。いろいろ考え授業で行ってみました。いろいろな本も読みました。いろいろな先生方とも話しました。
そんなことがだんだん形になり始めました。「会話を継続する指導」をKeep the conversation going.(略してKCG)と名づけ,“Keep the conversation going!”と生徒たちを励ましてきました。
会話を継続する指導を行ったある日,学級日誌にその日の日直が次のように書きました。
「今日はいろいろな友達と話して,いろいろなことがわかった。」
読んでとってもうれしくなりました。KCGは教室をコミュニケーションの場所にすることができるのです。
私の話すことの目標は「中学を卒業するときには,ちょっとした話題ならば英語でなんとかおしゃべりできる。(=会話を継続できる。)」です。
この本がKCGができる生徒たちを育てるのに役立てばうれしく思います。
この本が形になるまではいろいろな方々のご指導,ご協力がありました。
まずこの本の出版を提案していただいた大分大学の柳井智彦氏,KCGの実践途中でいろいろご指導をいただいた東京学芸大学の金谷憲先生,日頃授業の悩みを聞いてもらいアドバイスをもらっている同僚の日薹滋之先生,小菅敦子先生,この本の出版を快く承諾していただいた明治図書の樋口雅子編集長,そしてKCGの実践を一緒に行った生徒のみなさん,ありがとうございました。
本書では、どのような指導を積んでいけば生徒が英語で会話を継続させることができるようになるかが具体的に示されている。