- はじめに
- T 豊かな歌唱表現へ
- [1] 心を開くたのしい授業〜からだでドレミ歌合戦(全学年)
- 教材
- 指導の実際
- 指導にあたって
- 発展的内容
- [2] ビートを感じて〜カッコよく歌おう(中〜高学年)
- 教材
- 指導の実際
- 1 8ビートを感じて歌おう
- 2 〈翼をください〉を歌おう
- 指導にあたって
- 発展的内容
- [3] 変声期の子どもたちに自信を〜パソコンで声域を知ろう(高学年)…22
- 教材
- 指導の実際
- 1 自分の歌いやすい音域と速さを探す
- 2 コンピュータで伴奏するために
- 発展的内容
- [4] 共通教材を歌う〜日本の歌〈冬げしき〉(高学年)
- 教材
- 準備・資料
- 指導の実際
- 1 第1時
- 2 第2時
- 3 第3時
- 指導にあたって
- 発展的内容
- [5] 共通教材を歌う〜日本の歌〈ふるさと〉(高学年)
- 教材
- 指導の実際
- 1 歌う雰囲気づくりのために
- 2 基礎・基本の学習のために
- 3 情景を思いうかべる
- 4 旋律を覚える
- 5 ハーモニーを感じて歌う
- 指導にあたって
- 発展的内容
- U 豊かな器楽表現へ
- [6] リコーダーと友だちに〜構え方から演奏まで(中学年)
- 教材
- 準備・資料
- 指導の実際
- 1 リコーダーとの出会い
- 2 タンギングのマスター
- 3 音色の統一
- 4 楽曲を使って
- 指導にあたって
- 発展的内容
- [7] 視奏力アップ〜リコーダーで曲当て(中学年)
- 教材
- 指導の実際
- 発展的内容
- [8] 「確かな」表現の工夫〜鑑賞から表現へ(高学年)
- 教材
- 指導の実際
- 1 第1時
- 2 第2時,第3時
- 3 第4時
- 4 第5時
- 指導にあたって
- 発展的内容
- V 動く・考える・表現する音楽づくり
- [9] 子どもたちがとびつく音楽づくり〜音まねことば(低学年)
- 教材
- 準備
- 指導の実際
- 指導にあたって
- 発展的内容
- [10] ことばでリズムづくり〜たんとたたのリズムであそぼう(低学年)
- 教材
- 準備・資料
- 指導の実際
- 1 リズムづくり
- 2 オリジナル〈手びょうしのはなたば〉
- 指導にあたって
- 発展的内容
- [11] グループによる創作活動〜海をテーマにした音楽をつくろう(高学年)
- 教材
- 準備
- 指導の実際
- 1 創作活動の流れ
- 2 楽器えらび
- 3 簡単なメロディづくり
- 4 構成を考える
- 5 演奏する
- 6 楽譜にする
- 指導にあたって
- 発展的内容
- W 聴き入り,考える鑑賞
- [12] 聴くポイントが見える〜楽器の音色を聴き取ろう(低学年)
- 教材
- 準備・資料
- 指導の実際
- 指導にあたって
- 発展的内容
- [13] 聴き比べる〜ようすにピッタリする演奏を見つけよう(高学年)
- 教材
- 準備
- 指導の実際
- 1 曲名を予想する
- 2 5つの演奏形態による演奏を聴く
- 3 ようすに一番ピッタリする楽器の演奏を選ぶ
- 4 選んだ理由を掲示する
- 5 意見交流をする
- 6 この事例について
- 指導にあたって
- 1 素材のおもしろさへの着目
- 2 比較聴取を仕組む
- 3 正解のない内容と魅力的な場づくり
- 発展的内容
- [14] 曲の仕組みが見える〜〈運命〉のおもしろさのヒミツを探ろう(高学年)
- 教材
- 準備・資料
- 指導の実際
- 1 〈道化師のギャロップ〉を
- 2 〈運命〉を
- 指導にあたって
- 発展的内容
- [15] ことばで語る〜ラジオ番組をつくろう(高学年)
- 教材
- 準備・資料
- 指導の実際
- 発展的内容
- X 音楽的知力をたかめる
- [16] リズムがわかる〜知的にリズムをとらえる(中〜高学年)
- 教材
- 指導の実際
- 1 教材の概要について
- 2 演奏方法について
- 3 授業の進め方について
- 発展的内容
- [17] 聴きたくなる鑑賞〜クイズで授業を盛り上げよう(高学年)
- 教材
- 指導の実際
- 1 作曲家の名前を当てよう
- 2 どれが正解? 正解選択クイズ
- 指導にあたって
- 発展的内容
- [18] 楽譜ってなに?〜いろいろな楽譜を知ろう(高学年)
- 教材
- 準備・資料
- 指導の実際
- 1 楽譜の理解
- 発展的内容
- 指導にあたって
- [19] 音符ドリル学習〜ドレミが見える(全学年)
- 教材
- 準備
- 指導の実際
- 1 モジュール学習って何?
- 2 できた!→達成感→自己肯定感へ
- 3 どうやったら何が見える?
- 4 活動の流れ
- 発展的内容
はじめに
本書で示した授業事例は,教師に「ピアノの演奏技術」を求めないものです。
「音楽の授業を担当するには,ピアノが弾けないと……」。この思いが,教師の苦手意識をつくり,音楽授業の担当から遠ざけていることは否めません。もちろん音楽は,表現活動を包含した教科ですので,教師は,そのための手段として,ギターでもドラムでも得意な楽器があればそれを用いればよいのです(これが重要です!)。しかし教科書や他の事例実践集を見ると,ピアノが弾けることを前提にしたものが多く,そのため「ピアノが弾けないと……」という思いに教師がおちいってしまうものです。
本書を出版した意図はもうひとつあります。
学習指導要領では,音楽科の目標として「表現及び鑑賞の活動を通して(略)」と記述されています。このことを否定するわけではありませんが,教育現場では,「活動を通して」ということが強調されてしまい,歌ったり演奏したりすれば,音楽の授業が成立しているという傾向がないわけではありません。「活動」=「演奏表現」と考えるのではなく,音楽という教科をもう少し広く解釈した活動があってもよいのではと考えます。
上記のような考え方から,本書では次の3点に重点をおいた事例を提示しています。
@ 音楽で知的好奇心を刺激する実践事例
A より深い表現活動や鑑賞活動にむすびつく実践事例
B 今次の学習指導要領に対応した実践事例
すなわち,本書でねらっているひとつは,「音を通して考える」ことです。歌うこと,演奏すること,創作すること,鑑賞することだけではなく,ここに示した事例によって「ああ,こういう音楽授業もあるのだ」という,教師の音楽授業に対する概念拡大につながってほしいと考えています。
ふたつは,本事例内容にとどまらず,発展的な学習につなげることです。
本書の特徴を述べます。1点は,教師の発問は四角内にすべて統一されています。授業の際は,四角内をそのまま読んで使ってもよいでしょう。「それでは授業の個性がなくなるのでは?」とお思いになるかもしれません。そんなことはありません。授業者である先生が異なれば,その「個体差」から,かならずその先生の個性が授業に反映されるものです。授業とはそんなものです。
2点は,138ページで示しているように,題材名・教材・分野・対象学年・内容を一覧にしています。さらに,それぞれの事例に対して,その発展と共通事項との関連を示しました。
なお,本文中の「発展的内容」において,編著者が加筆したものについては,(入山克巳・M田稔子)としてあります。
なお,もちろん本書は,ピアノ演奏に自信のある先生方にとっても,“授業のネタ”に困ったときに役立つものと信じますので,ピアノの得意な先生にも,ぜひ,活用していただければと願っています。
/入山 克巳 /M田 稔子 /田中 健次
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- 明治図書
- 音楽を知的にとらえるという考えに共感しています。一つ一つの事例がわかりやすく面白い!自分にもできると思いました。早く出会いたかった本でした!2010/4/19ジム
- 音楽を知的にとらえるという考え方に,とても共感しました。一つ一つの事例を読んでいると,自分でもねらいに沿った授業ができると思えてきました。早く出会いたかった本の一冊です。2010/4/19ジム