- 刊行のことば
- まえがき
- 第1章 指導手順のイメージをこう構想する
- 1.逆上がりの特性
- 2.逆上がりの上達の基礎・基本
- (1) 逆上がりの基礎感覚づくり
- (2) 逆上がりの基礎技能づくり
- (3) 低学年の基礎感覚・基礎技能づくり
- (4) 逆上がりの運動課題
- 3.逆上がりの上達の方法
- (1) 段階別台付き鉄棒逆上がり
- (2) 壁付き逆上がり
- (3) くるりんベルト逆上がり
- (4) 補助逆上がり
- 4.上達の評価をする
- (1) 学習カード
- (2) 教師の評価
- 第2章 子どもに到達目標をどう示すか
- 1.トライのイメージトレーニング法
- 2.学習カードの活用
- 第3章 指導の実際
- 1.事前調査と指導について
- 2.第1日目〜基礎技能から逆上がりへ〜
- 3.第2日目〜システムづくり〜
- 4.第3日目〜集中指導〜
- 5.第4日目〜3人目達成〜
- 6.第5日目〜新たな変化〜
- 7.第6日目〜劇的な変化〜
- 8.第7日目〜意外な達成者〜
- 9.第8日目〜逆戻り〜
- 10.第9日目〜2人同時達成〜
- 11.その後の練習
- 第4章 逆上がりのつまずきと指導のコツ
- 1.つまずき診断システム
- 2.つまずき別指導のポイント
- 3.小さな逆上がり
- 第5章 逆上がりの発展学習
- 1.後方への回転を軸に
- 2.後方支持回転
- 3.後方膝掛け回転
- 4.後方両膝回転(天国回り)
- 5.ひこうき跳び(足裏支持棒下振り出しおり)
- 第6章 逆上がり研究の今後
- 1.向山式の逆上がり指導法
- 2.逆上がり以前
- 3.背筋力と逆上がり
- 4.懸垂と逆上がり
- 5.倒立と逆上がり
- 6.マットの後転と逆上がり
- 7.逆上がりという技
- あとがき
- 解説 /根本 正雄
刊行のことば
学習指導要領が改訂され,基礎・基本の確実な定着が求められています。今回の学習指導要領では,指導内容の厳選と授業時数の削減がされています。体育も90時間になり,指導内容も減っています。
そういう中で,若い教師が悩んでいるのは体育の学習の基礎・基本は何なのか,それをどのように指導すればよいのかという問題です。
体育は教科書がありません。学校の実態に応じて指導するようになっています。各学校には年間指導計画が立てられていますが,単元名と教材名しか示されていない場合があります。経験のある教師なら指導できますが,若い教師には難しい場合があります。
本シリーズはそういう方々に,基礎・基本の内容と指導方法を示し,すぐ授業に役立つようになっています。指導内容は厳選し,一週間でマスターできる内容に絞ってあります。
1つの教材を細分化して,7時間でマスターできる指導内容と指導方法が紹介されています。体育指導のテキストになればと考えています。
「一週間でマスターできる体育教科書シリーズ」は次の内容になっています。
1 7時間分の標準作業スケジュールが示されている。
2 5分刻みでの指導内容が示されている。
3 発展学習と補充指導の内容が示されている。
4 到達度を自己評価できる学習カードが示されている。
これまでは運動の領域毎について紹介されてきました。本シリーズではさらに細かい教材に分けてあります。それぞれの種目毎に分かりやすく指導のコツが紹介されています。
各巻の構成はおおよそ次のようになっています。
第1章 指導手順のイメージをこう構想する
第2章 子どもに到達目標をどう示すか
第3章 指導の実際
※ 15分パーツの5分刻みの指導ポイントが示されています。「あのA子がこう取り組んだ…」というようなドラマが紹介されています。
第4章 ○○○のつまずきとその指導
第5章 ○○○の指導のコツ
第6章 ○○○の発展学習と補充指導
1.発展学習 2.補充指導
第7章 ○○○の学習カードと教師の評価
上達のステップ(習熟過程)に即した具体的な指導法が紹介されています。基礎・基本の内容を基礎感覚づくり,基礎技能づくりで示し,上達のステップが示されています。そのため,指導の見通しが持てるようになっています。
またつまずきの診断をすることができ,どの子どもにも身に付けさせたい基本内容が示されています。診断シートにより個々の子どもの実態に応じて,発展のミニ教材と補充の指導ポイントが付いています。診断シートによる発展教材と補充の指導ポイント付きが,本シリーズの特色です。
指導のコツはつまずきに対応して示してあります。場づくり,補助の仕方や練習方法が具体的にイラスト,写真,図等で示され,分かりやすくなっています。
指導の実際では,どの学年で指導したのかが示されています。また,追試ができるように発問・指示の形で示し,どのような効果があったのかを具体的な数値や子どもの意識の変容で紹介されています。そのため,基礎・基本の確実な定着が図れるようになっています。
本シリーズ刊行にあたり,樋口雅子氏にはきめ細かなご指導をいただき,大変お世話になりました。深く感謝し,厚くお礼を申し上げます。
2003年7月 /根本 正雄
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- 明治図書