- まえがき
- T 英語授業を支える教育技術
- §1 基礎・基本を鍛える英語教育技術
- 1 ランキング音読 /大北 修一
- 2 教科書を友達の名前でいっぱいにしよう:対話文の音読のさせ方 /宮城 渉
- 3 みんなで写せば恐くない?!:教科書本文の視写活動 /大北 修一
- 4 5個言えたら立つ:不規則動詞の刺激的練習 /大北 修一
- 5 移動読みジャンケン /大北 修一
- 6 疑問だから疑問文 /築道 和明
- 7 授業開始のトリプルアクティビティ:挨拶・小テスト・音読 /瀧沢 広人
- 8 導入は未知と既知との組み合わせで! /瀧沢 広人
- 9 しおりでらくらくノートチェック /高場 政晃
- 10 困ったときはカードで指名 /高場 政晃
- §2 コミュニケーション活動を支える英語教育技術
- 1 エキサイト! 人称カード回し /大北修一
- 2 数字指導は2方カードで(その1:導入) /大北 修一
- 3 数字指導は2方カードで(その2:練習) /大北 修一
- 4 先生ネタBINGO /向井 洋
- 5 友達との時差は?:What time do you 〜? のインタビュー活動 /大北 修一
- 6 Whose is this? 持ち主を捜せ! /青野 厚子
- 7 料理の材料を集めよう!:What do you have〜? /阿部 泰三
- 8 Who痴 Who?:形容詞の比較・最上級 /平尾 文
- 9 時制はまかせなサイコロ! /菱木 由紀子
- 10 現在完了形(完了)をジェスチャーゲームで /…首藤 茂
- 11 Mind-Reader Bingo:ビンゴで感情表現 /築道 和明
- U 英語授業を豊かにする教育技術
- §1 メッセージ重視の英語授業を実現する教育技術
- 1 ナリキリ自己紹介 /向井 洋
- 2 アルバイトをGetしよう! /大谷 祐子
- 3 答えを予想した後にALTの自己紹介を /首藤 茂
- 4 ALTにインタビュー:Japanese promptを使って /平尾 文
- 5 名前にはどんな意味が?:ALTに漢字を説明しよう /…大谷 祐子
- 6 教科書ワンレッスンの締めくくり方法 /須田 智之
- §2 こだわりの教材・教具を活用する教育技術
- 1 ちょっとビックリ?! フラッシュ・ペーパー! /小川 乃正
- 2 スケッチブックでカラオケ気分 /小川 乃正
- 3 頻度メーター /西山 正一
- 4 数量メーター /西山 正一
- 5 わかりやすい本文プリント:英語語順で日本語を並べる /大北 修一
- 6 教室騒然ゴキブリゲーム:プリントの工夫 /立川 研一
- 7 キミも漢字博士 (単語ゲーム) /築道 和明
- 8 Q&A 逆転の発想 /西山 正一
- V 21世紀の英語教育技術を考える
- §1 英語の基礎・基本
- §2 実技教科としての英語科
- §3 説明から体験へ
- 3.1 英語科における「説明」を説明する
- 3.2 何のための説明?
- 3.3 どのように説明する?
- 3.4 どこで説明する?
- 3.5 説明,その前に
- あとがき
- 法則化中学英語からTOSS中学英語へ
まえがき
日常生活で出会う様々なトラブルの解消法や小さな発見を視聴者からのアイディアを基に構成したテレビ番組がある。視聴者からの様々な知恵や発見をスタジオで実験し,「なぜ?」を追求する番組である。
本書は,全国の英語教師による知恵や工夫を集めたものである。それらを実験するのは,他ならぬ読者の皆さんである。そして,実験が成功しても,あるいは失敗しても「なぜ?」を追求するのも読者の皆さんである。
Tでは,日々の英語授業を支える教育技術を扱う。まず§1では,英語の基礎・基本を鍛えるための10の教育技術を提案する。基礎・基本として,「音読」「語順」「質問と応答」の3つを中心にまとめてみた。
基礎・基本の鍛錬を維持し続けるには,学びのための心地よい雰囲気や姿勢を教室に醸成することが前提となる。クラス集団が学びへの意欲を持ち続けるための教師の働きかけについても提案した。
T§2は,「コミュニケーション活動を支える英語教育技術」を扱う。学校という場で,また,集団の中で学ぶ意味は何かと問われれば,その答えは,「関わり合うことのできる力」を育てるためであると編者は考える。英語によるコミュニケーションは,人として関わり合う力を育てるための一つの手段である。
続くUは,英語授業を豊かにする教育技術を集めたものである。
U§1では,「メッセージ」を中心に置いた英語授業を実現するための教育技術を提案している。
学習者に英語のコミュニケーション能力をつけるためには,(1)伝えたい,共有したいメッセージがあること,(2)伝えるための,共有するための技術があること,(3)伝えたい,共有したい仲間がいること,の3つが前提となる。本書で提案している6つの教育技術には,これら3つのいずれかの観点が含まれている。
U§2には,それぞれの執筆者の個性があふれ出ている。教材,教具にこだわりを持つ教師は,授業にもこだわりがある。プリント教材にしろ,視聴覚教具にしろ,準備するにはそれなりの時間と労力が必要であるが,本書の執筆陣は,いずれもが教材,教具を作るプロセス自体を楽しんでいる。
なお,T,Uのそれぞれのアイディアには紙数の許す限り「☆一言コメント☆」という形で編者の解説を入れている。
Vは,本書をまとめた編者の21世紀の英語教育に対するメッセージと受けとめていただければ幸いである。紙数の関係で十分な議論は尽くせなかったと心配するが,日々の授業を考える上で何らかのヒントになることを願っている。なお,「説明から体験へ」の文章は,『楽しい英語授業』Vol.20(明治図書)に掲載した拙文に一部手直ししたものである。
最後になったが,本書の出版を快く引き受けていただいた明治図書出版の江部満編集長に心より感謝申し上げたい。
2001年6月 /築道 和明
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- 明治図書