小学校新学習指導要領の展開 算数科編
平成20年版

小学校新学習指導要領の展開 算数科編平成20年版

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新学習指導要領のねらいを具体化する完全ナビ&ガイド!

新旧比較と改訂ポイントのビジュアル解説に加え、@各学年で注目すべき指導内容A新設された指導内容としての〔算数的活動〕から注目すべき活動、の2点を取り上げ、今後の授業づくりのヒントとなる授業展開例を豊富に収録しています。


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ISBN:
978-4-18-838419-0
ジャンル:
学習指導要領・教育課程算数・数学
刊行:
2刷
対象:
小学校
仕様:
A5判 208頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
T 算数科改訂の要点
§1 スパイラルな教育課程そして国際的な通用性のある教育課程の編成
§2 教育課程の構造の明確化
(1) 義務教育修了段階で身に付けさせたい知識・技能と能力
(2) 全国学力・学習状況調査
(3) 指導内容としての算数的活動
U 新・算数科の目標
§1 教科の目標
(1) 「算数的活動を通して」
(2) 「表現する能力」
(3) 「生活や学習への活用」
§2 学年の目標
(1) 第1・2学年での注目すべき点
(2) 第3・4学年での注目すべき点
(3) 第5・6学年での注目すべき点
V 指導内容の新旧比較
§1 第1学年の新旧比較
§2 第2学年の新旧比較
§3 第3学年の新旧比較
§4 第4学年の新旧比較
§5 第5学年の新旧比較
§6 第6学年の新旧比較
W 指導計画の作成と内容の取扱い
§1 指導計画の作成に当たっての配慮事項
(1) 継続的な指導や学年間の円滑な接続
(2) 領域間の指導の関連
(3) 算数的活動を通しての指導
(4) 道徳教育との関連
§2 内容の取扱いについての配慮事項
(1) およその大きさや形をとらえ,適切に判断すること
(2) 考えを表現し伝え合うなどの学習指導
(3) 用語・記号の指導
(4) 筆算による計算の技能や計算の結果の見積り
(5) コンピュータなどの活用
§3 第1学年の指導計画例
§4 第2学年の指導計画例
§5 第3学年の指導計画例
§6 第4学年の指導計画例
§7 第5学年の指導計画例
§8 第6学年の指導計画例
X 新・算数科の注目すべき内容と授業づくり
§1 第1学年
(1) 「A おおきなかず」
(2) 「B おおきさくらべ」
(3) 「D たしざんやひきざんのしき」
§2 第2学年
(1) 「A かんたんな分数」
(2) 「A かんたんな3けたの数のたし算とひき算」
(3) 「A かけ算九九を広げる」
(4) 「C 正方形,長方形」
(5) 「D 表やグラフ」
§3 第3学年
(1) 「A 分数」
(2) 「A わり算」
(3) 「D □を用いた式」
§4 第4学年
(1) 「A 小数のたし算とひき算」
(2) 「B 面積」
(3) 「C 四角形」
(4) 「D 折れ線グラフと変わり方」
§5 第5学年
(1) 「A 小数のかけ算,わり算」
(2) 「A 分数と整数のかけ算,わり算」
(3) 「B 体積」
(4) 「C 図形の合同」
(5) 「D 比例」
§6 第6学年
(1) 「A 小数や分数の計算の活用」
(2) 「B 円の面積」
(3) 「C 縮図や拡大図」
(4) 「C 対称な図形」
(5) 「D 文字を用いた式」
(6) 「D 起こり得る場合」
Y 算数的活動を充実させた授業づくり
§1 充実させるべき算数的活動の特徴
(1) 作業的・体験的な活動など身体を使ったり,具体物を用いたりする活動
(2) 算数に関する課題について考えたり,算数の知識をもとに発展的・応用的に考えたりする活動
(3) 考えたことなどを表現したり,説明したりする活動
§2 具体物などを用いる活動を充実させる
(1) 第2学年:量の大きさの見当を付ける活動
(2) 第3学年:小数や分数の大きさを比べる活動
§3 課題について考えたり発展的・応用的に考えたりする活動を充実させる
(1) 第2学年:乗法九九表からきまりを見付ける活動
(2) 第3学年:単位の関係を調べる活動
(3) 第4学年:計算の見積りをし判断する活動
(4) 第5学年:目的に応じて表やグラフを選び活用する活動
(5) 第6学年:比例の関係を用いて問題を解決する活動
§4 表現したり説明したりする活動を充実させる
(1) 第1学年:計算の意味や仕方を表す活動
(2) 第5学年:面積の求め方を考え説明する活動
(3) 第5学年:図形の性質を帰納的に説明したり,演繹的に説明したりする活動
◇付録 小学校学習指導要領 「算数」

まえがき

 新学習指導要領算数科は,歴史に残る大きな改訂となった。

 ここに至る経緯の中で,教育課程改善の検討とともに,いくつかの学力調査等が実施され,議論が積み重ねられてきた。今日と未来に生きる子どもたちに,確かな学力を身に付け高めてほしいという強い願いからである。小中学校教育課程実施状況調査,OECDのPISA調査(生徒の学習到達度調査)や国際教育到達度評価学会(IEA)のTIMSS調査(国際数学・理科教育動向調査),さらには,全国学力・学習状況調査等が,子どもたちの学力の状況をとらえ,課題を明らかにし,重要な役割を果たした。そして,中央教育審議会答申(平成20年1月17日)がまとめられ,新学習指導要領が創り出された。

 新学習指導要領算数科は,随所に特徴をもつ改訂となっている。大きな特徴としては次の2点がある。

 第1は,新学習指導要領算数科は,指導内容がなだらかに高まっていくように,スパイラルによる教育課程の編成に留意したものとなっている。このことは,小学校の学年間において,また,小中学校の学校間においてもなされている。算数科では,「A数と計算」,「B量と測定」,「C図形」,「D数量関係」の各領域において留意され,指導内容に「簡単な場合」を設けて次学年の素地的な指導をしたり,単一学年で指導されていたものを複数学年で指導するようにしたりしている。それらによって,学年が上がっていくにしたがって,指導内容がなだらかに高まっていくように配慮されている。

 第2は,新学習指導要領算数科は,国際的な通用性をもった教育課程の実現を図ったものであり,グローバル化された社会において子どもたちが生きていくに当たっての基盤となる,国際的にも通用しうる学力を身に付けさせようとするものになっている。一つには,思考力・判断力・表現力を確かな学力として身に付けさせるため,算数科の目標の改善とともに,教育課程の構造的な改善がなされたことが挙げられる。目標において「算数的活動を通じて」ということを一層強調し,「表現する能力」を新たに位置付け,「活用」という文言に置き換えたこと,そして,指導内容の中に〔算数的活動〕を位置付け,今日的課題に応えうる活動を示したこと等に,そのことを見ることができる。他の一つには,指導内容の幾つかの領域の中で,「国際標準」との関わりの中で改善が図られたことが挙げられる。「C図形」の領域が大きく改善されていること,さらには,「A数と計算」,「B量と測定」,「D数量関係」の各領域におけるいくつかの要点となるところで改善がなされたこと等である。

 このような新たな算数科について,その趣旨を理解し,具体的にどのような授業づくりを進めていけばよいのであろうか。本書は,このことに応えるものである。

 本書は,算数科がどのような趣旨で改訂されたのか,具体的な目標や内容はどのように変わったのか,そして,それらを指導へと具体化するに当たってどのような指導計画を作成すればよいのかを明らかにしている。また,特に,どのような授業づくりを進めればよいのかという点について,二つの方向から明らかにしている。その一つは,注目すべき指導内容を取り上げ,授業へと具体化していることである。他の一つは,新設された指導内容としての〔算数的活動〕から注目すべき活動例を取り上げ,授業へと具体化していることである。授業の展開例を多く取り上げることにより,新たな算数科の趣旨を具体的に理解し,実現できるようにしている。

 本書の作成に当たっては,多くの先生がたに格別のお力添えをいただきました。ここに深く感謝の意を表します。また,編集の労をとっていただきました明治図書の石塚嘉典氏と及川誠氏に感謝の意を表します。


  平成20年10月   編著者 /金本 良通

著者紹介

金本 良通(かねもと よしみち)著書を検索»

1951年生まれ。

1976年 大阪教育大学大学院教育学研究科(数学教育専攻)修了

1976年 鹿児島短期大学助手,その後,講師,助教授

1986年 福島大学助教授 教育学部

1991年 埼玉大学助教授 教育学部・大学院教育学研究科

1997年より現職

2002年 埼玉大学教育学部附属幼稚園長(2005年まで併任)

2008年 埼玉大学教育学部附属教育実践総合センター長(併任)

現在  埼玉大学教授 教育学部・大学院教育学研究科

    東京学芸大学教授 大学院連合学校教育学研究科

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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