- まえがき
- 指導事典の使い方
- T 組体操とは
- @組体操の歴史 /末光 秀昭
- Aなぜ組体操に取り組むのか,ねらいをはっきりさせ,子どもに趣意説明をすることが大事である /森下 人志
- B組体操における3つの価値 /冨樫 忠浩
- C組体操の仕組み /篠崎 弘敬
- U 組体操の構想
- @1人を,グループを,全体を魅せる技の選択 /佐藤 真健
- A組体操こうして作る /沖平 和生
- B構成上の工夫 /永野 拓
- C隊形の工夫をすることで壮大な演技にすることができる /小河 直之
- D指導上のポイント /吉田 圭太郎
- E体育館で指導し,通し練習ができたら,運動場へ! /佐藤 貴子
- V 組体操と表現運動を組み合わせた実践例
- 1 事前打ち合わせ
- @担任団全員が組体操の全体像を理解できるように事前打ち合わせをする /越智 敏洋
- A仕事分担を明確にし,組体操を作り上げる /越智 敏洋
- B考え方や細部の準備まで打ち合わせ,指導者が一丸となって指導する /越智 敏洋
- C全10時間程度を目安に指導計画を立てると雨天時の対応などが容易になる /越智 敏洋
- 2 実際の指導
- @指導者全員が授業内容を理解するためにメモ書きを作成する /越智 敏洋
- Aほめながらスモールステップで教えることでグングン上達する /越智 敏洋
- B〈第1時〉簡単な技の中で,組体操の基礎基本を習得させる /越智 敏洋
- C〈第2時〉教師主導でペアを決め,全員を2人技成功へと導く指導をする /越智 敏洋
- D〈第2時〉サボテンのポイントは重心移動,それができるようステップを確認していく /越智 敏洋
- E〈第2時〉動きを合わせたり,力を調整したりすることで,3人技を練習する /越智 敏洋
- コラム1 組体操の潤滑油 /根本 正雄
- F〈第2時〉難度の高い技は,可能な限り細分化して少しずつ教えて完成に近づける /越智 敏洋
- G〈第3・5・6時〉早めに指導することでゆとりを作るクライマックス指導 /越智 敏洋
- H〈第3・5・6時〉名脇役を育てるクライマックス指導 /越智 敏洋
- I〈第4時〉表現運動の「なめらかな動き」を組体操で表現する /越智 敏洋
- コラム2 視線の固定化 /根本 正雄
- J〈第4時〉全体をそろえにくいウェーブは,細分化&繰り返しで指導する /越智 敏洋
- K〈第7〜11時〉先輩たちから受け継ぐ伝統「汚れだらけのかっこよさ」が組体操の醍醐味 /越智 敏洋
- コラム3 体操学習の進め方 /根本 正雄
- L通し練習,最終練習 /越智 敏洋
- 3 配置図
- @初任者先生向け! 重要だが簡単な配置図作成! /越智 敏洋
- A書き込みをすることによって配置図をどんどん使いやすくする /越智 敏洋
- B変則的な隊列になる場合は,目印になるものを配置図に加える /越智 敏洋
- Cすべての子どもが活躍できるようにクライマックスと退場を工夫する /越智 敏洋
- 4 その他の資料
- @正しい情報源から,タイトルと主題を考えていく /越智 敏洋
- A保護者の立場になって分かりやすい資料を作成する /越智 敏洋
- W 集団技を中心にした組体操の実践例
- 1 事前指導
- @組体操を安全に指導していく布石 「趣意説明」と「確認」の原則でシステム化する /東郷 晃
- A組体操を指導する前に知っておきたい,珠玉のコツ8 /東郷 晃
- 2 実際の指導
- @〈第1時〉授業のシステムを作ったら,すぐ3人技から指導して,一気に動きの本質をつかませる /東郷 晃
- A〈第2時〉1人技は最短の動きで 覚えるまで,線の指導を行っていく /東郷 晃
- B〈第3・4時〉2人技サボテンの指導ができるかどうか,教師の力量が問われている /東郷 晃
- C〈第5時〉すぐできる5人技で,大技の楽しさをいっぱいに感じさせる /東郷 晃
- D〈第6時〉4人がタイミングよく動くことで,安定した4人技ができる /東郷 晃
- E〈第7時〉3人技の応用で,6人ピラミッドをすぐに完成させる /東郷 晃
- F〈第7時〉ノーミス練習で,子どもが自信を持って本番にのぞめるようになる /東郷 晃
- G〈第8時〉16人タワーで,迫力あるタワーが安全にたてられる /東郷 晃
- H〈第9時〉運動会本番に差が出る指導 運動場練習は,移動のポイントをおさえる /東郷 晃
- I〈第10時〉28人タワーとウェーブで,組体操のクライマックスを作る /東郷 晃
- J〈第11・12時〉それぞれの技に適した演技場所を設定し,運動会直前の練習を通していく /東郷 晃
- 3 組体通信
- @教師向け組体通信で,イメージを共有して授業に入る /東郷 晃
- A子ども向け組体通信で,授業のポイントを定着させる /東郷 晃
- B学年通信で,子どものがんばっている姿を保護者に伝える /東郷 晃
- X 組体操の作品例
- @2人組「丸木橋→倒立→肩車→帆かけ船(サボテン)」 /上川 晃
- A3人組「簡単で美しい技〜単純な動きや組み合わせを大事にする〜」 /神山 仁
- B4人組「隙間をうめる4人組の作品」 /表 克昌
- C5人組「5人技バリエーション!!」 /植村 朋子
- D6人組「6人技・家と橋」 /岩田 史朗
- E7人組「3人組と2人組を組み合わせて見栄えの良い技を」 /高橋 恒久
- F8人組「ダイナミックで美しい8人技をつくろう」 /平山 勇輔
- G10人組「10人ピラミッド」 /橋 賢治
- H大勢「55人ピラミッド」 /横田 純一
- Y 器具・用具を使った組体操
- @布を使った組体操 /芹沢 晴信
- Aシンプルだけどダイナミックでかっこいい!! リボンを使った演技 /小井戸 政宏
- B組体操に変化をつけるGボール /太田 健二
- あとがき
まえがき
TOSS体育授業研究会代表 /根本 正雄
組体操は運動会の花形である。どの学校のプログラムにも定番種目として、長年位置づけられてきた。
なぜ、組体操はそれほど人気があるのであろうか。
第一には、観客が見て楽しいからである。運動場一杯に広がり、一斉に繰り広げられる演技は観客の心を捉える。
個人演技ではなく、集団演技の迫力があるからである。しかも、演技はうまく成功するかやってみないと分からないという未確定の要素がある。
ハラハラ、ドキドキしながら不安と緊張の中で、子どもの成長を確認することができる。
そして、成功した時の感動を共有し、演技者と一体感を味わうことができるのである。
第二には、演技する子どもの達成感が大きいことである。組体操は、個人種目や団体種目のように短時間ではできない。
少なくても1週間は練習が必要である。すぐには完成しない。何度も何度も失敗し、練習する中で少しずつ作られていく。
友だちとの協力も必要である。背中は痛み、腕もちぎれそうになる。
そういう苦労の中で、観客の前で成功した時の喜びは大きなものがある。
演技するもの、見る観客の心が1つになって、運動会の感動として組体操は存在しているのである。
第三には集団行動のよさである。きびきびとした規律ある行動は、見る者の心を打つ。集団としての運動の中に失われつつある統制された動きがある。
体育の時間でも集団行動は失われつつある。気をつけ、前へならえなどの号令によって、一斉に動く機会がない。
組体操は集団行動を身につけるよい場なのである。
しかし、組体操は誰もが指導できるかと言うと難しい。
指導の経験が必要である。経験がなく、機械的に行うと大きな怪我や事故につながる場合がある。
何度か補助的な立場で指導に携わり、それから中心的な指導者になることが望ましいのである。
技の組み立て、技のコツを習得できるからである。組体操指導の裏技を学べる。
指導の経験がない場合には、どのようにしたらよいのであろうか。
そういう方々に役立つ指導資料として、本書が企画された。
組体操の指導経験のない教師でも、本書を読めば指導できる内容が紹介されている。
どんな組体操の種類があるのか。どんな指導法があるのか。どのように評価をしていけばよいのかなどが、具体的に示されている。
越智敏洋氏と東郷晃氏の実践が紹介されている。これは運動会までの流れに沿って、全時間の指導が記録されている。
全時間の追試ができる構成がなされている。初めて指導される方は参考にしてほしい。自校の内容と組み合わせていくのもよい。本書を活用されて、新たな内容を作り上げていくのもよい。
実態に応じて活用を図ってほしい。
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- 明治図書
- 安全に組体操をするやり方が分かる本です。子どもたちが協力して一つのことを成し遂げる経験をさせるのに,組体操は最適です。運動会の花形だった組体操を復活させたいと思う方は必読です。2017/3/540代・小学校教諭