- 序
- はじめに
- T 作品化に向かう子供を理解する教師力を高めるトレーニング
- 【問題1】 表現(心を形に)したものから子供の心を推し量ることができますか
- ☆第5学年 「家族を描く──○○○している大好きな人──」
- ヒント/解答編/解説編/関連題材を取り組む/ギャラリー・その他の作品/ワンポイントアドバイス
- 【問題2】 表現(心を形に)するときの子供の迷いに共感することができますか
- ☆第6学年 「これがぼくわたしのまち 堀川展にむけて」
- ヒント/解答編/解説編/関連題材を取り組む/ギャラリー・その他の作品/ワンポイントアドバイス
- 【問題3】 表現したいこと(願い)を理解し適切に働きかけることができますか
- ☆第4学年 「10才(1/2成人)──1枚の絵── 」
- ヒント/解答編/解説編/関連題材を取り組む/ギャラリー・その他の作品/ワンポイントアドバイス
- 【問題4】 表現しようとする子供が必要とする技能を提供することができますか
- ☆第3学年 「物語の絵 象のエルマーより」
- ヒント/解答編/解説編/関連題材を取り組む/ギャラリー・その他の作品/ワンポイントアドバイス
- U 題材の中で育つ力を考える教師力を高めるトレーニング
- 【問題5】 子供の活動を事前に見通し適切な準備ができていますか
- ☆第5学年 「こんないたずら楽しいなあー本物みたいな にせ物づくりー」
- ヒント/解答編/解説編/関連題材を取り組む/ギャラリー・その他の作品/ワンポイントアドバイス
- 【問題6】 子供にどんな造形的な力がつくか想定し題材を設定することができますか
- ☆第2学年 「何にみえる?──色や形をいかして──」
- ヒント/解答編/解説編/関連題材を取り組む/ギャラリー・その他の作品/ワンポイントアドバイス
- 【問題7】 授業における教師の願いを具体的な方策として置き換えることができますか…57
- ☆第1学年 「ぼく,わたしは森の動物○○だ!!」
- ヒント/解答編/解説編/関連題材を取り組む/ギャラリー・その他の作品/ワンポイントアドバイス
- 【問題8】 作品構想を広げるための手だてを理解し適切な支援ができますか
- ☆第4学年 「教室から夢の世界へ こんな扉があったら」
- ヒント/解答編/解説編/関連題材を取り組む/ギャラリー・その他の作品/ワンポイントアドバイス
- V 題材を通して育つ総合力を見通す教師力を高めるトレーニング
- 【問題9】 造形の中にある総合的な育ちを見つけ育ちを確信し指導することができますか
- ☆第6学年 「アースワークに挑戦!」
- ヒント/解答編/解説編/関連題材を取り組む/ギャラリー・その他の作品/ワンポイントアドバイス
- 【問題10】 文化という大きな枠で美術をとらえ子供の学びを見守ることができますか
- ☆第4学年 「草木染め」
- ヒント/解答編/解説編/関連題材を取り組む/ギャラリー・その他の作品/ワンポイントアドバイス
- 【問題11】 総合的な学びの中に造形的な高まりを見る視点をもっていますか
- ☆第5学年 「私の家も小さな美術館」
- ☆第6学年 「6年のまちも小さな美術館」
- ヒント/解答編/解説編/関連題材を取り組む/ギャラリー・その他の作品/ワンポイントアドバイス
- W 造形教育への心構えなど基礎的な教師力を高めるトレーニング
- 【問題12】 何を大切に子供を育てているか教師が自身の姿を見つめていますか
- ☆第6学年 「はっ?あーっ!と宅配便」
- ヒント/解答編/解説編/関連題材を取り組む/ギャラリー・その他の作品/ワンポイントアドバイス
- 【問題13】 造形的な育ちを通して子供の生きる力を見つめることができますか…105
- ☆第4学年 「案内板」
- ヒント/解答編/解説編/関連題材を取り組むギャラリー・その他の作品/ワンポイントアドバイス
- 【問題14】 造形の中にある生きることそのものの価値を感じとることができますか…113
- ☆第2学年 「それゆけお絵描き隊 学校をキャンバスに」
- ヒント/解答編/解説編/関連題材を取り組む/ギャラリー・その他の作品/ワンポイントアドバイス
- 【問題15】 よりよいものをめざす未来に向かう造形の美しさを感じることができますか
- ☆第1学年 「石を並べてつくる絵」
- ヒント/解答編/解説編/関連題材を取り組む/ギャラリー・その他の作品/ワンポイントアドバイス
序
絵の理解は難しいとよく言われる。一般論として子供の思いや願いに満ちあふれた絵がいい絵と言うことはできるが,具体的にどのような絵がいい絵なのかということについて明確に答えることは難しい。また,その支援や評価となるとさらに難度を増す。本書『教師力アップ!図画工作科トレーニングテキスト』は,それらの疑問に真正面から答える数少ない,現場教員による現場教員のためのガイドブックとして広く学級担任の先生方に推薦できるものである。
著者の船木氏は,富山県堀川小学校で図画工作科教師として長らく子供の表現指導に携わってきた指導者としての,また,毎年自ら筆を取り表現活動を積み重ねる制作者としての2つの顔を持つ。船木氏のそれらの活動に毎年のように接し感じることは,自らの制作経験をベースに子供の思いを丁寧に受け止め,造形表現について解明しようとする飽くなき追究者としての真摯な姿勢である。
本書は,船木氏の長年にわたる指導事例から,現場の教師が陥りやすい造形表現上の問題点をトピックスとして取り上げ,クイズ形式によって観点を明確化し,解決に至ろうとするものである。どれもが興味深いテーマで構成されており,子供に即し,子供の表現をどのように理解し,支援・評価していけばよいか示唆に富んでいる。読めば読むほど味の出るスルメのような本である。読者はあたかも著者と子供たちによる授業を目の当たりにしているように読みすすめることができるだろう。
幸いにも本書は,明治図書のベストセラーシリーズ,「学級担任に贈るニュー教材集」に加えられることとなった。これでさらに多くの方々の目にふれる機会が増すことだろう。この良心的なガイドをもとに,子供の表現について少しでも多くの理解者が増えることを期待したい。
2008年2月 監修者 /竹井 史
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- 明治図書