- はじめに
- 第1章 相田みつをの詩を道徳授業に生かす
- 第2章 相田みつをの詩の世界
- /相田 一人
- 第3章 相田みつをの詩で創る道徳授業
- 1 自分の番・いのちのバトン―相田みつをの詩でカレンダーづくり―
- 2 日々是好日
- 3 こんな顔で―山田寺の仏頭によせて―
- 4 我が子へ
- 5 本心 本気―本の字のつくものはいい―
- 6 曼珠沙華―あんちゃんの話―
- 7 ただいるだけで
- 8 花を支える枝
- 9 ほんとうのことがいちばんいい
- 10 つまづいたおかげで
- 11 しあわせはいつも
- 12 子供へ一首
- 13 自己顕示
- 14 自分の花
- 15 ぐち
- 16 冬心
はじめに
読み物資料を用いて,正しい価値を学んでいく―こういう授業が道徳の基本パターンになっていると思います。
私たちは,こういう授業を否定しません。必要だと思っています。
ただ,この手の授業ばかりを繰り返していますと,中学生は道徳を嫌がるようになるんです。
「わぁー,また,読み物。今日は,3枚もあるじゃん。いややなぁー」
公立中学のクラスには,漢字が苦手な生徒,読書嫌いの生徒がいますが,その生徒たちにとっては,長い文章はたいへんな苦痛なのです。
「そういう発言は断じて認めるべきではない。教師は毅然とした態度で指導すべきだ」とおっしゃられる方もおられると思いますが,しかし,とにかく,そればかりでは,生徒が離れていくのが現実なのです。
こういう生徒たちの正直な気持ちも認め,受け入れ,全ての生徒が喜んで受けることができる,明るく楽しい新たな道徳授業を創り出していく必要があると思います。
さて,中学生を,よーく見ていますと,一般的に次のことがいえるようです。
・ネチネチ長く話されるのはイヤ。しつこいの大嫌い。
・同じパターンはイヤ。新しいもの大好き。
・教えられるばかりの受け身は,実は大嫌い。
無気力・無関心などと言われていますが,中学生は,【ポイントをパッと教えてもらったら,後は,自分の力でやりたい。私を信じて!ウジウジガタガタ言わないで!私にまかせて!】そう叫んでいるのです。本当は,積極的,行動的。やる気満々なのです。
そこで,どうでしょう。中学生の真の姿をそうとらえ,
短くて奥深いものを,活動的に,短時間で
行う道徳授業も年間計画のなかに取り入れてみては。
この考えを,【相田みつをの詩】で実践したものが本書なのです。
私たちは,〈理論家〉〈実践家〉そして〈生徒〉からバランスよく学び,全力で本実践を創りあげてきましたが,まだまだ未熟な面もあろうかと思います。どうか御指導よろしくお願い致します。
最後に,この本が,先生方の授業実践のお役に立ち,中学生の幸せ実現につながりますよう,心から祈っています。
平成12年2月27日 /赤坂 雅裕
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- 明治図書