- ◎ はじめに
- ◎ 本書の活用の仕方
- 第1章 図画工作+αの考え方
- [1] 「図画工作+α」とは?
- [2] 「図画工作+α」の根拠
- [3] 「図画工作+α」の授業をつくる
- [4] おわりに―芸術教育の明日へ
- 第2章 図画工作+αの実際
- [1 図画工作+国語]
- イソギンチャクのおしゃべり 【低〜中学年/3時間】
- 絵で話そう 【高学年〜中学校/2時間】
- 絵文字で話そう―ピクトグラムと漢字の成り立ちをまなぶ 【高学年/2時間】
- [2 図画工作+算数]
- 古代エジプト数字の謎をとけ(象形文字) 【中学年〜/2時間】
- 重さにまけるな紙の机(図形の展開図と重さ) 【中学年〜/1時間】
- 暗号を読み取り,宝をさがせ(オリジナル追跡記号づくり) 【低学年〜/2時間】
- 巨大○○星人の影を捕まえろ(等しい比の利用) 【高学年/1時間】
- [3 図画工作+社会]
- 江戸時代の「顔」 【6学年/4時間】
- 歴史人物カルタ 【6学年/8時間】
- 社会科新聞社報道部 【中〜高学年/4時間】
- [4 図画工作+理科]
- オノマトペァなやじろべえ 【高学年/2時間】
- ダーウィンの足あと 【高学年/2時間】
- 雪の結晶 【低〜高学年/1時間】
- 美しいみんなの地球 【4〜5学年/4時間】
- [5 図画工作+生活]
- ミュージカル「タンポポのちえ」 【低学年/6〜8時間】
- みつけた みつけた 花の色 【低学年/1〜2時間】
- みんなで 生きものえほんを つくろう 【低学年/4時間】
- [6 図画工作+音楽]
- 顔文字で気持ちをあらわそう!! 【中〜高学年/1時間】
- 今の音はどれ? 【低〜高学年/20分】
- だれの足あと? 【低〜中学年/2時間】
- [7 図画工作+環境]
- 葉っぱのファッションショー 【低学年/1〜2時間】
- 巨人のランチ 【低〜中学年/1〜2時間】
- 森の妖精の不思議な標識 【中〜高学年/1時間】
- [8 図画工作+地域]
- 地域アート探偵団 【中〜高学年/2時間〜】
- 地域のアーティストに学ぼう 【中〜高学年/2時間〜】
- 美術館へGO⇒ 【高学年/2時間〜】
- [9 図画工作+英語]
- バースデーカードをつくろう!! 【高学年/1時間】
- ABCを見つけよう!! 【低学年/1時間】
- 伝統文化に親しもう!! 【中〜高学年/1時間】
- [10 図画工作+幼小連携]
- ともだちなんにんできるかな 【幼+低〜高学年/2〜4時間】
- はかってみよう 【幼+中〜高学年/2時間】
- おもたいゾウ 【幼+低〜高学年/2〜4時間】
はじめに
教育実習生の授業を参観したときのことです。算数の図形の学習でしたが,黒板にかいた図を基に授業が進められており,なぜ子ども一人ひとりに作図をさせないのか不思議に思いました。図を見て考えるより,実際にかいて考える方が確かなはずなのに,などと考えながらふと教室の掲示板に目をやると,社会の調べ活動をまとめた掲示物がはり出されています。歪んではられた写真や,不ぞろいの文字,申し訳程度に添えられたイラスト…。これでは,せっかく調べた内容も,色あせてしまいそうです。
学校では,造形的な要素が他の諸活動と切り離されており,しかもさほど重視されていないのではないかと,改めて考えさせられた次第です。そしてそのとき,本書をまとめてみたいなと思いついたのでした。
造形的な活動は,図画工作の授業でのみ行うものではありません。他教科の活動においても造形活動を活かすことで,より豊かな学びが可能となるはずです。例えば,植物の観察カードは,理科,国語,図画工作が一体となった活動と見ることができるでしょう。しっかりと観察し,気づいたことを絵や文で表すことによって,より確かな学びが保障されるのではないでしょうか。
日常的な「発見ノート」や「先生あのね」などから,「絵日記」,「読書感想画」や「科学工作」,「調べたことを絵や図にまとめる活動」など,図画工作と他教科との合科的な活動は,さまざまに行われています。
新しい学習指導要領でも,「各教科等を横断して学校教育活動全体で力を伸ばしていく」ことが重視されており,今後,「自ら学び自ら考える力」の育成を目指して,より一層,創意工夫のある弾力的な学習展開が期待されてくると考えられます。
本書では,図画工作の教科内にとどまらず,他の教科や領域の活動と結び付いて展開することによって,より確かで豊かな学びをひらいていけるような授業を「図画工作+α」の授業とし,32の題材を取り上げてまとめました。それぞれ,題材の意義や指導のポイントとともに,すぐに使えるワークシートを添えていますので,ぜひともご活用下さい。
「図画工作+α」の考え方で,楽しくしかも効果的な学習が生み出されることを,執筆者一同,心より願っております。
2008年 6月 執筆者代表 /初田 隆
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