- 刊行にあたって
- T 立体造形をする
- 1 再現 思い出の場面
- 2 未来の化石づくり
- 3 新種発見
- 4 音を聴いている耳をつくろう
- 5 運動クラブでGO!
- 6 紙粘土でつくるおいしい野菜
- 7 夢見る○○
- 8 ワイヤーアート ―思いを針金で
- 9 針金による昆虫採集
- 10 アルミでつくろう
- 11 不気味な手―お化け屋敷の小道具
- 12 お祭りのメイクアップ
- 13 メッセージのある形 ―アクリルを使って
- 14 ハンドスカルプチャー
- 15 「ふわふわ」「もこもこ」した形を彫り出そう ――バルサを使って
- 16 心のランドスケープクリエイト ――覗いてみよう心の中のミニ風景
- 17 わたしにまつわるエトセトラ
- 18 わたしの神殿
- 19 わたしが物が変形・変態・合体
- 20 わたしの前世は?
- 21 ヒモ・板からイメージを広げて
- 22 自然の音を紙で
- 23 ダンダンレリーフ
- 24 動きのあるモビールをつくろう
- 25 カラフルネット
- 26 Box Art ―自分の世界
- 27 マインド・ボックス
- 28 時の扉を開く思い出の箱づくり
- U デザインする
- 1 わたしの椅子をつくろう
- 2 卒業記念制作(共同制作) タイムカプセル「夢メッセージ」
- 3 オブジェ年賀状 ―不用品を再利用して立体的な年賀状をつくろう!
- 4 紙でつくろう 蛇腹折りの魅力
- 5 立方体のデザイン
- 6 おもしろい箱
- 7 わくわくシアター
- 8 本のつくり方T
- 9 本のつくり方U
- 10 元気の出る旗づくり
- 11 パロディ風味のスウィートボックス ――おかしなおかしなお菓子箱
- 12 元気が出るたまご
- 13 オリジナルたまごのデザイン
- 14 ステンドセロファン
- 15 わたしも小さなファッションデザイナー ―ちょっとおしゃれに目覚めたら
- V 工 芸
- 1 スリットドラム ―丸太が奏でる自然の響き,太古の響きに耳をすましてみよう!
- 2 Myスティック
- 3 角棒でやじろべえ
- 4 さまざまな材料でつくるやじろべえ
- 5 鉛筆をつくろう
- 6 自然のものでつくろう ――メモホルダー,飾り押しピン
- 7 自然木でつくる
- 8 石の文鎮
- 9 色水をつくって,つないで! ――ペーパーウェイト
- 10 鋳造による印づくり
- 11 ガムで消しゴムをつくろう
- 12 わたしの入れ物(動物の焼き物)
- 13 わたしのオリジナルな花瓶づくり
- 14 寄木でつくるペーパーウェイト
- 15 使い心地を確かめながら ――木の靴べら
- 16 木の性質・用い方
- 17 板でつくる木工芸
- 18 木工芸プラン例
- 19 工芸品にチャレンジしよう
- 20 金属を楽しもう ――時計
- 21 何でも文字盤時計
- 22 明かりを演出しよう ――照明器具
- W 映像メディア
- 1 4コマ写真物語
- 2 ドリームポートレート
- 3 トリックアートを仕掛けよう
- 4 CGによる「心の風景」
- 5 2人でコラボレーション
- 6 隠れた画像を見つけよう
- X 鑑 賞
- 1 ラファエロ「アテネの学堂」の鑑賞
- 2 ムンク「叫び」の鑑賞
- 3 東洲斎写楽「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」の鑑賞
- 4 靉光「自画像」の鑑賞
- 5 「石山寺縁起絵巻」を読もう
- 6 わたしの鑑賞新聞
- 7 「モナ・リザ」の謎
- 8 【鑑賞カード】表現する作者の思いや願いに迫ろうT
- 9 【鑑賞カード】表現する作者の思いや願いに迫ろうU
- Y 立体造形の指導にあたって
刊行にあたって
「ワークショップ」(WORKSHOP)の語源は,「仕事場」「工房」を意味する英語で,一般的には「参加者が主体的に相互に刺激し合い,語り合ったり,体験的に学び合う創造的なグループ学習やイベント」を意味しています。
この『中学校美術科ワークショップ』は,今までの授業のように,同一題材・同一材料で全員同じものをつくる授業形態ではなく,生徒が自分がやりたいものを選択して制作できる,生徒の主体性と個別性を大切にした創造的な授業づくりの教材集です。
『中学校美術科ワークショップ』の教材は,たとえば「いろいろなイメージ表現」というようなテーマや課題に共通性のある数種類の教材のワークシートを生徒に配布し,そのシートを見ながら生徒が制作したいものを選択して,楽しく意欲的に制作します。自分が選択しなかった分も,他の生徒がつくるのを見て間接的に体験できます。
多くの中学校では,独自の教材資料プリントを作成し,生徒に配布してそれをもとに授業をすすめています。この本の「ワークシート」も学習への意欲,発想・思考や表現の順序性・発展性を考え,より豊かな表現や学習をねらっています。
ワークシートはこの本をそのままコピーするのではなく,これをヒントに,生徒の実態,ねらい,テーマ,能力,材料,人数や時間を考慮に入れて,授業者が作成してほしいのです。この本では誌面の関係で最小限にしていますが,つくり方,かき方だけではなく,参考資料,作品例,イラストや「注意」「ヒント」「工夫しよう」といった言葉を入れて,楽しんで取り組めるようにしてほしいのです。ワークシートには番号をつけて,その順に作業や制作をすすめる方法もあります。基本的には,簡単な説明の後,そのワークシートと材料・用具で,生徒が自分で作成し,教師はそれを援助します。いろいろなワークシートを日頃から用意しておけば,授業やイベントや野外活動だけでなく,早く終わった生徒に渡したり,自習時間や空き時間,クラブ活動,実技試験の問題の一部にも使えそうです。
「3 イメージと発想の展開編」は,美術科の解説書や入門書ではなく,これからの美術科の授業づくりのイメージというか,方向性を見つめた発展的な内容にしています。
21世紀のこれからの教育は,新学習指導要領でもいわれているように,生徒の主体性,個別性,それに選択肢のある創造的で楽しい授業が求められています。そうした活動から創造性や工夫する力などの造形する力が育ちます。この本が,新しい授業づくり,教材開発,そしてあなた自身の手づくりの授業の手がかりになることを期待しています。
この本の出版にあたり,趣旨に賛同して協力していただいた執筆者や編者の皆さん,明治図書の皆さんに厚くお礼申し上げます。
平成14年5月 監修者
-
- 明治図書