- まえがき
- 1 規範意識と教師の強い思い
- 2 規範意識と教育
- 3 子どもに規範意識を高めるための手だてとポイント
- 4 1単位時間における道徳授業での取り組みにおける3つのキーワード
- 5 規範意識が高まるには,何を教えるべきなのか
- 6 道徳自作資料
- 「粋な席のかわり方」
- 「図書館の本」
- 「おばあちゃんのおてんと様」
- 「ゴールの先にあるもの」
- 「ことば」
- 「粋だね」(キーワード1)
- 「恥だね」(キーワード2)
- 「おてんと様」(キーワード3)
- 「自己実現」
- 「人間関係調和力」
- 7 道徳局面ミニネタ
- 8 規範意識を高める全体構造図
- 9 道徳教育における規範意識を高めるための3つの要素
- 10 環境を基準においた「規範意識」の構造
- 11 「規範意識」の希薄化の原因と対策
- 解説 規範意識をはぐくむ道徳教育の充実に向けて /押谷 由夫
- あとがき
まえがき
< 規範意識は,育ちますか。
≪ 育ちます。
< 規範意識は,高まりますか。
≪ 高まります。
< 「規範意識」のキーワードは?
< 粋だね
< 恥だね
< おてんと様
(図省略)
規範意識とは,「躾」そのものである。
「躾」とは,「あたりまえのことをあたりまえにする」ということである。この「あたりまえにする」とは,抽象的な表現であるが,具体的に言えば,「正しい行動をする」ということである。
躾は,どこで行われるものなのだろうか。「三つ子の魂百まで」などのことわざがあるように,一般的には,家庭の役目である。先生方の中には,「躾は家庭の役目だから,家庭でしてもらわなければ困る」と言われる方がいるのも事実である。まさに正論ではあるが,子ども第一に考えたならば,躾をする力がない保護者に期待しても,現実的には無理である。勿論,保護者への協力依頼をすることは大切である。そこで最後の砦(とりで)となるのが学校教育である。
学校教育では,「児童生徒にマナーやルール・法を守ることを自覚・遵守させること」「他者とのかかわりを大事にさせるための活動」「自己実現を追求させる活動」を互いに影響し合わせることにより,規範意識が育ち,高まるのではないだろうか。
規範意識が育ち高まれば,子どもの基礎学力の向上も大いに期待できる。なぜならば,規範意識が高まれば「学ぶ」という活動に対して肯定的になり,「あたりまえにする」ことができるようになるからである。
さらなる期待としては,規範意識が育ち高まれば,子どもはよりよく生きることができるようになるのではないだろうか。よりよく生きるということは,自己実現に関連してくる。詳しくは,本書(P77)をご覧いただきたい。
本書の5つの魅力について,以下に述べてみる。
(図省略)
【魅力1】
「粋だね」「恥だね」「おてんと様」の3つのキーワードで規範意識を育てるための魅力的な道徳自作資料を掲載している。
1単位時間における道徳授業での取り組みの3つのキーワードとして,「粋だね」「恥だね」「おてんと様」を設定した。
「粋だね」では,粋な行動をとることの美学を学ぶことができる。
「恥だね」では,恥な行為をすることの愚かさを学ぶことができる。
「おてんと様」では,社会というルールに背くことなくまっとうに生きることの大切さを学ぶことができる。
(図省略)
【魅力2】
規範意識を高めるための魅力的な道徳自作資料を掲載している。
規範意識は,育て,高めることが大切である。そのためには,「他者との関わりを大事にするための活動」や「自己実現を追求させる活動」の魅力的な道徳自作資料を用いることにより,規範意識を高めることができる。
(図省略)
【魅力3】
楽しいあいさつゲームを用いた道徳自作資料も掲載している。
「あいさつゲーム」を通して,さまざまなあいさつを何度も繰り返しさせることにより,日常におけるあいさつが自然とできる。
(図省略)
【魅力4】
道徳局面ミニネタを掲載している。
道徳性を高めさせるために,いろいろな局面で指導する必要がある。指導する局面は,ある程度予想できる。その予想に基づいて,ベストな指導法を知っておくことは,大切なことである。
本書では,学校で頻繁に遭遇しそうな局面を厳選し,それらの局面に合ったミニネタ(指導法)を掲載している。
(図省略)
【魅力5】
すぐに授業で使えるように工夫している。
以下の工夫をしている。
@ 発問や指示,質問,助言などの文言やタイミング,コツ,写真・イラスト等を掲載している。
A ワークシートを掲載している。
B 子どもが食いつく意外性のある導入や終末の工夫をしている。
C 「ねらい」や「対象学年」なども掲載している。
本書の道徳自作資料を学級の実態に応じて,改作・オリジナル化されても結構である。
私は,「道徳自作資料の部屋」というホームページを開設している。
URLは,http://www.synapse.ne.jp/ooe/である。
指導の具体的なポイントが書かれていたので、授業を組み立てる上で参考になりました。