- はじめに
- 第1章 「単語」をどう指導するか?!
- §1 単語指導は何をすればいいの? 〜発音と意味と綴りか〜
- §2 Flash Card を使って単語指導 〜フラッシュのさせ方〜
- §3 ピクチャーカードで本文を導入しながら単語を導入! 〜単語をばしばし黒板に貼っていく〜
- §4 必要な単語を指導してからリスニングへ 〜いろいろなパターンで〜
- §5 いきなり Flash Card で単語導入! 〜メインの活動を意識して〜
- §6 教科書の新出単語欄を使って 〜Look at the new words.〜
- §7 新出単語欄を利用した変化技 〜教師が英語,生徒が日本語〜
- §8 新出単語欄を見て,生徒だけで言わせる 〜ペンでリズムを取りながら〜
- §9 単語を書く練習 〜フラッシュカードでの読みの続きで〜
- §10 単語指導は何をすればいいの? 〜発音と意味と綴り〜
- §11 単語をどう記憶させ続けるか? 〜その1 英単語ビンゴで,単語に慣れさせる〜
- §12 単語をどう記憶させ続けるか? 〜その2 25題テストが4回で100題テスト〜
- 第2章 「音読」のアイデア
- §1 本文の音読練習20パターン 〜力を付けるには,たくさん活動させること〜
- §2 音読2度読み 〜谷口幸夫氏の追試〜
- §3 ペア音読に2度読みを行う 〜2度読みを,ペアで行わせる〜
- §4 教科書を伏せる! 〜内容理解につながる一部音読〜
- §5 個人音読させてみよう! 〜時には緊張場面を作って〜
- §6 指名無し音読で生徒の自主性を 〜教師の指名無しで生徒が立って音読する〜
- §7 1分間リーディング 〜評価を蓄積する〜
- §8 ペアで2分間リーディング 〜会話文ではペアで〜
- §9 向山洋一氏の「○10個読み」 〜音読活動の新システム〜
- §10 スラッシュ読み 〜区切っていいところで区切って読む〜
- §11 まとめ音読@ 〜教師が日本語を言って,生徒が英語を言う〜
- §12 まとめ音読A 〜英語から日本語へ〜
- §13 4行目まで覚えたら座りなさい 〜暗記させると声が大きくなる〜
- §14 暗記チェック後の作業が大事 〜空白の時間を作らない〜
- §15 音読ができない生徒への指導 〜教師の後に繰り返させる〜
- 第3章 「内容理解」をどう指導する
- §1 内容理解のプリント@ 〜日本語での質問に日本語で答えさせる〜
- §2 内容理解プリントA 〜英語での質問に英語で答えさせる〜
- §3 QA問題の答え方@ 〜答え方を教える〜
- §4 QA問題の答え方A 〜Yes/No Question の場合〜
- §5 QA問題の答え方B 〜主語が応えの場合〜
- §6 生徒に質問を作らせる 〜問題を作らせると内容が理解できる〜
- §7 英語版:1字読解法 〜プリントいらず,口頭で〜
- おわりに
はじめに
教師は,「教科書を」使って授業をしなくてはいけない。
それは,法律で定められているからである。
よく,「教科書で」ということを言われる先生もいるが,それはある程度の年数を,意図的に経験した上級者向けの言葉である。
まずは,教科書がしっかり教えられなければ,「教科書で」などということは,できない。
後者は,別の書で書き著すこととして,本書では前者の「教科書を」教える技術・ワザを多数紹介し,少しでも「教科書を使っての授業って,そんなに難しいことではないのだなあ…」と感じてもらえれば,幸いと思う。
さて私は,昔は「教科書を」教えることは難しいことだと思っていた。
しかし今は違う。
非常にシンプルに考えるようになったのである。
それは,
教科書学習は「単語と音読,それに内容理解」をやればよい
と考えるようになったからである。
きっと英語教育の大先輩からはおしかりを受けることと思う。
題材の指導はどうした?
Reading の力はどうつける?
しかし,敢えて私は言う。
教科書学習では,「単語と音読,それに内容理解」をやればよい。
私の英語の授業の50分は,およそ次の流れになっている。
1.あいさつ&QA(2分)
2.英会話(約15分)
・単語を増やす活動(5分)
・友達同士のQA活動(5分)
・教師への質問タイム(5分)
3.本時の授業(30分)
前半の約20分は,英語を話す活動に時間を当てている。
これは学習指導要領の「聞くこと話すことなどの実践的コミュニケーション能力の基礎を培う」時間として確保している。
もともと,私の目指す英語の授業は,「生徒が英語を話す授業」である。
だからそこに時間を費やす。
すると,他の活動をどうしても省かなくてはいけない。
そう考えたときに,教科書の学習をいかにシンプルにし…その上で,生徒にどんな力を付けているか考えた末,残ったのが,「単語と音読,そして内容理解」だったのである。
そう考えたら,今まで時間がかかっていた教科書学習がどんどん進むようになったのである。
今までは,
「ああ,のこり15分か…」
「今から教科書に入ったら途中で終わってしまうな…」
と思って教科書には入らず,次の時間まで延ばしていたが,今では,15分もあれば,単語をやって音読をやって,本文の内容理解までできてしまう。
つまりこのページで,単語と音読(および内容理解)をやればいいんだな…と思うと気が楽になったのである。
さて,「題材」指導は別の機会に提案することとして,本書では,教科書で教えなくてはいけない「単語」「音読」「内容理解」の3つに絞って,アイデアを紹介していきたいと思う。
/瀧沢 広人
とりわけ、「第2章「音読」のアイデア」では、だれにでもすぐにできるアイデアがあります。私も「ペアによるジャンケン読み」を試しましたが、明るい雰囲気で生徒たちが音読練習をしていました。
「指名なし音読」ができたときには、教師としてのステージがあがったような満足感を得ることができます。
ベテラン教師にとっても、授業が楽しみになる本です。
本を読むことが遅い私でも1時間ほどで読破できました。
ただ、内容理解に関しては、大まかな内容把握の方法は書かれてありましたが、細かな文章の理解までは記述されていなかったのが残念でした。しかし、評価は★★★★☆(5点のうち4点)です!