『英語科ファックスシート集　中学１年 新教育課程バージョン』の詳細情報

　コミュニケーション能力は，授業で行う様々な活動の内容を検討し，その質を高めることによって身につくものである。活動の質を高める視点として，

　�@　生徒が伝えたいと思う内容に焦点を当てること

　�A　生徒が受信と発信の中心となること

　�B　活動の必然性を高めるように文脈を明確にすること

　�C　活動の中に生徒が知らず知らずのうちに英語をふんだんにつかうこと

　�D　新出事項と既習事項を総合的に取り入れること

　�E　活動が楽しいこと

　�F　伸び伸びとした教室の雰囲気があること

などがある。

　本書は，新教育課程のねらいに即した教室での英語活動を，効率的に，また，効果的に行うための参考として編まれたものである。本書に載っている活動例は，コミュニケーション能力の育成に役立つという視点から，多くの先生方が，これまでに工夫しながら作り上げ，実際に教室で行った様々な活動を集めたものである。これらの活動例を参考にしながら，先生方が授業で自分の生徒にぴたっと合うような活動を考えていただければ幸いである。

　この本の出版に当たり，貴重な活動例を提供してくださった先生方のかねてからの授業改善に向けた熱意に感激し，心からお礼を申し上げます。また，企画や連絡調整のご尽力いただいた明治図書の安藤征宏さんと，面倒な校正の労を惜しまず細かな点までご配慮いただいた竹内敦子さんに心からお礼を申し上げます。

　　平成10年７月　　　編者　／影浦　攻

　本書は，次のような方針で編集されている。使用に当たっては，先生方の判断で，このままファックスしたり，付け加えたり，削除したりして，生徒に合うように工夫してください。

(1)　活動の構成と配列

　本書は，次の３部から構成されている。

　「文法・文型の定着」では，文法や文型の定着をねらった。多様なゲームなどを通して，知らず知らずのうちに文法と文型が身に付くようにしました。

　「統合的な練習」では，幾つかの文法事項や文型を組み合わせて練習する活動を取り上げた。これらの活動を通して，英語をできるだけ自然に使えるように工夫しました。

　「コミュニケーション活動」では，学習した英語を総合的に使って，自分の考えなどを表現する活動を集めた。これらの活動を通して，生徒が楽しく自己表現を行い，英語を実際に使う機会を楽しめるようにしました。

(2)　言語材料の配列

　言語材料の配列については，教科書を参考にした。先生方の教科書に従って，必要な活動を選択して使用してください。また，同じ指導事項でも，活動のパタンが違う活動がある。時間数や生徒の興味などを考慮して，選択してください。

(3)　授業での活動の位置づけ

　これらの活動は，そのねらいによって様々な変化を加えながら，導入や展開や確認や宿題などで行うことができます。

(4)　活動を行う雰囲気と確認

　活動を行うときは，生徒が楽しく感じるように，ゲーム感覚を取り入れてください。言葉を使うことに対する積極性を養成する意味でも大切です。また，ゲームが終了した時に，その時間で養成した文法や文型の確認も大切です。