- はじめに
- 第1部 こんな造形教室もある!
- ─様々な取り組みスタイル
- 1 作品展・教室展をしよう 〜子どもたちに発表の場を〜
- 2 アトリエ展の開催 〜歴史を重ねよう! はじめの一歩〜
- 3 認められる場としての作品展 〜自信とやる気につながる展示〜
- 4 喫茶店の展覧会 〜一人ひとりが画伯になる日〜
- 5 海外交流をして考えること 〜フランスの子どもたちとの交流〜
- 6 ホームページの効果 〜教室のお知らせ,作品がいつでも見れる〜
- 7 地域社会教育施設・公民館での活動 〜公民館は出会いの場〜
- 8 ギャラリーでワークショップ
- 9 造形キャンプを取り入れて 〜夏の楽しい思い出づくり〜
- 10 学校との連携・画塾との違い・戸惑い 〜公立中学校 選択授業に就いて〜
- 11 創作時間の保護者参観 〜保護者の理解を求めて〜
- 12 社会に目を向けて 〜防災ポスターや励ましの絵手紙〜
- 13 親子造形ワークショップ 〜共に作る体験を通した子育て支援活動〜
- 14 地域コミュニティ活動の実践 〜キッズゲルニカ・プロジェクト〜
- 15 アートフリーマーケット
- 16 スケッチに出かけよう! 〜目も心も本物に出会おう〜
- 17 アトリエは隠れ家 〜子どもの居場所としての教室〜
- 18 自由なアトリエの環境 〜コーナー空間づくり〜
- 19 絵画教室は実験室 〜納得いくまで追求できる環境〜
- 20 異年齢のよさを生かして 〜もう一つのファミリー〜
- 21 二者択一の経験を通して 〜二種類の課題を自己選択する楽しさ〜
- 22 子どもの関心を大切にするために
- 23 様々なハードルを乗り越えて@ 〜絵画遼育クラス(発達障害)の皆さんと絵画教室〜
- 24 様々なハードルを乗り越えてA 〜高齢者・認知症の方と絵画教室〜
- 25 描画を通して心が開かれる教室 〜一人ひとりを大切に〜
- 第2部 個性をひき出すアート教材集
- 平面・絵画編
- 1 思い出を絵にしよう
- 2 心の中は
- 3 窓からこんにちは
- 4 背景が動く!絵
- 5 月へ行こう!
- 6 闇夜に光を!
- 7 お話の絵〜パルミーラ スキーに行く
- 8 わくわく○○工場
- 9 切り口を描こう
- 10 ひんやり冷たい海の中
- 11 のっぽのタケノコ
- 12 TVゲームに負けないぞ! ゲーム大作戦
- 13 宝探しの旅
- 14 さかなの絵
- 15 にじみで描く絵巻物
- 16 にじいろの町へレッツゴー
- 17 自分絵本
- 18 2本の木の間
- 19 あれ? 筆は使わないの?
- 20 マスキングテープでクモの巣作り
- 21 模写からはじめて
- 22 葉っぱの版画
- 23 変身スクリーン
- 24 アイスクリームやさん
- 25 墨と和紙のにじみ
- 26 スクラッチバージョン・版画調
- 27 てんてんおえかき
- 28 あたらしい足音
- 立体・工作編
- 1 ビッグこま
- 2 自分のパスを作ろう
- 3 しゃらしゃら涼しいレインスティック
- 4 陶芸大好き!!
- 5 思い出茶わん
- 6 ポップな野菜たち
- 7 夢見るキャンドルガード
- 8 オシャレなメガネのお面
- 9 変わり織り紙
- 10 夢のつまった箱!
- 11 インディアンのドリームキャッチャー
- 12 どんぐりランド
- 13 ふうせんワールド
- 14 まいまい迷路
- 15 新聞紙タワー
- 16 コラージュもよう紙を作ろう
- 17 親子で作れるクリスマス飾り
- 18 小石に絵を描こう
- 19 ゆらゆらおきあがり人形
- 20 オリジナルワッペン
- 21 だいすきなお弁当
- 22 気になる木
- 23 こんなお家どう?
- 執筆者プロフィール/教室で大切にしていること
はじめに
この本は,主に幼児〜小学生を対象とした地域の造形・絵画教室の指導者が,日ごろの実践や教材を紹介して,お互いの教育内容をより深めたり,子どもや美術教育について考えるきっかけにしていこうという観点から,生まれました。
またこの本は,学校・教育関係者や,これからアート教室を始めようと考えている方にとっても参考になるように編集しました。それは,子どもたちの様々な体験型活動(学習)が注目されている現在,地域の中で美術を通して子どもの創造性や感性を育てている造形・絵画教室の活動実践も,大きな意味をもつのではないかと考えているからです。
「絵画教室」とひとことで言っても,現代では実に様々な立場の方がいろいろな方法で教室を運営されています。例えば,芸術作家活動をしながら子どもたちにアート教室を開いている方,元幼稚園や学校の先生,心理学的な観点からアートセラピーの要素を取り入れた教室を開いている方,現代の子どもたちに欠けている,あそび・創造体験を補償していこうとする立場の方,子どもの創造的な居場所を真剣に考えている方,子育て支援活動をアートを通して行っている方などです。まさに,十人十色,それぞれの教室が,それぞれのカラーで存在しています。ただ,すべての教室に共通することは,子どもたちが描く・作る喜びを感じ,アート活動を楽しめるように,研究・配慮がなされていることでしょう。また指導者は子どもとの信頼関係やコミュニケーションを大切にしながら子どもの成長を見守っているといえます。
そうした様々な教室の取り組みや指導者の思いなどを紹介したいと思い,多くの教室のご協力を得ながら,今回一冊の本にまとめることが実現しました。現在,子どもを取り巻く社会・教育環境は必ずしもよい方向にあるとは言えませんが,少しでも子どもがアートを通して「自分らしい」時間を生きることができるよう,様々な立場の大人が手助けしていきたいものです。本書が,そうした活動への参考になることを願ってやみません。
2007年3月 編著者 /栗山 誠
-
- 明治図書